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ドリトル先生の水族館

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第五幕その一

                 第五幕  アマゾン
 朝からです、王子は先生のお家に来ていました。そのうえで先生達と一緒に朝御飯を食べながら言いました。
「ずっとね」
「ずっと?」
「ずっといっていうと?」
 先生とトミーが王子に応えました。
「何かあったの?」
「それは何なの?」
「いや、祖国にいた時はお魚を食べてもね」
 王子は朝御飯のおかずのめざしを食べつつ言うのでした、他には若布とお豆腐のお味噌汁に納豆、
お漬けものです。主食は勿論白い御飯です。
「生じゃ絶対にね」
「そうだよね、王子のお国ではね」
「うん、生魚はね」
 絶対にというのです。
「食べないからね」
「このメザシみたいにだよね」
「うん、焼いてね」
 そしてというのです。
「食べているからね」
「さもないと怖いからね」
「生は傷みやすいし」
「それにだね」
「うん、虫がいるから」
 だからと言う王子でした。
「生では絶対に食べなかったんだ」
「そうだったね」
「お魚を食べる時はよく火を通して」
「そして食べてるね」
 王子のお国では、というのです。
「そこは注意してね」
「虫が身体に入ったら大変だから」
「そう、退治するのは難しいよ」
 身体の中に入った寄生虫達をというのです。
「それでね」
「入れないことが大事だね」
「最初からね」
「それでなんだ」
「王子の国ではお魚は常に火を通して」
「焼いたり煮たりしてね」
「そうして食べてるね」 
 先生も言うのでした。
「そしてそれは正しいよ」
「そうだよね」
「衛生的にね」
「けれど日本だとね」 
 皆が今いるこの国ではとです、王子は朝食の場でお話するのでした。三人の周りには動物の皆も一緒にいて食べています。
「そうじゃないね」
「色々な魚料理があってね」
「それでだよね」
「うん、お刺身もあるよ」
「その生で食べる料理がね」
「王子にとってはそのことがだね」
「祖国で話を聞いて驚いて」
 そしてというのです。
「実際に見てびっくりしたよ」
「生魚を食べることを」
「うん、虫が怖くないのかって」
「確かに新鮮なものに限るけれどね」
「それでもだよね」
「日本人はよくお刺身を食べるよ」
 お魚を生で、というのです。
「それで食べてるんだ」
「それも美味しく」
「あとイタリア料理のカルパッチョも」
「うん、南欧でも食べるよね」
「牡蠣を生とかでね」
「あれ危なくないの?」
 かなり真剣にです、王子は先生に尋ねました。 
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