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ドリトル先生の水族館

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第十幕その六

「暮らし方もかなりのものになるんだ」
「自分より身体の大きな生きもの食べたり」
「やたら大きかったり」
「そうした形になっていくんだね」
「次第に」
「リュウグウノツカイさんみたいに」
「ああ、リュウグウノツカイさんね」
 ツノモチダコさんはこのお魚の名前を聞いてまた言いました。
「あのお魚さんのことはね」
「知ってる?何か」
「あのお魚さんのこと」
「何かと謎だけれど」
「何か知ってることあるかな」
「残念だけれど僕も知らないんだ」
 ツノモチダコさんは申し訳なさそうにです、皆に答えました。
「滅多に見ない人だし」
「同じ深海生物でもなんだ」
「同じ場所にいても」
「そうなんだね」
「いや、同じ場所じゃないよ」 
 深海と言ってもとです、ツノモチダコさんはまた皆に答えました。
「それがね」
「深海っていっても」
「そうなんだ」
「色々な場所があるんだ」
「深さの問題もあるし」
 ツノモチダコさんは今さっきお話したことをまた皆にお話しました。
「それに海って言っても広いよね」
「あっ、確かに」
「地球は海の方が陸よりずっと広かったね」
「それで深海もなんだ」
「場所が広いんだね」
「そうなんだ」
「あの人は外の海の方にいるんだ」
 つまり外洋の方にというのです。
「だから僕達とはね」
「会うことが少ない」
「そうなんだ」
「深海は深海でも」
「ツノモチダコ君達とはなんだ」
「また違うんだね」
「いる場所は」
「そうだよ、だからね」
 それで、というのです。
「僕達は滅多に会わないんだ」
「君達は日本の近くにいるんだね」
「日本近海に」
「そこにいるから」
「あのお魚さんとは会わないんだ」
「そうなんだよ、それでもっと深い場所には行かないしね」 
 もっと言うと行けないのです、ツノモチダコさん達は。
「そこも違うよ」
「そういうことなんだね」
「同じ深海でも住んでいる世界が違うんだね」
「深さや場所によって」
「そうなるんだね」
「そうだよ、ただ僕もダイオウグソクムシ君達はと話をしたりするよ」
 この子達とはというのです。
「ちゃんとね」
「あっ、そうなんだ」
「今も何も食べてないけれど」
「あの子とはなんだ」
「話をしたりするんだ」
「そうだよ、ただね」
 ツノモチダコさんはこうもお話しました。
「彼等は無口なんだよね」
「ふうん、そうなんだ」
「あの子達は無口なんだ」
「深海でも」
「そうなんだ」
「話しかけてもあまり言葉を返してこないし」
 それにとです、またお話したツノモチダコさんでした。
「一匹でいることも多いし、海の底で」
「そこでなんだ」
「一緒にいるから」
「だからなんだ」
「あの子がどうして食べないかは」
「ツノモチダコさんも知らないんだ」
「知ってることは知ってるけれど」
 それでもというのです、ツノモチダコさんはここで先生を見ました。そのうえでこうしたことを言ったのでした。 
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