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ストレスが消えて

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第五章

「また二度漬けしてな」
「他のお客さんにか」
「怒られてか」
「ああ、他の常連のお客さん達にな」 
 美作は陽気な笑顔で話した。
「昨日も皿に痰吐いて二度漬けしてな」
「遂に怒られてか」
「店から追い出されたか?」
「そうなったか」
「それで出入り禁止食らったよ」
 常連の客達からというのだ。
「よかったよかった」
「お客さんあっての店だけれどな」
「やっぱりお客さんのマナーって大事だよな」
「それが悪いとな」
「もう最悪だからな」
「ああ、本当に困ってたからな」
 その最悪のマナーの客にというのだ。
「店の方からは中々言えないからな」
「お客さんだからな」
「どうしてもな」
「そろそろ言わないとって思ってたけれどな」
 そこで、というのだ。
「お客さん達が言ってくれてよかったよ」
「それは何よりだったな」
「自分達で言わずに済んでな」
「ことが済んだ」
「それって最高だな」
「本当にそうだよ、よかったよかった」
 満面の笑みでの言葉だった。
「そっちもな」
「何か昨日までと違うな」
「表情も雰囲気もな」
「そこまで嬉しいんだな」
「悩みが全部消えて」
「そうだよ、もう何か今はな」
 今にも踊らんばかりの調子でだ、美作は言った。
「生きていて楽しい気分だな」
「そこまでか」
「そこまで嬉しいんだな」
「今は」
「そうだよ、阪神が勝って便秘が治って」
「猫も大人しくなって嫌なお客さんも消えた」
「一気に事態が好転したな」
 仲間達も言う。
「これ以上はないまでにな」
「だからだな」
「これ以上はないまでにいいさ、音楽だってな」
 部活もそれもというのだ。
「この前までとは全然違ってな」
「いいか」
「気持ちよく演奏出来るか」
「楽しめるさ、じゃあやるか」
 肩に持っていたケースからだ、そのベースを自分から出して言った。
「これからな」
「よし、じゃあな」
「楽しくやるか」
「悩みが全部消えたところで」
「楽しくな」
「そうするな、前までは辛かったけれどな」
 それでストレスの塊になっていた、もうどうしようもないまでにだ。
「今は違うぜ、嘘みたいに気分がいいな」
「人間生きていれば辛くなったり楽しくなったりする」
「ストレスが溜まることも」
「どっちもあるんだな」
「そういうことだな、じゃあ今日は気持ちよくやるか」
 早速ベースを奏ではじめた、今彼にはストレスは全くなくだ。実に気持ちよく音楽を楽しみ仲間達と共に遊んだ。すっきりとした調子でさらにすっきりとなったのだった。


ストレスが消えて   完


                        2015・9・19 
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