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ドリトル先生の水族館

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第九幕その七

「そんな人は僕は認めないよ」
「自分の子供に対して暴力を振るう人も」
「親として失格だって」
「先生はいつも言ってるね」
「人として間違ってるって」
「そうだよ、あってはならないものだよ」
 暴力を振るう人はというのです。
「そうしてはならないよ」
「さっきの親御さん達は暴力を振るわなかった」
「そのこともよかったね」
「暴力を振るうこともなかったから」
「本当にね、子供達に注意は必要でも」
 それでもというのです。
「そこに理不尽や暴力があっては駄目なんだ」
「そこも踏まえて注意しないと」
「子供によくないんだね」
「そうだよ、あのご両親はそのこともわかっていたから」
 だからとです、先生は穏やかな言葉で皆にお話しました。
「あの子達は今は賑やかだけれど」
「いい大人になる」
「そうなるんだね」
「なるよ、きっとね」
 先生のお顔は落ち着いたものでした、皆にこうお話してでした。
 次の診察場所に向かいます、見ればウミガメさんのコーナーの前で先程とは別の子供達がいてウミガメさん達を見ています。
 そしてです、こんなことをお話していました。
「足じゃなくて鰭なんだね」
「この亀さん達はね」
「海にいるからなんだ」
「海の中で泳ぐからね」
「足が鰭になってるんだね」
「面白いよね」
 こうしたことをお話していました。
「ずっとこの亀さん達見ていたいね」
「昔はね」
 ここで、です。子供達を引率している若い奇麗な女の人が子供達に言いました。
「この亀さん達よりもっと大きなウミガメさんがいたのよ」
「えっ、ウミガメさん達大きいけれど」
「もっと大きなウミガメさん達がいたの」
「そうなの」
「そうなの、四メートル位あったのよ」 
 そのウミガメさんの大きさはというのです。
「この亀さん達よりずっと大きいでしょ」
「ええと、四メートルって」
「どれ位なのかな」
「凄く大きいの」
「そんなになのね」
「その大きさはね」
 四メートルはどれ位かもです、先生は子供達にお話していました。先生はその様子を目を細めつつ見ながら動物の皆に言いました。
「ああした光景はいいね」
「子供達が生きものを見てね」
「それで先生が説明する」
「興味を持っている子供達にさらに」
「いい光景よね」
「そう思うよ、それでね」
 さらにお話した先生でした。
「あの先生は昔はもっと大きなウミガメ君がいたって言ったね」
「うん、そうだよね」
「四メートル位の」
「そこまで大きなウミガメさん達がいたってね」
「何なの、そのウミガメさん達って」
「四メートルもあったって」
「凄く大きいね」
 ウミガメさん達にしてはです。
「何時の時代のウミガメさんかな」
「今はもういないよね」
「それって一体」
「どんな亀さんなのかな」
「恐竜でね」
 先生は首を傾げる皆にお話しました。 
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