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ドリトル先生の水族館

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第二幕その九

「本当に」
「それはうちの水族館でも同じだよ」
「八条水族館でも」
「そうだよ、足蹴にはしなかったけれどね」
「御飯を出されても食べなかったんだ」
「今もね」
「別に我慢もしてないと思いますけれど」
 今度はトミーが言いました。
「何か意地めいたものすら感じますね」
「しかもそこまで食べなくてもね」
 先生がここで言うことはといいますと。
「五十センチ位あるんだ」
「大きさが」
「うん、それだけ食べなくてもね」
「そこまで大きいんですね、それも」
「不思議だよね」
「食べないと」
 それこそと言うトミーでした。
「栄養が補給されないですから」
「そう、そのことからもね」
「不思議なんですね」
「そもそも深海の生きものには大型のものも多いんだ」
 先生は皆にこのこともお話しました。
「不思議なことにね」
「深海って水圧凄いですよね」
「しかも食べるものもね」
「色々な生きものがいても」
「あまりない筈なんだよ」
 個体数が少ないというのです、生きもののそれぞれの。
「けれどグソクムシは五十センチあって」
「そういえばリュウグウノツカイもね」
「何メートルもあるよね」
「一番大きいので十一メートルあったとか」
「そんなことが書かれていたね」
 動物の皆も気付きました、このことに。
「あんなに大きいからにはね」
「食べるものを食べないとね」
「身体が大きくならないけれど」
「食べるものあるの?深海に」
「そんなに」
「そこが謎なんだ、ダイオウイカもそうだし」
 この烏賊のこともです、先生は言及しました。
「あとミツクリザメとかラブカもね」
「深海の鮫でしたよね」
「どちらも」
「そうだよ、ミツクリザメで五メートルあるんだ」
 こおうお話するのでした。
「あまり食べるものがない筈なのにね」
「五メートルっていいますと」
「そこまで大きいと」
 トミーと王子がミツクリザメのその大きさを聞いて気付いたことがありました、この気付いたことはといいますち。
「アオザメとかイタチザメとか」
「そうした鮫だよね」
 どちらもとても怖い人喰い鮫です、海で泳いだりする時は注意しないといけません。
「ヨシキリザメやシュモクザメより大きいよね」
「どっちの鮫も人喰い鮫だけれどね」
「それだけ大きいと」
「鮫の中でも大きな種類だよ」
「その通りだよ、鮫の種類も多いけれどね」
 先生は鮫のことにも詳しくてお話します。
「ミツクリザメは大きくてね」
「深海にいても」
「そこまで大きいんですね」
「そのことも謎だよ、あとミツクリザメは他にも面白いことがあってね」
 先生のそのお話が続きます。
「実は古代、恐竜が生きていた頃からの生きものなんだ」
「あっ、鮫って古かったですね」
「生きものの種類として」
「それもかなり」
「本当に恐竜の頃からいましたね」
「そうなんだ、だからね」
 それでというのです。
「ミツクリザメはそのことからも面白い鮫なんだ」
「ううん、恐竜の頃からですか」
「地球にいる鮫なんだね」
「その歴史の長い鮫達の中でも」
「そうなんだね」
「この鮫についても知られていることが少ないけれどね」
 他の深海の生きもの達と同じ様にです。 
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