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転生とらぶる

作者:青竹
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Fate/stay night
  1157話

「へぇ……嬢ちゃん、料理上手いんだな。まさかこの短時間でこれだけ作るとは思いもしなかったよ。しかもこんなに美味そうなのを」

 ランサーがテーブルの上に乗っている中華料理の数々を見て、心の底から感心したように呟く。
 実際、そこにある料理はかなり豪華で、品数も多い。
 元々はバーサーカーを倒したお祝い的な意味も含めて豪華な夕食にしようって話をしていたのが、福引きで更に海鮮の詰め合わせを当てる事が出来た。
 商品券の方は特に使わなかったけど、こっちの海産物は生のものが多いだけに今は冬でもなるべく早く使った方がいい……って事で、海産物の詰め合わせも今日の夕食で奮発される事になった。
 ……まぁ、その分調理に時間が掛かって、結局1時間くらい掛かってるんだけど。
 この前TVで中華は最速の料理だとかなんとか見た覚えがあった割りには……人数を考えればしょうがないのか?
 寧ろ、1時間掛かったのにランサーが短時間って言ってるのが驚いた。
 普段どんな生活をしてるんだろうな? いや、サーヴァントなんだし、食わなきゃ食わないでいいのか? 一応食えば幾らかは魔力が回復するんだろうけど。

「けど、そっちの嬢ちゃんは手伝わなくても良かったのか?」
「……あたしはこういう細々とした料理は苦手なんだよ。カレーとかの大勢で食べる料理は得意なんだけど」
「へー……」

 よく分かっていない感じでランサーが頷く。
 俺も料理自体は殆ど出来ない……と思う。
 意外と、生前は料理とかやってて、実は料理スキルがあったりとか。……ないか。

「ま、料理くらいは女の嗜みよ。ねぇ?」

 ふふん、と勝ち誇った笑みを浮かべて綾子に告げる凜。
 綾子は、そんな凜にうぐぐぐと唸っていたりする。
 まぁ、これだけの料理を見せられればな。
 ちなみにランサーが持ってきたベーコンは、春巻きの具に入ってたり、レタスとベーコンのオイスター炒めとか、そういうのに使われている。
 後は俺の要望で、中華料理じゃないけど厚切りベーコンのステーキ。
 黒胡椒を利かせて作ったらしく、熱々でいかにも美味そうな匂いを周囲に漂わせていた。

「さて、じゃあ食べましょうか。バーサーカーを倒して、聖杯戦争の勝利までまた1歩進んだ事を祝して……乾杯!」
『乾杯』

 と言いながらも、俺達が飲んでいるのはお茶だったりする。
 幾ら何でも聖杯戦争の真っ最中に……しかもサーヴァントの数が少なくなってきて、その1人が目の前にいる状態で酒を飲む程に油断はしていない。
 ランサーもそんな俺達の考えを理解しているのか、特に何も言ってこない。
 まぁ、俺達が飲んでないのに自分だけ酒を飲むってのは面白くないと言って、俺達に付き合って飲んでいるのはお茶だったりするが。
 俺としては、ランサーが酒を飲んでも全然構わなかったんだが……この辺は、意外と律儀だよな。

「……遠坂、あたしがここで言うのもなんだけど、ランサー? の前でバーサーカーをあたし達が倒したって言ってもいいのか? その辺の情報ってのも大事なんじゃないか?」

 水餃子をポン酢で食べながら呟く綾子に、凜が目を見開く。

「ああ、安心しろ。ランサーは俺達がバーサーカーと戦うところを見ていたから。少なくても、俺達がアインツベルンの森から出て来た時にはこっちの様子を窺ってたし」
「え?」
「まぁな。そもそも。お前が昼間に会った時に、午後からは用事があるって言ってたんじゃねえか。そうである以上、気にするのは当然だろ? ……まぁ、あのバーサーカーとセイバーとライダーの3人を相手に互角以上に戦うとは思ってなかったけど」

 やっぱりな。予想通りあの戦闘も見ていたか。
 となると、混沌精霊についての能力もある程度ランサーに知れ渡っているのは間違いないか。

「ちょっ、何で……アークエネミー、あんたランサーがあの戦闘を見に来ているって知ってたの!?」
「確実にって訳じゃないけど、来るとは思ってたな。実際、確信したのはアインツベルンの森から出て来て姿を微かにだけど見た時だし」
「うげっ、見られてたのか」

 まずった、と言いたげなランサーの表情にしてやったりという笑みが浮かぶのを理解しながら、エビチリを食べる。
 うん、プリプリとしたエビの食感が最高だ。

「ランサーとしては色々と見破られやすい行動だったな」
「……隠れている俺を見つけるのは、そう簡単には出来ねえよ。お前さんの能力が異常なんだって少しは気が付きやがれ」

 洒落になんねぇ、とか言いながら頭を掻きむしるランサーだったが、それでもすぐに意識を切り替えるのは歴戦のサーヴァントだからこそってところか。
 それからの食事も、ランサーという敵サーヴァントと一緒に食べているというのが考えられない程和やかに進む。
 お互いがお互いを信頼している……というのとはちょっと違うが、それでも食事を終え……ふと、ランサーが口を開く。

「なぁ、アークエネミー。折角楽しく飯を食い終わったんだ。ちょっと俺と戦ってみねえか?」
「……は? 何だ、いきなり?」

 ランサーの口から出て来た言葉に、意表を突かれたようにそう返す。
 そもそも、楽しく飯を食い終わったからちょっと戦うってどんなだよ。
 それは凜も同じだったのか、呆れたように口を開く。

「あのねぇ、ランサー。あんたの話は意味が分からないわ。大体、何だってそんな真似をする必要があるのよ」
「そういう気分になったってだけだよ。どうだ、アークエネミー。俺としてはお前と戦ってみたいんだけどな」
「……俺はお前と戦う理由がないんだが?」

 その言葉に、ランサーは少し考え……やがて何かに気が付き、口を開く。

「そうだな、じゃあ俺に勝ったらそっちの嬢ちゃんの件はマスターに言わねえよ。今までは聞かれなきゃ言わないって話だったが、今度は令呪を使われない限りは言わない。それでどうだ?」
「……へぇ」

 ランサーの口から出た言葉は、確かに魅力的ではあった。
 これが、もしランサーがあのワカメのような性格をしているのであれば、そんな話を聞く価値もなかっただろう。
 だがランサーはサーヴァントであり、一角の人物でもある。
 こうして話していてもそれは理解出来るし、性格的にも決して自分の言葉を曲げたりといった事はしないだろう。
 多分、本気で令呪を使われない限りはそれを守る筈だ。
 それに、サーヴァントはマスターとパスが繋がっていて念話とかが出来るんだが、この様子を見る限りではそれを使っている様子もない。
 いや、そっちに関しては確証はないが、ランサーの性格を考えればそうなる。

「で、どうする? そもそも、お前等は俺を見つける事が出来なかったんだろ? 今がいい機会なんじゃないか?」
「……確かにな」

 ランサーの言葉は真実だ。
 未だに俺達はランサーの真名を知っている訳でもないし、なによりそのマスターが誰なのか、そしてどこが本拠地なのかも分からない。
 こうして考えると、ランサーのマスターって余程に用心深い魔術師なんだろう。
 ここまで聖杯戦争が進んだのに、未だにその正体を現さないのだから。

『どうする? 正直、私としては魅力的な提案……というか、渡りに船なんだけど。でも、今日はバーサーカーとの戦いがあったばかりでしょ? アークエネミーの方は……』

 どこか心配そうに念話で尋ねてくる凜に、俺は小さく頷いてから念話を返す。

『俺の方は問題ない。魔力生成のスキルがあるおかげで、魔力不足に悩むって事もないしな。ただ、ランサーが何を考えてこんな事を提案してきたのか……』
『あたしが見る限りだと、本当に興が乗ったからって見えるけど』

 綾子の言葉は、確かに普通にありそうなんだよな。
 こうして見る限りだと、ふざけて言ってる訳じゃないのは明らかで、本当に興が乗ったから戦わないかって言ってるように思える。

『そう、ね。確かにランサーをここで倒せたりすれば、色々な意味で助かるけど。それに、アークエネミーが勝ったら綾子の事を言わないとか言っているのを考えると、最後の決着まで付ける気はないって事なんでしょう。それなら、最後まで戦わなくてもいいから……少しでもランサーの手の内は見たいし』

 凜もどうやら賛成のようだ。
 なら、構わない……と、ランサーに返事をしようとして、ふと気が付く。
 この戦いは、もう残り少なくなったサーヴァント同士の戦い。
 それでいながら、お遊び的……というのはちょっと言葉が悪いが、そんな戦いだ。
 つまり、お互いに命を懸ける必要はない訳だ。
 そうなると、今まで全く使い道が分からなかったあの宝具を……

『凜、あのルールブレイカーとかいうキャスターの宝具を持ってきてくれるか?』

 その念話が余程に意外だったのだろう。目を大きく見開いて俺の方へと視線を向けている。

『おいおい、折角の美人が台無しだぞ』

 からかうように告げたその言葉に、薄らと頬を赤くした凜は慌てて念話を返してくる。

『ちょっと、あの宝具を使う気なの?』
『ああ。結局まだ効果は分かってないんだろ? なら、余裕があるうちにその効果を解明しておいた方がいいんじゃないか? 幸い、ランサーとの戦いではお互いに命を奪うといったような事はないんだから、寧ろこの機会に試さないでどうするかって話だ』
『それはそうだけど……本気なのね?』
『おう、本気も本気。大本気だ』

 じっと俺の顔を見ていた凜だったが、やがて頷きを返す。

『分かったわ。じゃあ、すぐにルールブレイカーを持ってくるから、ちょっと待ってて』

 そう告げ、凜が居間から出ていく。

「で、どうするのか決まったのか?」

 そんな凜の後ろ姿を見送ったランサーが、俺に尋ねてくる。

「ああ、喜んで引き受けさせて貰うよ。幸い、こっちにも色々と試してみたい事があったしな」
「おいおい、俺は実験台かよ? そんなに甘く見られてるのか?」

 口調は軽いが、ランサーから感じられる雰囲気は一段重くなる。
 ランサーも英霊になる程の男だ。自分が甘く見られるのは許せないんだろう。

「さて、どうだろうな。ただ、こっちとしても一応目的があっての戦いだ。そっちだって興が乗ったって理由で戦うんだから、そこまで目くじらを立てることはないだろ? それに……」

 一旦言葉を切り、ニヤリとした笑みを口元に浮かべて言葉を続ける。

「どうしても俺が許せないのなら、そんな事が出来ないように全力で挑んでくればいいだけだろう? 俺が何も出来ないままに負けたりしたら、ランサーにとっても実力を見せつけるって意味では問題ないだろうし」
「へぇ。そこまで言うのか。……いいさ、なら俺もお前の思惑に乗ってやるよ」
「アークエネミー、ランサー、一応言っておくけど、お前達2人が戦いをするのなら、どこか広い場所でやってくれよ。この付近で戦われたら、遠坂の家が壊れる」

 じっと俺達のやり取りを見守っていた綾子の言葉に、確かにと頷く。
 まさかサーヴァント同士の戦いを、その辺の道路とかでやる訳にもいかないしな。
 けど、俺とランサーが戦えるような場所ってどこがある?
 ランサーの方も心当たりのある場所はないらしく、少し難しい顔をしている。
 戦うとか、ランサーの方から言ってきたんだから、せめて戦う場所くらいはしっかりと考えておけよ。

「なら、学校のグラウンドがいいんじゃない? 最初にアークエネミーとランサーが戦った場所」

 そう呟いたのは、居間に戻ってきた凜。
 廊下の方にも話し声は聞こえていたのだろう。
 凜の手に握られているのは、刀身の部分が奇妙に曲がりくねっている宝具、ルールブレイカー。
 キャスターの真名解放のおかげで名前は分かっているが、未だにその宝具がどんな効果を持つか不明という、微妙な宝具だ。
 何しろ、このルールブレイカーを使ってキャスターを刺して、赤い光が発した事から確実に効果を発揮したのは事実だが、キャスター本人はすぐに転移魔術でその場から消えた。
 おかげで、どんな効果を発揮したのか全く不明なんだよな。
 それをこの際、ランサーに使って確かめさせて貰おうと思っている訳だ。

「学校のグラウンドか。確かに広さ的には十分かもしれないけど、まだワカメの件で警察とかがいるんじゃないか?」

 あれだけの大騒ぎだ。数日程度で警察が引き上げるとは思えない。
 そう思って尋ねたんだが……

「問題ないわよ」

 凜はあっさりとそう告げたのだった。

「元々あの件は綺礼が教会の力を使って警察に働きかけたものだから、向こうでも本腰を入れている筈もないし、今日の戦いで何かあっても、困るのは綺礼だけだもの」

 うん? 何だか今の凜の言葉で少し、ほんの少しだけランサーが反応したように見えたけど……もしかして学校の件は知らなかったのか?
 まぁ、学校には聖杯戦争に参加している半分以上のマスターやサーヴァントがいたからな。
 迂闊に近づけなかったのは分かる。
 ともあれ……

「学校が戦いの舞台になるのなら、俺としても文句はない。……ランサー、お前は?」
「俺も問題はない。じゃあ、早速行こうぜ!」

 獰猛な笑みを浮かべて、ランサーはそう告げるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:385
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1186 
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