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花祭り

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第二章

「そうしましょう」
「それじゃあね」
 こうした話もしてだった、二人で。
 明日の祭りのことも話しながらだった、部屋で酒を楽しんでだった。翌朝。
 ファナは朝起きてだ、死にそうな顔で隣のベッドで寝ているルチアーナに尋ねた。
「生きてる?」
「昨日飲み過ぎたからね」
「だから大丈夫?」
「大丈夫じゃないわ」
 ルチアーナもこう言うのだった。
「どうもね」
「あんたも飲んだからね」
「いや、飲み過ぎたわ」
「それでもね」
「そう、今日はね」
「お祭りね」
「この村のね」
 それに観光で出て楽しむというのだ。
「これからね」
「それじゃあね」
「まずはこの二日酔いをね」
「何とかしないとね」
「外歩く?」
 ファナはこうルチアーナに提案した。
「これから」
「そうね、お酒をね」
 それをというのだ。
「抜く為にも」
「いいでしょ、それじゃあ」
「これからね」 
 こう話をしてだった、そのうえでだった。
 二人は宿を出てそうして歩きだした。その散歩で二日酔いの酒を抜く為だ。村はもう祭りの用意は出来ているが。
 しかしだ、それでもだった。
 今は人はいない、皆寝ている感じで村自体が静かだ。山あいにある村は花は咲き誇っているが今は極めて静かだ。
 その静かな村の中でだ、ファナは言った。
「少しね」
「ええ、歩いてたらね」
「お酒が抜けてきた感じね」
「そうね、ただね」
「ええ、これだけじゃ足りないから」
「何か飲みましょう」
 二日酔いを消す為にというのだ。
「そうしましょう」
「じゃあ村にある小川でね」
「お水飲む?」
「いや、言ったけれど」 
 ルチアーナはこう言ったのだった。
「他の国の生水飲むのはね」
「よくないわね」
「そう、だからそれはね」
「止めて」
「とにかく歩きましょう」
「それでお酒を抜いて」
「朝御飯までにね」
 こうしたことを話してだ、そしてだった。
 二人は歩きつつ朝の村を見回した、すると。
 その村の中はだ、やはり静かで。
 その静かさを見てだ、ファナは言った。
「これからどんな賑やかなお祭りになるのかしら」
「そうね、もう用意は出来ていてね」
「後は賑やかになるだけだけれど」
「ここまで静かだと」
「ちょっと想像出来ないわね」
「そうよね」
 こう二人で話すのだった。
「今の状況だと」
「どうにもね」
「けれどお祭りになったら」
「賑やかになるみたいだし」
「その時はね」
「私達も楽しむのね」
 こうしたことをだ、二人は散歩しつつ話した。そうして酒をある程度抜いてだった。宿に戻ってそしてだった。 
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