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詩集「棘」

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雨の夕べに



いつまで待っているの?
見えぬ誰かに問いかけられる
秋雨の黄昏小さく消えた
月の睡る 夜が来る…

揺れる秋桜 露に濡れ
堕ちる心に涙を散らす
霞みがかった未来に怯え…

雨の夕べに恋しさつのる
独り切りの淋しさ沁みる
頬杖ついて溜め息洩らす
君はどうしてここにいないの…?


どこまでも続く人生(ミチ)
いつか君の時間(トキ)と交叉する?
翳る星影へと静かに祈る
今はこれしか出来なくて…

響く雨音 微かなる
時にそぼ降り想いを叩く
恋しい影は遠い彼の地に…

雨の夕べに愛しさ抱く
永久(トワ)に続く哀しき現
心を汲まぬ雨を眺めて
僕はどうしてここにいるの…?

感情なんて無ければいいのに
君を想えば 乱れ惑って
求める術を探し彷徨う…

雨の夕べに沈みし想い
会えぬこの身を捨て去りたい
秋雨は願いを撃ち落とし
影の中へと塗り込めてゆく…

雨の夕べに恋しさつのる
独り切りの淋しさ沁みる
頬杖ついて溜め息洩らす
君はどうしてここにいないの…?



 
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