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『処女喪失、レイプ』

作者:零那
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『否定』



『心配せんでも最初は優しくしたげる。涙拭きぃ』

行為そのものは勿論、段階なんてものがあることすら知る由もなかった。

『まず指挿れるけん痛かったら言えよ?』

ん?何故か妙に優しい?
こんな優しく声をかけられたことは今迄無かった。

不本意ながら嬉しいって気持ちを一瞬抱いてしまった。

いつもいつも浴びせられるのは人間的に否定する言葉ばかりだった。
屈辱と情けなさで死にたくなるほど。

嫌っていたのは事実。
でも、優しくされたかったのも事実。
いつも、ひいきにされて優しく愛を注がれていた姉に嫉妬していたのも事実。

でも、違う。
こんなことされたかったワケじゃない。

姉と同じにしないで。
姉はアナタのオンナだから、好きでヤってるだけ。

違うっ!!
こんなの違うっ!!
嫌だっ!!
汚いっ!!!

自分自身の揺らいだ気持ちを否定した。
総てを否定した。
間違ってる。


 
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