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ドリトル先生の水族館

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第一幕その八

「欧州のバスルーム自体がそうだけれど」
「イギリスもそうだよね」
「あとイギリスのお水は硬水だしね」
「そこも違うよね」
「うん、けれど日本のお風呂は大抵おトイレとは別のお部屋になっていてね」
 このことが違うのです、まず。
「それでお水も軟水で」
「入っていても気持ちよくて」
「硬水よりも」
「だから先生もなんだ」
「お風呂に入る楽しみを知ったんだ」
「うん、湯舟に入るとね」
 それこそというのです。
「もう疲れがゆっくりと、確かに取れて」
「気持ちいいんだよね、確かに」
「僕達も入るしね、お風呂」
「あれ気持ちいいよね」
「とてもね」
「うん、それにね」
 しかもというのです。
「お風呂に入ると気持ちもリラックスするから」
「余計にいいよね」
「お風呂はね」
「そうだよね」
「うん、特に温泉がいいね」
 先生はにこにことしたままお話しました。
「出張の時温泉があったらいつも入ってるけれど」
「お風呂の中でもなんだ」
「温泉が一番好きなんだ」
「先生の場合は」
「そうなんだね」
「お風呂はいいね」
 またこう言った先生でした。
「温泉は一番で。あとサウナもね」
「ああ、そっちもなんだ」
「先生好きなんだ」
「熱いお部屋の中で汗をかくことも」
「それもいいんだね」
「身体の中の悪いものが出てね」
 だからいいというのです。
「お風呂は毎日入らないとね」
「シャワーよりもだね」
「お風呂の方がいいんだね」
「そっちの方が」
「リラックスも出来て」
「そう、だからね」
 疲れてもいないというのです。
「肩も凝らないしね」
「忙してもなんだ」
「よく寝てよく食べてお茶も楽しんでいてお風呂も入って」
「そうした色々なことがあるから」
「毎日充実しているよ」
 それが今の先生なのです。
「本当にね」
「じゃあ忙しいのがかえってかな」
 ガブガブは首を傾げさせて言いました。
「先生にとっていいのかな」
「うん、そうかも知れないね」
 先生は微笑んでガブガブの言葉に頷きました。
「忙しいけれど心地よい忙しさだしね」
「先生は学者さんだから」
 チーチーはこのことに理由を見出しています。
「学問をすること自体が楽しいしね」
「論文を書くこともね」
 それもというのです。
「学者のお仕事だからね」
「お仕事でも自分の好きなものが出来たら幸せっていうけれど」
 こう言ったのはポリネシアでした。
「そう思うと先生はその時点でもう恵まれてるわね」
「それで忙しくても疲れない」
 ジップも言います。 
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