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ぶそうぐらし!

作者:かやちゃ
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第2話「とうこう」

 
前書き
がっこうぐらしでゾンビ化した太郎丸を見て思うんです。...街の中にペットだったゾンビ犬って結構いるんじゃね?それこそ、犬だけでなく猫なども。...と。
だから今回はそれを内容に反映させます。 

 


       ~遼side~



「とにかく、まず学校へ行ってみるか。」

  避難と言えば学校だし、誰か生き残りが立て籠もってるかもしれんしな。

「...早速エンカウントか。」

  そう考えて道路へ出ると、早速ゾンビがいた。

「...数は二体。見た限り、動きはそこまで俊敏じゃない。...行ける!」

  ナイフを構え、足音を消して一気に片方に近づく。

「...シッ!」

  喉元を一閃、ぱっくりと切り裂き、ゾンビは血飛沫をまき散らす。

「もう一体!」

  こっちに反応したゾンビにも同じように一閃し、倒す。

「...これで倒したのか?」

  マンガやゲームでは頭を潰さないとダメなパターンがあるが...。

「一応、潰すか。」

  足を思いっきり振りおろし、ゾンビにトドメを刺す。

「....うげ...。」

  化け物と化したとはいえ、元は人間。それを殺した事への罪悪感が湧いてきて、潰した際のグロさと相まって吐き気がする。

「...ダメだ。しっかりしないと。街中がこうなってるんだ。」

  こんな事で挫けていてはすぐに奴らの仲間入りだ。それだけは嫌だと体に鞭打って立ち直る。

「早い事学校に行かないとな...。」

  もたもたしてると奴らに囲まれてしまう。それに日が暮れる...いや、昼過ぎ辺りには学校に辿り着かなくてはな。もし学校が使えなかったら家を拠点にするしかないし。

「....よし。」

  親父に鍛えられた精神力のおかげで簡単に立ち直る事ができた。さぁ、行こう。







「....やっぱり、多いな...。」

  進めば進むほど増えてくるゾンビ。一体や二体なら倒しているけど、それ以上になると避けて通っている。

「これだとさすがに通れないな...。」

  だけど今進む道は五体や六体どころか、十体以上はいる。

「..しゃーない。使うか。」

  ホルダーに入れていたハンドガンを取り出し、鞄のポケットからサプレッサーを取り出して付ける。予備のマガジンもすぐに交換できるようにしておく。

「....頭を狙えば一撃なはず...。」

  銃を構え、狙いを定めて...撃つ!

     パシュッ!

「(やべ、思った以上に音が大きい!?)」

  一体を仕留める事が出来たけど、数体が今の音で気づいた。

「(連発だ...!)」

  さっきよりも狙いが甘いけど、顔に当たれば倒せるようで、片手で連発していく。ベレッタM9だから奴らの数よりも弾数が多いが、外した時のために予備マガジンをもう片方の手に持っておく。

「...よし、全滅したか。」

  何とか全員倒しきる事ができた。さっさとここを離れよう。

     グルルルル...

「....うん?」

  唸り声のような声が一瞬聞こえた。

「犬か...?」

  その唸り声は犬がするようなものだったのでついそう思ってしまった。

「...待てよ?このパンデミックって、人間だけじゃなくて動物にも影響あるんじゃ...。」

  だとすると、近所の犬や猫までもが感染して...。

「っ....!」

  サバイバルナイフを利き手の左手に持ち、ハンドガンは右に持って周囲を警戒する。

     グルルルル...

「(やっぱりいる...!)」

  今度ははっきりと唸り声が聞こえる。

「(すぐそこの角からか...。)」

  さっきの戦いの音で近寄ってきたのだろう。

「(もし、ゾンビ化しているのなら、人間より厄介かもしれん。ならば...。)」

  狙うは...先制攻撃による一撃必殺!

〈グルルル....。〉

「(来たっ!)」

     パシュッ!

  姿を現したと同時に銃を撃つ。

〈ギャ....!〉

「...よし、何とか命中したな。」

  上手く命中して、ゾンビ化した犬は沈黙する。

「...本格的に急ぐべきだな。」

  こんな奴らがうじゃうじゃいるとか嫌すぎる。

「さっさと行くか。」







「ねーよ...こんなのってねーよ...。」

  自分にしか聞こえない程の小声でそう愚痴る。

「どこもかしこもゾンビだらけかよ...!」

  どの道を通ろうにもゾンビが結構いる。しかも犬や猫も混じっている。

「街中がこうなってるって事は、最短距離を突っ走るしかないか...?」

  危険だが、遠回りしたって同じ事だ。なら、突っ切るべきだな。

「よし、行くぞ。」

  進行上邪魔になる奴だけを倒す!ハンドガンも惜しみなく使おう。犬や猫には要注意して襲ってくるなら倒しておく!

「っ....!」

  ゾンビの隙間を縫うように走っていく。何体か反応するが、既に抜き去った後なので特に気にしない。問題は...。

「(前や横から襲ってくる奴...!)」

  正面から襲ってきたゾンビの頭をすれ違いざまに切り裂く。横から犬が襲ってきたので腹を蹴り上げ、吹き飛ばす。

「シッ!」

  その際に立ち止まってしまうので、ナイフを回るように一閃し、襲ってくる奴らを牽制する。

「っ....!」

  ゾンビ達が少し離れたのを見計らってすぐさま走り出す。進行上にまだまだいるので銃を構えて連射する。

     パシュッ!パシュッ!カチッカチッ

「っ..!(弾切れか...!)」

  しかし、そこで弾切れを起こし、ピンチに陥る。とりあえず、ナイフだけで牽制しつつゾンビ達との間合いに余裕を持たせる。

「(今の内に...!)」

  空になったマガジンを取り、ポケットに入れていた予備のマガジンと入れ替える。

「(よし...!)」

〈グルル....。〉

「チッ...!」

  その間に犬が近づいてきていたので、早速銃を撃つ。

「さっさと突破する...!」

  やっぱり人間のゾンビより動物のゾンビの方が速いため、犬のゾンビが寄ってくる。中には猫のゾンビもいるな。

「(一斉に襲い掛かられたら一溜りもない!撃ち落とす!)」

     パシュッ!パシュッ!パシュッ!

  複数いる動物のゾンビ達を連射で倒していく。この間にも学校に向かって走り続けてるため、正面からもゾンビが襲い掛かってくる。

「邪魔だ!」

  だけど、それはすれ違いざまに頭を切り裂く事で簡単に突破する。...一体だけだったからだけど。

「くそっ、近所にペットが結構いたからな...!」

  犬や猫の数が多い。...というか、なんで全部感染してるんだよ!?

「よし、これで...ラスト一匹!」

  犬を残り一匹まで減らし、そこでまた弾切れを起こす。だけど、一匹だけならどうってことない!

「おらっ!」

〈ギャン!?〉

  思いっきり蹴り飛ばし、壁に叩き付けたところをナイフで串刺しにする。

「...ふぅ。」

  溜め息をつくが、すぐに動く。動物のゾンビを片づけたとはいえ、まだいるかもしれないし、人間のゾンビもいるからな。

「マガジンを入れ替えておかないとな...。」

  空になったマガジン二つを鞄に入れ、予備のマガジンを新たに取り出す。

「弾薬はまだまだあるが、マガジンが後三つか...。」

  後で弾を込めておかないとな...。

「あまり無駄使いもできないし...なっ!」

  呟きつつ寄ってきたゾンビを一閃。倒しておく。

「...ったく、一人くらい生存者はいないのか?」

  噛まれた時点でアウトならいなくてもおかしくはないけどさ...。

「ナイフじゃ小回りは利くけど、一体ずつしか倒せないしな...。」

  スナイパーライフルを振り回す訳にもいかないし...。まず、銃として使わなきゃだめだしな。

「...おっ?」

  ふと、窓の割れてる家の中にあるモノが目に入った。

「はっ!」

  家の中にいたゾンビを倒し、それを手に取る。

「模造刀...。こりゃいいな。」

  本物の刀を想定した重さに、刃引きされているとはいえ、十分な頑丈さを持っている。長さもちょうどいいし、ナイフよりいいかもな。

「どの道、このままナイフを使い続けたら切れ味は落ちるから、切れ味なんてあってないようなものだ。」

  頭を破壊すればいいのなら、打撃でもいいからな。

「...にしても、この刀の持ち主は、もう奴らの仲間か...。」

  この刀は立てかけてあったのではなく、無造作に鞘から抜かれた状態で落ちていた。

「...ありがたく、使わせてもらいます。」

  せめてもの感謝の言葉の述べ、刀と鞘を持ってその家を後にする。

「よし、まだまだ行くぞ!」

  近接用の新たな武器が手に入って、俺は意気揚々と歩を進める。...危機的状況には変わりないけど。

「せいっ!」

  早速進行上に現れたゾンビに対して模造刀を振るう。すると、斬れはしなかったものの、簡単に仕留める事ができた。...いや、ナイフでも一撃必殺だったけどさ。

「使いやすいな。」

  近接戦闘術は、ナイフ以外にも素手や棒術も親父から習っているからな。棒術を少し応用すれば刀とかも扱えるとか親父が言ってたし、これならいけるな。

「にしても....。」

  歩を進めながら俺は呟く。

「...いつも登校している道が、こんなにも長く感じるなんて初めてだな...。」

  ゾンビで溢れかえっている登校路を見ながらそう言う。...いつもは、親父の特訓のせいで、短いと思える程だったからな...。

「...ちょっと、疲れて来たな...。」

  今までにない緊張感と、連戦による疲労。一応、まだ行けるけど、気が緩んでしまう可能性があるので、どこかで一時的に安全を確保したい。

「...お?」

  ちょうど塀に上ればそこから上れそうな屋根がある。いくらゾンビでも屋根まで上ってくる事はないだろう。...塀によじ登られたらやばいかもだが。

「じゃ、失礼しますっと。」

  周りにゾンビがいないか確認してから上る。....ふぅ。

「ようやく一休みできるな...。」

  喉も渇いたので、鞄から水筒を取り出して飲む。

「...そう言えば、昨日の夕方から何も食ってねぇ...。」

  何か食ってから出ればよかったな...。そう思いつつ、非常食の乾パンを取り出す。

「喉が渇きやすくなるから、あまり進んで食べたくないんだがな。」

  まぁ、腹が減っては戦はできぬとか言うし、食うんだけど。

「...ふぅ。」

  適当に食って一休みっと。





「....よし。行くか。」

  大体30分くらい仮眠を取った後、俺は水筒を一啜りしてからここを発つ事にした。

「奴らは...うん。いないな。」

  物音を立てていなかったからか、奴らは大分減っていた。

「朝が多すぎただけかもしれんが。」

  まぁ、少ないに越した事はないので、さっさと行くことにする。

「せやっ!」

  屋根から降りた際に、一体に気付かれたので、刀で沈黙させる。

「よし、好調好調っと。」

  疲れもある程度取れたので、歩を進めるスピードも自然と上がる。

「これなら昼までに辿り着けるな。」

  太陽はまだ斜めを向いている。時間もたっぷりあるな。

「....誰か生きててくれよ...!」

  そう祈りつつ、俺は歩を速めて行った。















       ~おまけ・その頃の友人~





「う~ん...武器はもうバールのようなもの(これ)でいっか。」

「どうせ、体術で何とかなるし。」

  そう言う友人の周りには、ゾンビが死屍累々と折り重なっていた。

「...遼は、無事......だね。あの人の息子だし。」

「とにかく、非常食も詰め込んだし、いざ出発!」





 
 

 
後書き
序盤から大量のゾンビと戦う主人公って、結構ハードモードを突っ走ってますね...。
そんな序盤からバッタバッタとゾンビを倒してる主人公ですが、一応近所の人たちだったので、顔は見ないようにしています。軍人の特訓を受けているとはいえ、知り合いを平気で殺せるほど、そこまで主人公のメンタルは固くありません。...まぁ、原作キャラの誰よりもメンタルは固いんですけど。

感想、待ってます。 
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