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ロックマンX~5つの希望~

作者:setuna
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Another23 消える神の輝石

 
前書き
超フォースメタル消失。 

 
ボロックがフェラムのボディから鍵を抜き出し、超フォースメタルのある場所に向かおうとした時、エックス達はある場所の小窓付近にいた。

ゼロ「随分と厳重に守られているな。エックス、フィールドレーダーで分からないか?」

エックス「分かった。やってみよう」

意識をヘッドパーツに集中させるとあまりハッキリとは分からないが、巨大な筒状の物に見えた。

エックス「あまりハッキリとは見えないが、この形状は…ロケットか?いや、それにしては…」

ゼロ「エックス…サードアーマーの性能が落ちてるんじゃないのか?」

エックス「っ…し、仕方ないだろう!!サードアーマーのヘッドパーツは100年前の…ドップラー博士の反乱時の監視衛星との同期を前提にして造られてるんだ!!今の監視衛星とでは完全な同期が出来ないんだよ!!」

ルイン「し、知らなかった…そう言えばあの時は私、大破してたからなあ…今の技術力は200年前の…ライト博士やワイリー博士がいた頃に近付いてきているし、その技術力で造られた監視衛星とでは完全な同期は難しいよね」

シナモン「だったら、フィールドレーダーで見た内容をアリア博士達に画像で送ってみたらどうですか?解析出来るかもしれませんよ?」

ルナ「それだよシナモン!!偉いっ!!さあ、エックス。アリア博士に画像を送り出シタマエ!!」

アクセル「ルナ…」

エックス「アリア博士、ガウディル。聞こえますか?これより画像を送ります。画像解析を」

アリア『OK、任せなさい!!ガウディル君、解析準備』

ガウディル『分かったグワ』

画像解析が終わるまで、エックス達は少しの間だけ待つことになった。
しばらくして…。

エックス「どうですか?アリア博士、ガウディル。」

ガウディル『グワ!!?こ、これは!!』

ルイン「え?ガウディル博士、どうしたんですか?そんなに慌てて?」

アリア『慌てるよ、そこにある物を知ったらね…みんな、そこにあるのは弾頭に超フォースメタルを仕込んだミサイルだよ』

ゼロ「ミサイルだと!!?」

ルイン「博士、ミサイルが爆発したらどうなるんですか?」

アリア『う~ん。超フォースメタルのエネルギーが爆発の瞬間、一気に解放されて、少なくても北半球一帯のレプリロイドに影響が出るね』

ルナ「影響って?」

ガウディル『フォースメタルのジャミングの影響でイレギュラーの大量発生だグワ!!』

アクセル「イレギュラーの大量発生!!?」

アリア『エックス君達、何とか超フォースメタルをミサイルの弾頭から取り外して!!フィールドレーダーなら最短ルートで辿り着けるはずだよ!!』

エックス「了解!!」

フィールドレーダーの出力を最大まで引き上げ、ここからミサイル弾頭調整室までの最短ルートを導き出し、エックス達が通路を駆け抜けようとした瞬間である。

エックス「ん…?」

ゼロ「どうした?エックス」

エックス「今、フィールドレーダーが微弱なエネルギーを感知した…。近くにある…」

ゼロ「そんな物放っておけ。今はミサイル発射の阻止を優先すべきだ」

シナモン「で、でも…もしかしたら怪我をされてるかも…」

アクセル「でも、そっちに向かっている間にも、ミサイルが発射されるかもしれないし…仕方ない、シナモン。僕も行くよ、エックス達はミサイルをお願い」

マリノ「ああ、待ちな。私も行くよ」

マッシモ「マリノさんも行くのなら俺も行こう。これで4人。そっちも4人で丁度いいだろう?」

エックス「分かった。そっちも気をつけてくれ!!」

ミサイル弾頭調整室に向かって走り出すエックス達、微弱なエネルギー反応に向かって走り出すアクセル達。









































アクセル「ここは…メンテナンスルーム?」

扉を開くと、メンテナンスベッド等の医療設備があることからメンテナンスルームだと判断したアクセル。

マッシモ「ここか?微弱なエネルギー反応があったのは……」

シナモン「あ、あれは!!?」

マリノ「フェラム!!?」

メンテナンスベッドの横に倒れているフェラム。
ボディに風穴が空き、火花が出ている。

アクセル「おかしいな。僕から受けたダメージにしてはダメージが大きすぎる」

シナモン「大変です、手当てしないと!!」

アクセル「え?ちょ、本気?こいつ敵なんだけど…」

シナモン「怪我人に敵も味方もありません!!」

アクセル「う、わ、分かったよ。」

シナモンの迫力に圧倒され、アクセルはフェラムの治療を認める。
エンジェリックエイドにより、フェラムの傷が癒されていく。

フェラム「う…っ」

アクセル「目は覚めた?」

フェラム「っ!?あんたは…痛っ…」

身構えようとして激痛に顔を歪めるフェラムを見て、シナモンが制した。

シナモン「動かないで下さい。まだ完全に傷が塞がった訳じゃないんですから」

フェラム「あ、あんた…どうして私を…私はあんた達の敵……」

マリノ「怪我人に敵も味方もないんだってさ。生憎私達はシナモンに弱くてね」

マッシモ「シナモンは自分で言い出したことは決して曲げないからな。あんたも大人しくした方がいいぞ」

アクセル「それにそんな怪我じゃ、満足に身体を動かせるようになるまで時間がかかるでしょ。それにしてもあんた、何があったのさ?腹に穴空けて?」

フェラム「っ…そうだ…ボロック…あいつ、超フォースメタルを…」

マリノ「ボロック?あの丸い奴かい?」

フェラム「そうだ…あいつは…超フォースメタルを奪うつもりなんだ…私達の理想のために必要な…」

マッシモ「…理想?世界中のレプリロイドをイレギュラー化させるためがか?」

フェラム「イレギュラー化…?違う…私達は…リベリオンは…そんなこと望んでなんかいない…超フォースメタルは元々、通常のフォースメタルのように…レプリロイドの性能を高めるために生み出されたんだ…超フォースメタルのエネルギーでレプリロイドの性能を高めて…高性能なレプリロイドが増えれば…この世界は…」

アクセル「…そのためにイレギュラー化する危険性が高い手段を使うなんて僕には正しいこととは思えないな」

フェラム「ぐっ…」

シナモン「あ…」

マッシモ「大丈夫、気絶しただけだ。」

気絶したフェラムをメンテナンスベッドに横たわらせ、シナモンが治療を続ける。

アクセル「ボロック…あいつがフェラムを襲って、ミサイルの弾頭の鍵を奪った…一体何がどうなってんの?」

アクセルの呟きはメンテナンスルームの喧騒に消えた。








































一方エックス達も、フィールドレーダーで導き出した最短ルートを駆け抜け、広い部屋に出ると、バナリア大砂漠の施設で戦ったボロックの姿を見つけた。

ゼロ「おい!!」

ボロック「ぎょ!?ぎょぎょっ!?(なっ!?は、速い!!どうやらエックスのアーマーの性能を見くびりすぎていたか…)」

ルイン「あなたは…ボロック!!」

ボロック「こ、これはイレギュラーハンターの皆さん。お早いお着きでしたな。きょ~っほっほっほ!!」

ルナ「ふん、てめえらリベリオンが超フォースメタルで何を仕出かそうとしてんか…全て分かったぜ!!」

ゼロ「だが、貴様らの下らん計画はここで終わりだ。」

エックス「超フォースメタルは…ミサイルは絶対に発射させない!!」

ルイン「あなた達の企みは、私達イレギュラーハンターが必ず潰します。」

ボロック「きょ?素晴らしい!!ミサイルの弾頭についてもご存知なんですか?弾頭の鍵は私が持っているのですぞ。私の持っている2つの鍵を合わせないと、弾頭は開かないのですぞ?きょ~っほっほっほ!!」

ゼロ「そうか、なら簡単だ」

ルナ「てめえをぶっ潰して鍵を頂くとするよ」

ルイン「そして超フォースメタルを回収して終わり」

エックス「覚悟しろ!!」

ミサイルの弾頭の鍵を手に入れるためにエックス達がボロックに武器を向けるが…。

ボロック「果たして…出来ますかな~?出でよQビット!!」

再び天使を思わせるビットを召喚するが…。

ルイン「え?」

ボロック「きょ~っほっほっほ!!」

偽ボロック「「きょ~っほっほっほ!!」」

Qビットがボロックの姿となる。
姿形、データ反応も全てボロックと同じだ。

ルナ「Qビットに俺やアクセルみたいなコピー能力が…」

ボロック「まあ、そのような物です。私もまだやられるわけにはいかないので、さらばさらば!!」

脱兎の如く逃げ出すボロック。
偽ボロック達がエックス達の道を塞ぐように立ちはだかる。

ルイン「あ、逃げた!!」

ルナ「おい、ゴルア!!」

ゼロ「こいつらを片付けてボロックを追うぞ!!!」

エックス「ああ!!ハイパーモード・グライドアーマー!!ギガクラッシュ!!」

サードアーマーからグライドアーマーに換装し、ギガクラッシュで偽ボロック達を吹き飛ばす。

ルナ「ハイパーモード・ウェントス!!プラズマサイクロン!!」

ハイパーモード・ウェントスを発動、プラズマサイクロンで宙に上げる。

ゼロ「零式兜割!!」

ルイン「チャージセイバー!!」

最後に高火力アタッカーのゼロとルインがセイバーによる強烈な一撃を喰らわせる。

エックス「くそ、何とかボロックを捕まえよう。超フォースメタルを回収しなければ!!」

ルイン「うん!!」

エックスはファーストアーマーに換装すると、加速器を吹かす。
ゼロ達も加速器を吹かして、ボロックを追いかけた。









































一方、フェラムの治療を終えたアクセル達は気絶しているフェラムをそのままに、エックス達と合流すべく駆け出した。
エックス達とは違い、最短ルートは分からないために通常のルートを走り、広い場所に出た瞬間。

偽ボロック「きょ~っほっほっほ!!!!来た来た!!」

【侵入者だ~~っ!!】

アクセル「な、何これ…?」

マッシモ「ボ、ボロックが30体も…!!?」

シナモン「きっとボロックは兄弟が沢山なんですね!!30つ子です!!」

マリノ「いや、兄弟って言うか明らかに偽物だろ」

シナモンの天然発言にマリノの冷静なツッコミが炸裂した。

偽ボロック「ボロック様の時間稼ぎのために戦え~」

【戦え~】

大量の偽ボロックがアクセル達に迫る。

マリノ「うわっ!!?来た!!」

アクセル「気持ち悪…変身、シルバー・ホーンド!!アビスプレッシャー!!」

マッシモ「ベルセルクチャージ!!発射!!」

マッシモとホーンドに変身したアクセルの同時攻撃にかなりの数の偽ボロックが吹き飛ぶ。

シナモン「ボールみたいに飛んでいきます…」

マリノ「まあ、見た目がボールみたいな奴だからね…行くよシナモン!!」

ビームチャクラムを構えるマリノとにゃんこグローブを装備したシナモンも偽ボロックに向かうのだった。








































アクセル達が偽ボロック達の相手をしている時、エックス達は本物のボロックにようやく追いついた。

ボロック「きょ~っほっほっほ!!!!」

再び複数のQビットを召喚。
偽ボロックを造り出し、本物のボロックは奥に。

ルイン「ああっ!!?」

ルナ「野郎!!」

偽ボロック「ボロック様の邪魔はさせないぞ~」

ルイン「きゃあ!!?お、重い…!!」

偽ボロックがルインにのし掛かる。
見た目に見合う重量だった。

エックス「スピアチャージショット!!」

他のアーマーのチャージショットではルインを巻き込んでしまうと判断してファーストアーマーからファルコンアーマーに換装し、スピアチャージショットを放った。
本当ならパワー重視のガイアアーマーが良かったが、ルインを巻き込んでしまうためにファルコンアーマーに。

偽ボロック「ぎゃああああ!!?」

ゼロ「ハイパーモード・エックスフォーム!!」

ゼロのアーマーが蒼を基調とした物に変わり、バスターショットを構える。
エックスフォームはバスターショットの性能を高める形態だ。

ゼロ「ダブルチャージショット!!」

バスターショットから巨大な光弾が放たれ、偽ボロックは直撃し、粉砕した。
ゼロの装備はバスターショットを除けば、全部近~中距離の武装しかないが、元々ゼロは100年前のシグマの反乱前はバスターによる戦闘を得意としており、数々の大戦で練磨された近接戦闘技術も相まって遠近両面に隙の無い攻撃能力を誇っている。
距離を取られようが接近戦を挑まれようが、どちらもゼロにとっては格好のテリトリーだ。
ハイパーモード・フォームチェンジにより、ゼロの強さは更に増していた。

ルナ「数だけいればいいってもんじゃねえ!!寧ろ多ければ多い程に俺の武器の威力は跳ね上がるぜ!!ホーミングショット…コネクションレーザー!!」

標的がいればいるほど威力が上がる性質を持つコネクションレーザーは多人数との戦いで真価を発揮する。

ルイン「チャージショット!!」

ルインもZXコンポジットのバスターとセイバーのチャージアタックで確実に仕留めていく。

エックス「スピアショットウェーブ!!!!」

周囲に貫通弾を発生させ、偽ボロック達を薙ぎ払う。
スピアショットウェーブで偽ボロック達を薙ぎ払った時にはボロックのエネルギー反応は更に遠くに。
エックスはファーストアーマーに切り換えて、再び追い掛ける。
ルイン達もエックスに続くが…。






































そしてエックス達が偽ボロック達の足止めを喰らっている最中、ボロックはミサイルの弾頭を開いていた。

ボロック「きょ~っほっほっほ!!!!やった!!遂にやったぞ!!きょ~っほっほっほ!!!!」

弾頭に収められていた超フォースメタルは通常のフォースメタルくらいのサイズだ。
しかし、指で摘まめるくらいの大きさで通常のフォースメタルの1万倍のエネルギーを秘めていたことから、この超フォースメタルがどれ程凄まじいエネルギーを秘めているか分かると言うものだ。

ボロック「これだけの超フォースがあれが、エックス達はおろか、イプシロン以上の力を得ることが出来る。イプシロンめ、何がリベリオンだ!!何が全レプリロイドの理想だ!!そんな絵空事が何になる!?裏切っても、奪っても、最後に力を手にした者が勝つのだ!!きょ~っほっほっほ!!!!」

ボロックがイプシロンに対しての嘲笑を終え、超フォースメタルを手にしようとした瞬間だった。

「その通りだ。良いこと言うなあんた」

ボロック「きょ!!?お、おお前は…!!」

目の前にいるレプリロイドの姿を見て、ボロックは腰を抜かしてしまう。

「超フォースメタルはあんた…貴様には過ぎた力だ」

次の瞬間、ボロックの首が胴から離れていた。
レプリロイドはボロックの死骸を蹴飛ばした後、超フォースメタルを回収し、姿を消した。








































そして偽ボロック達を蹴散らし、アクセル達と合流して弾頭の元に辿り着いたエックス達だったが。

ゼロ「死んでる…」

ボロックの死骸を見遣りながらゼロが呟く。

アクセル「超フォースメタルも、持って行かれた後みたいだよ」

弾頭を覗いてきたアクセルが肩を落としながら言う。

エックス「一体、何が起こっているんだ?」

エックスがボロックの死骸や、超フォースメタルが収められていたミサイルの弾頭を見つめながら呟いたのだった。 
 

 
後書き
超フォースメタル消失。 
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