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ドリトル先生の水族館

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第八幕その二

「そして気をつけています」
「モグラはそうですね」
「変温動物はどうして多く食べます」
「哺乳類や鳥類は」
「体温のコントロールにエネルギーが必要なので」
 それで沢山食べないといけないのです、勿論人間も哺乳類です。
「ですから」
「そういうことですね」
「確かに恒温動物は哺乳類や鳥類より食べなくてもいいですが」
「はい、爬虫類も」
「恐竜もです」
 この巨大な生きもの達もとです、日笠さんはお抹茶のクッキーを食べつつそのうえで先生にお話しました。
「身体は大きく食べる量自体は大きかったですが」
「その身体の大きさと比較しますと」
「食べる量は少なかったです」
「哺乳類と比べて」
「そうでした、しかし」
「ダイオウグソクムシに関しては」
「何年も食べないのですから」
 食べる量が少ないどころでなく、です。
「そうなっていますから」
「不思議ですね」
「生物の神秘ですね」
「それになりますね」
「私もそう思います。世の中には不思議な生きものも多いですが」
「ダイオウグソクムシもそこに入りますね」
「全くです」
 こう先生にも答えたのでした。
「先生にはあの子も診てもらいたいので」
「はい、深海生物のコーナーには最後に行きますが」
「その時にですね」
「診させてもらいます」
 先生は確かな声で、です。日笠さんに答えました。
「是非」
「それでは」
「はい、その時に僕もです」
「ダイオウグソクムシを診て」
「その謎に近付きたいですね」
「生物の謎に」
「問題は言葉ですが」
 このことは先生は自分から言いました。
「まずはアンコウ君とお話をして」
「そこからですか」
「他の深海生物の言葉を教えてもらって」
「そしてですね」
「彼の言葉もです」
「知るのですね」
「そうしていこうと思っています」
 順序を進めてというのです。
「今は」
「そういえばダイオウグソクムシの棲息している海は」
「あっ、それですね」
 先生は日笠さんの言葉にはっとなって返しました。
「アンコウは種類によりますが大体五百メートルから千メートルまでで」
「グソクムシもですね」
「深くて千メートルまでです」
「深いことは深いですが」
「はい、同じ位の深さで」
「深海としてはですね」
「まだ浅い方です」
 深海の中ではというのです。
「まだ」
「そうでしたね」
「千メートルから下になりますと」
「それこそですね」
「また独特の世界になります」
「その形もですね」
「はい、徐々にフクロウナギ等変わっているとされる形の生物が出て来て」
 深海独特のです。
「かなりのものになっていきます」
「それでグソクムシやアンコウは、ですね」
「比較的です」
 深海の中でもというのです。
「まだ浅い場所にいます」
「深いところになれば」
「より変わった形の生物がいます」
「そのフクロウナギにしてもそうですし」
「あのお魚のことはご存知ですね」
「一度見たら忘れられないと思います」
 日笠さんは真面目なお顔で先生に答えました。 
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