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転生とらぶる

作者:青竹
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Fate/stay night
  1156話

 スーパーから出た俺達だったが、当然のように凛は笑顔を浮かべて上機嫌に笑っている。
 まぁ、福引き3回の全てが当たりだったんだから、嬉しかったんだろう。
 当たった内容も、1000円の図書カード、4000円相当の海鮮詰め合わせ、5万円分の商品券と、どれもこれも相応の代物だからだ。……まぁ、図書カードは微妙そうな表情を浮かべていたが。
 ともあれ、凛が嬉しそうに笑みを浮かべながら口を開く。

「アークエネミーの黄金率って、それ程ランクが高くなかったから心配してたけど、こういう風な利益があるのね」

 凛の言葉に、買い物の荷物を持たされている綾子が溜息を吐く。
 ちなみに本来であれば買い物の荷物は俺が持つんだが、今の俺の手は海鮮詰め合わせで塞がっている。
 重さ自体は全く問題ないんだが、物が詰め合わせだけに、かなり大きい。
 その結果、買い物で買った荷物は綾子が持つ事になっていた。
 スライム辺りを使えば普通に荷物の持ち運びは出来るんだろうが、まさかこんな街中で宝具を出して、しかもそのまま歩くなんて事が出る訳がないし。
 尚、凛は手ぶら。
 まぁ、俺や綾子は筋力の能力値が元々人間とは大分かけ離れているからな。
 それを思えば、確かに凛の言いたいことも分からないではない。
 それで不公平感がないと言えば嘘になるが。

「ランクCでこれだけの収穫なら、それこそアークに宝くじとか賭けとかをやらせれば、金に困るって事はないんじゃないか?」

 今日の件を見ていればそう思う気持ちも分からないではないが……

「残念ながらそう上手くはいかないな」

 海鮮詰め合わせを持ち直しながら、綾子の言葉を否定する。

「何でだ?」
「ランクCだからだよ。これがランクAなら、それこそ宝くじをやっていても1等がバンバン当たったりするんだろうが、俺の場合はランクCだ。ある程度の金は入ってくるけど、持て余す程って訳じゃない」
「……つまり?」
「ぶっちゃけ、当たったり当たらなかったりすると思う。今回は3回やって3回当たったけどな」

 それでも金に困らない程度は金が集まってくる筈だが、それはあくまでも普通に暮らしている場合に限るだろう。
 凛のように、魔術に使うからと宝石を買い漁ったりしていれば、当然金に困る事になる筈だ。
 実は金に困ったら丁度都合良くある程度の金が入るって感じだったら、分からないでもないけど……それこそ、ランクAならともかくランクCでそこまで都合良く行くかどうかと聞かれれば、俺は否と答えるだろう。

「そうそう上手くはいかない、か」
「まぁ、惜しいけどね。それよりおかげで今日は買い物に出る前に想定していたより、更に豪華な食事に出来そうよ」

 元々今日はバーサーカーを倒した記念という、イリヤ辺りが聞けば速攻で襲ってきそうな理由で豪華な食事にするつもりだった。
 それが更に豪華になるんだから、どんな料理になるのか……

「あ、じゃああたし、この前TVでやってた奴を食べたいな。壺に入った料理で、その匂いを嗅げば坊主が寺の塀を跳び越えて食べにくるとか……」
「綾子……あのね、あの料理は今日作ってすぐに食べられるって料理じゃないの。それこそ、1週間とか掛かるのよ? それに作るにしても、材料費だけでこの商品券程度だととてもじゃないけど足りないわよ」

 坊主? 壺? どんな料理なのかは分からないが、取りあえずかなり高級な料理の話をしているらしい。 
 ちょっと興味があるな。
 そんな風に会話をしながら、俺が持っている海鮮詰め合わせが特に人の目を引くらしく、買い物に来た時よりも更に周囲の視線を引き付けながら、商店街を出る。
 そうしてそろそろ夕日が暮れようかという頃合いに、3人揃って家まで帰ると……

「よお、遅かったじゃねえか。全く、折角来たってのに誰もいないから待っちまったぜ」

 ……何故か凛の家の門に背中を預けているランサーの姿があった。
 思い切り気楽な様子で、まるで自分がこの聖杯戦争における数少ない生き残りのサーヴァントであるとは思ってもいないような、そんな感じ。
 本人としては、戦いになるとは思ってもいないのだろう。
 だが、ランサーがそう思うのと、凛がそう思うのは全く違う話であり……

「ランサーッ!」

 凛の声が周囲に響く。
 幸い、周囲には人通りが殆どないからいいが、ここで戦闘になると色々と不味くなる。
 もしもここがどこか他の場所なら戦闘になっても問題はないんだろうが。

「凛、落ち着け。ランサーはこっちと戦うつもりで来てるんじゃない。それくらいは、奴の様子を見ていれば分かるだろ」
「……分かってるわよ。けど、今まで行方不明だったランサーがようやく自分から姿を現したのよ? なら、ここで決着を付けるべきじゃない?」

 退く気はないとばかりに告げてくる凛。
 いやまぁ、その気持ちは分からないでもない。
 実際、ランサーは全サーヴァントの中で最も神出鬼没と言ってもいい存在だ。
 今までに遭遇したのも、衛宮と遭遇した学校でと、俺が1人で街中をブラブラしている時、そしてバーサーカーとの戦いの様子を見物していたと思しき時。
 特に最後の2つは今日の出来事なのを考えると、基本的にこっちの意思でランサーを見つける事が出来ていないのは事実だ。
 どこのアサシンかってくらいに隠密度が高い様子は、確かにちょっと敵にするのは厄介極まりない。
 ……そう考えると、確かにここで倒した方がいいのか?
 ただ、どうにもランサーとここで戦う気にはならないんだよな。
 性格的に相性がいいんだろうとは思うが。

「嬢ちゃん、そんなにカッカとするなよ。こうして手土産も持ってきたんだぜ? 少しは話を聞いてもいいんじゃないか?」

 そう告げたランサーの手には、どこから持ってきたのかベーコンのブロック……それも、5kgくらいはあるだろう塊が握られている。

「どこから持ってきたんだ、そんなブロック」

 ベーコンくらいなら、それこそさっきまで俺達がいたスーパーでも売っている。あるいは肉屋の類でも売ってるだろう。
 けど、あのベーコンの塊のようなものを売っている店となれば、それこそ自分達でベーコンを作って売っているような、本格的な店に限られる。
 だが……そんな俺の疑問は、綾子の言葉で霧散する。

「それ、もしかしてスモークンミートのベーコンじゃないのか!?」
「おお、そっちの嬢ちゃん正解だ」
「……盗んできたんじゃないでしょうね?」

 綾子の言葉を聞いた凛の態度が微妙に変わる。
 何だ、有名な店なのか?
 説明を求めて視線を向けると、綾子が口を開く。

「スモークンミートってのは、冬木にある肉屋のベーコンだよ。肉屋と名乗ってるけど、普通の生肉を売ったりしてるんじゃなくて、ソーセージとかベーコンとかの燻製物の専門店だ。ただ、かなり手間暇を掛けて作っているから、値段的にかなり高額なんだよ」
「へぇ、そうなのか」

 何故か綾子の言葉に同意したのは、ランサー本人。

「ちょっと、本当に盗んできたんじゃないでしょうね?」
「まさか。ただ、ちょっとした縁があって、人助けをしたらその店の店主だったんだよ。で、そのお礼って事でこうしてベーコンを貰ったんだが……何せ、この大きさだ。マスターに食うかと聞いてもいらないって言うし。で、どうせならお前達と一緒に食おうと思ってな」
「あのね、私達は聖杯戦争での敵同士よ? なのに、何だって一緒に食事をしようって思うのよ」

 呆れたように呟く凛に、ランサーは大袈裟に肩を竦める。

「敵同士だからって、一緒に飯食ったり、飲んだりしちゃいけないって訳じゃないだろ?」
「何だって敵同士で……」
「いいだろ、別に。敵同士で飲んだりしちゃいけないとか、つまらねえと思わねえか? そっちの嬢ちゃんはどう思う?」

 凛を相手にしては勝ち目が薄いと判断したのだろう。ランサーの視線は、買い物袋を持っている綾子の方へと向けられる。
 だが、その綾子も表情はそんなに嬉しそうではない。

「あたしか? うーん、これがスポーツとかだったら分からないでもないけど、聖杯戦争なんだろう? それなら、戦う時にやりにくくなるんじゃないか?」
「ばっか。そんなんで戦気が鈍るかよ」

 そんな風に会話をしていて、ふと何か妙な感じがする。
 うん? 何だこれは?
 その違和感の正体に、最初に気が付いたのは凛。

「……ランサー、あんた何で綾子に聖杯戦争の話をしているの? 私やアークエネミーならまだしも」
「っ!?」

 凛の言っている内容に気が付き、息を呑む。
 そう、ランサーは最初に俺達と戦った時、魔術の世界に関して全く知らないと思われた衛宮を殺そうとした。
 いや、実際には殺したんだが、凛の切り札でもあるペンダントの力でそれを無理矢理覆したのだ。
 だというのに、何故ランサーは綾子に対して普通に聖杯戦争の話をしているのか。
 それに気が付き、ランサーへと鋭い視線を向ける。
 つまり、こいつは……

「お前、知ってるな? 綾子の件を」

 警戒心を滲ませて告げた言葉だったが、それに対してランサーはあっさりと頷く。

「ああ、勿論。アークエネミーの血を飲んで人間じゃなくなったんだろ? 何だってそんな風になったのかは分からねえが……」
「……アークエネミー、こいつを逃がしちゃ駄目よ。この件をランサーのマスターに知られる訳にはいかないわ」

 ジリ、と殺気を噴き出しながら告げる凛。
 俺もそれには同意するが、その前にふと気が付き凛に向かって口を開く。

「ちょっと待て。その件をランサーのマスターが知っていたとして、何で何も手を出してこない? 普通なら、この件を利用してこっちに揺さぶりを掛けてきたりするんじゃないか?」

 そう、綾子が半サーヴァントとなってしまってから、既に数日が経っている。
 もしもランサーのマスターに綾子を使ってどうこうするつもりがあるのだとすれば、今まで何の手出しもしてこない事の方がおかしいのだ。
 それは、つまり……

「マスターに綾子の事を報告して、いない?」
「ああ、残念ながらうちのマスターは俺と相性が悪くてな。正直、俺としてもああいうマスターに仕えたいとは思わねえんだよ。だから聞かれた事には答えるが、聞かれてない事には答えない。……安心したかい?」

 ランサーの言いたい事は分からないでもない。
 事実、ランサーは今まで何度となく自分のマスターを気にくわないといった趣旨の発言をしている。
 それを信じるのなら、マスターとランサーの相性は最悪に近いんだろう。
 いや、殺し合いにまで発展していないってことは最悪って程悪くはないんだろうけど、それでも聞かれてもいない報告はしたくない。
 つまり、進んでマスターの役に立とうとはしないって事か。
 ……それならさっさとマスターを切り捨てればいんだろうけど、それは以前ランサーに拒否されている。
 サーヴァントになるだけあって、色々と義理堅いのは事実なんだろう。

「さて、どうする? ここで俺を追い返すか? もし追い返されたら、俺としてはマスターに報告するかもしれないぜ?」
「……」

 ランサーの言い分に微妙な表情を浮かべる凛。
 敵対しているけど、どこか憎みきれない。そんな様子か。

「凛、取りあえず入れてやったらどうだ? ランサーの様子を見る限りだと、綾子の件をマスターに知らせるような様子はないだろうし」
「ああ。俺からは何も言わないさ。ただ、言っておくけどマスターから聞かれたら答えるぜ? そういう風にしない為には、なるべく俺とマスターの接点を少なくした方がいいと思うんだけどな。どうだい、嬢ちゃん」
「……今日は色々と楽しい食事になる予定だったのに、台無しね」

 凛はそう告げ、ランサーが家の中に入る事を許容する。

「言っておくけど、普通なら魔術師の工房に入るってのは死を覚悟しなくちゃいけないんだからね。その事を十分にありがたく思いなさい。それと、妙な真似をしたらどうなるか……分かってるわね?」
「わーってるって。俺だってアークエネミーと戦うなら、正面から堂々と戦いたいしな。少なくても、俺から何かをするようなつもりはないから、安心しな」

 ランサーの言葉を完全に信じた訳ではないだろうが、取りあえず凛と綾子もその言葉で大丈夫だろうと判断したのか、そのまま家へと上げる。

「勝手に動き回ったりしたら、命の保証はしないわよ」
「おー、怖え、怖え。サーヴァントを殺すだけの工房ってどんなんだよ」
「……ランサー、あまり凛を怒らせるなよ。こっちにも被害が来るんだからな」

 嫌だぞ、以前食べた激辛麻婆豆腐をまた食わされる事になったりしたら。
 あの麻婆豆腐、激辛なのにそれでも食うのは止まらないんだよな。
 辛い辛いと言いながら、嫌でもあの麻婆を食ってしまう。

「へいへい。家主の言う事には逆らいませんよっと」

 軽い口調で呟きながら、俺達は家の中へと入ってくのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:385
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1186 
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