| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ロックマンX~5つの希望~

作者:setuna
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

Another24 スカーフェイス

 
前書き
スカーフェイス戦 

 
ミサイルの弾頭にあったはずの超フォースメタルが消失し、レジスタンスペースに戻ったエックス達は、モニタールームにてリディプス大佐と通信をしていた。

リディプス『ふむ…その超フォースメタルという兵器がどこかに行ってしまったと?』

エックス「はい、大佐…超フォースメタルは、非常に危険な物です。放置出来ません」

指で摘まめるくらいの大きさの超フォースメタルでさえ、エックス達の想像以上のパワーアップをしたのだ。
もし超フォースメタルがその他のイレギュラーの手に渡ろうものなら背筋が凍る思いだ。

リディプス『…幸いにして、電波障害も無くなり、我が方からのサポートも可能になると思う。私自ら部隊を率いて、ギガンティスに乗り込むことも検討中だ。超フォースメタルは此方からも探ってみよう。エックスはリベリオンの本拠地を…』

リディプス大佐が言い切る前に基地に警報が鳴り響く。

エックス「何だ!?」

ナナ「基地に侵入者…敵襲です!!」

アリア「エックス君、みんな!!敵はサウススクエアに侵入しているの、急いで出撃して!!ハンターチーム、出撃せよ!!」

全員【了解!!】

エアバスに乗り込み、サウススクエアに向かうエックス達。









































サウススクエアに着いたエックス達はエアバスを降りると、そこにいた人影に武器を構えた。

エックス「お前は…」

スカーフェイス「リベリオン幹部が1人、スカーフェイス。貴様等に倒された同志の仇を取るため、そして超フォースメタルを取り返しに来た!!勝負しろエックス!!」

高出力のツインビームランスを構えるスカーフェイスにエックスもバスターを構えた。

エックス「超フォースメタルだと?」

スカーフェイスの言葉に違和感を感じたエックスが言う。

スカーフェイス「そうだ!あれは我らの理想のために無くてはならぬ物!!返して貰うぞ!!!」

ルナ「何を訳の分からねえことを!!ハイパーモード・イグニス!!メガトンクラッシュ!!」

ゼロ「ハイパーモード・アクティブフォーム!!零式烈斬!!」

マリノ「ハイパーモード・クイックシルバー!!マリノスタンプ!!」

ルイン「ハイパーモード・オーバードライブ!!ダッシュセイバー!!」

ルナ、ゼロ、マリノ、ルインの4人がハイパーモードを発動し、スカーフェイスに技を繰り出すが…。

スカーフェイス「…遅い!!」

4人の技は空振りに終わる。
スカーフェイスがゼロでさえ反応出来ない速度で動いたからだ。

マッシモ「なっ!?」

アクセル「速い!!?」

あまりの速さにマッシモだけでなくアクセルも目を見開く。

スカーフェイス「プラズマアレイ!!」

ツインビームランスからプラズマ弾が放たれる。
プラズマ弾は4人に直撃し、吹き飛ばした。

アクセル「ゼロ!!ルナ!!ルイン!!」

シナモン「マリノさん!!」

マッシモ「大丈夫か!!?」

3人が、ゼロ達に駆け寄ると、大量のプレオン達が出現し、エックスとアクセル達を分断した。

エックス「みんな!!」

スカーフェイス「安心しろ、邪魔さえしなければ手を出すなと命じている。」

エックス「何だと?」

スカーフェイス「…無用な犠牲は好まん」

エックス「え?」

今までのリベリオン幹部とはまるで違う発言にエックスは目を見開く。

スカーフェイス「…勝負!!」

エックス「っ、ハイパーモード・ファルコンアーマー!!」

凄まじい速さで向かってくるスカーフェイスにエックスは咄嗟にハイパーモード・ファルコンアーマーを発動し、ビームスピアで受け止める。

スカーフェイス「ほう、我が初撃を受け止めたか…」

エックス「何て機動力だ…だが、負けるわけには!!スピアチャージショット!!」

強化アーマーのチャージショットの中でも最速を誇るスピアチャージショットだが。

スカーフェイス「中々の速度だが、その程度では私を捉えることは出来ん!!」

スピアチャージショットを容易くかわし、ツインビームランスに刺突を繰り出してくる。
エックスはスピアとブレードで必死にスカーフェイスの速く重い攻撃を捌いていく。

エックス「(ファルコンアーマーの瞬間速度を優に超えている…なら、あのアーマーで行くしかないか…)」

総合的な機動力はファルコンアーマーには劣るが、瞬間的な速度は全強化アーマー最強のアレを。
セカンドアーマーのエネルギートレイサーでも、サードアーマーのクロスチャージショットでも、グライドアーマーのホーミングチャージショットでも捉えられない。
ギガクラッシュやスピアショットウェーブを繰り出したところで射程外に逃げられてしまう。
ファルコンアーマーのブースターを吹かし、空中に逃げると、ファルコンアーマーが変化する。

エックス「ブレードアーマー!!」

ナイトメアウィルス事件で入手した近接特化型の強化アーマーだ。
バスターからXブレードを上回る高出力ビームブレードを発現させた。

スカーフェイス「ブレードアーマー…見たところ接近戦に特化した強化アーマーのようだな…面白い!!」

凄まじい速度で突っ込んでくるスカーフェイス。

エックス「マッハダッシュ!!」

対するエックスもブレードアーマーの特徴の1つであるマッハダッシュでスカーフェイスの機動力に対抗する。
ブレードアーマーの瞬間加速力は凄まじく、今度はスカーフェイスの機動力に対抗出来た。

スカーフェイス「ほう、私の移動速度について来れるとはな……」

唯一露になっている左目が細くなる。
恐らく笑みを浮かべたのだろう。

エックス「俺は…負けられないんだ!!ディバートチャージショット!!」

マッハダッシュで動き回りながら、スカーフェイスにブレードアーマーのチャージショットであるディバートチャージショットを喰らわせる。
ブレードアーマーは接近戦に特化したアーマーのために、チャージショットの威力は歴代のアーマーの中では低いが、スカーフェイスにようやくダメージを与えることに成功した。

スカーフェイス「ぐっ!!この程度で!!」

エックス「うおおおお!!」

エックスのバスターブレードとスカーフェイスのツインビームランスの光刃がぶつかり合い、火花が散る。
エックスからしてみれば、ブレードアーマーは久しぶりに扱うが、剣自体は日頃の訓練で使っているために直ぐに完璧に扱えるようになる。

ルイン「エックス…」

加勢したいが、エックスとスカーフェイスのあまりの速さについて行けないために、ルインは不安そうにエックスを見つめる。

ルナ「大丈夫だ。エックスは今までどんな奴にだって勝ってきた…信じろよルイン…」

ルイン「うん…」

祈るようにエックスとスカーフェイスの戦いを見守るルイン。
そして、両者の戦いは終わりを迎えようとしていた。

スカーフェイス「はああああ!!」

エックス「ディバートブレード!!」

スカーフェイスの渾身の一撃とエックスのディバートブレードが激突し、両者共に吹き飛ばされ、同時に体勢を立て直した。

エックス「はあ…はあ…はあ…」

スカーフェイス「流石は伝説となったイレギュラーハンター・エックス…その噂に恥じぬ強さだ」

スカーフェイスはツインビームランスを収めると、エックスの実力を評価する。
エックスもバスターブレードを通常の腕に戻すとスカーフェイスに尋ねる。

エックス「お前達の言う理想とは何なんだ!?戦わなければ、手には入らない物なのか!?」

スカーフェイス「我々は…総統は…争いなど望んではいない!!レプリロイド同士が争い、人間を攻撃して一体何になると言うのだ?」

その言葉に尊敬していた師をリベリオンに殺されたマッシモが激昂する。

マッシモ「ふざけるな!!争いを生んで、マッシモ師匠を含めた沢山の犠牲を出したのはお前達だろう!!」

スカーフェイス「貴様があの勇者マッシモの弟子か、それは貴様らレジスタンスや連邦政府が我らの理想を阻むからだ!!邪魔さえしなければ手を出すなと、イプシロン総統に命じられている!!ここに来たのは私の独断だ。」

エックスは拳を握り締め、スカーフェイスに言う。
剣を交え、僅かなりともスカーフェイスのことを知ることが出来たから余計に聞きたかった。

エックス「戦ってみて分かった。お前は狂ったことに力を振るうようなレプリロイドではないはずだ。そんなお前が何故!?世界中のレプリロイドをイレギュラー化するような、超フォースメタルなんて恐ろしい兵器を!!?」

エックスの超フォースメタルを“兵器”と言うことにスカーフェイスは僅かに表情を変えた。

スカーフェイス「…兵器?確かに超フォースメタルは使いようによっては兵器としても使えよう。だがな、超フォースメタルは元々、レプリロイドの性能を高めるために生み出された物だ。これを使い、自らの能力を高めていく…。それは我々レプリロイドの…レプリロイドの数ある進化の形の1つだ!!」

エックス「…………」

スカーフェイス「レプリロイドは単なる機械か?違う、我々には意思がある!!我々には生命がある!!人の手による進化は、我々の進化か?」

スカーフェイスの口調は訴えるそれに変わっていた。
エックスはスカーフェイスの言いたいことが分かる。
レプリロイドは無機物ではあるが、ただの機械かと言われれば断じて否である。
人間と同じ心を持ち、人間の心臓に相当する動力炉、そして遺伝子に相当するDNAデータを持った地球に存在する1つの生命体なのだ。

エックス「だけど…だけどそれは…それは危険だ!!もしその進化の先にある物が…イレギュラーだったら…」

スカーフェイス「我々がイレギュラーか…そうでないのかは…後世の歴史だけが決められることだ。違うか!?」

エックス「………」

スカーフェイスの言葉にエックスが閉口する。
確かにイレギュラーかどうかは歴史だけが決められることだ。

スカーフェイス「……お喋りが過ぎたな。エックス、口惜しいが、貴様は強い。我らの理想を分かち合えんのが残念だよ。ここはひとまず退こう。だが、次に会った時は…必ず貴様を…」

スカーフェイスとプレオン達が転送の光に包まれ、次の瞬間消えた。
エックスはハイパーモードを解除して、ルイン達の元に歩み寄る。

エックス「みんな…大丈夫か?」

ルイン「うん…エックス、お疲れ様…スカーフェイス…強かったね」

4人掛かりで簡単にあしらわれてしまったためか、ルインの表情は優れない。

ルナ「くそ、この俺がああも簡単にあしらわれちまうとは…」

アクセル「スカーフェイス…フェラムとは桁違いの強さだった。」

ゼロ「流石はイプシロンの右腕か…」

不覚を取ったゼロも渋い表情だ。
サウススクエアを含めたエアシティにリベリオン兵が1体もいないことを確認してからエックス達はレジスタンスペースに戻っていった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧