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ドリトル先生の水族館

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第九幕その八

「アーケロンっていうんだ」
「その恐竜さんがだね」
「その大きなウミガメさんなんだね」
「そうだよ、恐竜は爬虫類だね」
 先生は皆にこのこともお話しました。
「そして亀君達も爬虫類だから」
「そのアーケロンっていうウミガメさんは恐竜にも分類されてるんだ」
「そうなんだ」
「その恐竜は大きかったんだ」
 実際にというのです。
「今のウミガメ君達よりもね」
「四メートルもあったんだね」
「そうだったんだね」
「そうだよ」
 先生はまた皆にお話しました。
「あの若い先生がお話しているのは間違いなくアーケロンのことだね」
「ううん、若し今アーケロンがいたら」
「もっと大きな水槽じゃないと駄目だね」
「四メートルもあったら」
「それこそ」
「うん、とてもね」
 実際にと答えた先生でした。
「他の恐竜達もそうだよ」
「海にいる恐竜もそうで」
「陸にいる恐竜もね」
「水族館や動物園で飼おうって思ったら」
「大変だよね」
「大きいからね」
 皆もこの辺りの事情はわかりました。
「それに凶暴な恐竜もいそうだし」
「海だとエラスモサウルスとか」
「あと陸だとティラノサウルス」
「そうした恐竜もいるから」
「育てるのはね」
「凄く大変だね」
「僕達と恐竜が一緒にいたら」
 ここでこんなことも言った先生でした。
「面白いけれど」
「僕達は大変だよね」
「恐竜に襲われたりして」
「大人しい恐竜でも大きいからね」
「若し踏まれたりしたら」
 そのとてつもなく大きな足で、です。
「それでぺしゃんこだよ」
「そうなっちゃうからね」
「やっぱり恐竜と僕達が一緒にいたら」
「大変だよね」
 皆もです、恐竜の巨大さと恐ろしさを想像して言います。
「僕達こうしていられないかも」
「恐竜にいつも追い立てられていて」
「哺乳類も鳥類もね」
「ずっと恐竜の陰にいたかもね」
「恐竜がいる間はね」
 先生も言います。
「地球は実際ずっと恐竜が支配していたんだよ」
「そう言っていい状況だったんだね」
「巨大な恐竜達が地球のあちこちにいて」
「お空も飛んで海も泳いで」
「恐竜の支配する星だったんだね」
「そうだよ、人間の文明なんかお話にならない位長くね」
 恐竜達が地球を支配していたというのです。
「そうだったんだよ」
「恐竜って凄かったんだね」
「本当にね」
「その恐竜達がいたら」
「僕達はやっぱり」
「うん、こうしていられなかったかもね」 
 純粋にこう言った先生でした。
「僕もそう思う時があるよ」
「恐竜って格好いいけれど」
「何かロマンがあるけれど」
「僕達とはね」
「一緒に住めないかも知れないんだね」
「そう思う時があるよ」
 実際にというのです。 
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