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闇を祓う者~他人の恋愛見てニヤニヤし隊~

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原作開始
クラス代表決定戦
  専用機

 
前書き
|ω・`)<覚えていますか? 

 
 アリーナの喧騒が此処にまで聞こえてくる。此処は出撃ピット、アリーナの舞台袖。俺と一夏と箒、そして千冬姉さんの四人は、一夏のISが到着するのを待っていた。

「それで、彼方」
「ん?」
「一夏の特訓は上手くいったのか?」
「安心してくれよ千冬姉さん。と言っても、ISを使った実践練習は出来なかったんだけどな」
「すまんな」

 まあ、過ぎたことをうだうだ言ってても仕方がない。先輩方だって前々から申請してたんだろうし、邪魔するのも気が引ける。

「はぁ、はぁ、織斑せんせーい!」

 奥の方から真耶ちゃんが走ってくる。お、ということは、一夏の専用機が到着したか。

「お、おr……オンドゥルルラギッタンディスカー!! じゃなくて!」
「山田先生、とにかく落ち着いてください。一度深呼吸してからでいいですから」
「は、はい。すぅ〜……」

 …………………………………………長くね? てか肺活量すごいな、オイ! にしても、焦っていると人ってオンドゥル語が出てくるんだな。また一つ賢くなった。

「はぁ〜……。届きましたよ、織斑くんの専用機!」
「本当ですか!?」
「はい! これが……」

 奥から運ばれてきたそのISは、

「織斑くんの専用機、ブレイドエクシアです!」

 俺が知っている機体(白式)ではなかった。

「織斑、『初期化(フォーマット)』」と『最適化(フィッティング)』を済ませるぞ」
「あ、はい」

 ……あの機体がよく分からない。いや、名前をダイレクトに受け取るとトンデモ機体になるからなんだが。

「おい、一夏」
「ん? どうした彼方」
「俺の予想が正しければ、お前にも見覚えがある武器がそのブレイドエクシアに装備されてないか? いや、外れていてくれた方が非常に助かるんだが」
「残念、現実は非情である」
「oh......」

 そう言いながら、一夏が呼び出したのは一振りの剣だった。その剣の銘は醒剣ブレイラウザー。仮面ライダー(ブレイド)のメインウェポンだ。

「ってことは、もう一つのエクシアは……」
「どうしたんだ彼方、ぶつぶつ言って」
「あ、いや、なんでもない。ラウズカードは出せるか?」
「無理だな。大方『一次移行(ファーストシフト)』が終わってからとかじゃないか?」
「まあ、そんなとこだろうな」

 となると、もう一つのエクシアは『エクシア』だろうな。ガンダムエクシア。ガンダムOOで主人公である刹那・F・セイエイが1stシーズンで駆った最初の機体だ。開発コードはガンダム・セブンソード。その名の通り、七つもの剣を装備している。
 そしてガンダムエクシア、デュナメス、キュリオス、ヴァーチェの四体。所謂第三世代ガンダムの最たる特徴は『トランザムシステム』。

「機体に蓄積した高濃度圧縮粒子を全面開放し、一定時間機体スペックを三倍相当にまで上昇させることが出来る」

 これがOOの機体が歴代ガンダムシリーズの中でも高水準にある所以だ。勿論ノーリスクで発動出来る訳もなく、トランザム終了後には機体性能が極端に低下してしまうのだが。トランザムをISで再現出来るとするならば、『単一仕様能力(ワンオフアビリティー)』になるだろう。ん? じゃあキングフォームはどうなるんだ?
 お、『一次移行(ファーストシフト)』が終わったみたいだな。

「ほう、『全身装甲(フルスキン)』か」

 『一次移行(ファーストシフト)』が終わったブレイドエクシアは、ほとんどエクシアに近いものだった。ブレイドの要素は一体何処へ?

「おい、彼方。これまで装備にあるぞ」
「あ〜……そういうことか」

 一夏が『展開(オープン)』させたのはバックル、つまりブレイバックルだった。それがあったことによって、この機体がどうなっているのかがよく分かった。

「ブレイドの要素無くないか?」
「それは戦いの中で把握するんだな」
「マジかよ!?」
「うだうだ言っている暇はないぞ、織斑。もうすぐ試合開始だ。せめて自分の武器の把握だけでもしておけ」
「分かりました」



「よし、とりあえず大丈夫だと思う」
「一夏、行けるか?」
「ああ、大丈夫だよ。千冬姉」
「勝てよ、一夏」
「勿論だ、箒」

 2人にそれぞれ答えた後、一夏は俺を見た。

「ようやく、修行の成果が試せる」
「ああ、今のお前の四神流がどこまで通用するのか見せてもらうぞ」
「行ってくる」
「おう……おっと、忘れるところだった。一夏、もしどうしようもない状況に陥ったら、こう言え。『TRANS-AM(トランザム)』ってな。恐らくそれで、ブレイドエクシアはお前を助けてくれるはずだ」
「トランザムか……分かった」
「本当にどうしようもなくなった時だけだ。それ以外では絶対に口に出すなよ」

 了解。と言いながら一夏は出撃ピットへ向かっていった。


 一夏side

  初めてのISでの実戦……とは言っても実戦所か、まともに動かすのはこれが結局初めてだ。そんな俺がまだ出会ったばかりのこの機体(相棒)を乗りこなせるだろうか。
  ……不意に、声が聞こえた。

『お前がエクシアを受継ぐのなら……勝て。常に勝つ自分を想像しろ。だが、負けることを恐れるな。負けても……例え負けたとしても、お前の信念を持ち続けろ。決して曲げるな、折れるな。そうすれば、エクシアは応えてくれる』

  頭の中に知らない光景が浮かぶ。

  戦火の消えることのない戦場。見たこともない機械兵器と対抗するゲリラの銃声、戦場の至る所にあるスピーカーから聞こえるラジオの、戦うことを促す男性の声、そして戦場になっている場所に住んでいたであろう人々の断末魔を聞き流しながら必死の抵抗をする少年がいた。
  彼は抵抗しながら一つの言葉を何度も何度も呟いていた。

『この世界に神なんていない』

  突然、機械兵器が破壊され爆発した。驚いた少年は周りを見渡し、そして見た。戦場を見下ろすかのように空中に浮かぶ、光り輝く機体を。その姿はまるで……

  場面が切り替わる。

  何処かの軍の施設のようだ。どうやら外にある緑の機体の性能披露のために集まっているみたいだ。そこに乱入してくる機体があった。
  そこにあった緑の機体とは違い、限りなく人像に近く、カラーリングは青と白をベースとしていて、その姿は細部は違っているが正に俺の機体『ブレイドエクシア』だった。
  その機体を双眼鏡で観察していた1人が機体の額部分に当たる場所を見ながら呟いた。
GUNDAM(ガンダム)

  ガンダムか……ブレイドエクシアのブレイドは仮面ライダー(ブレイド)からとったものだろうし、さっきの声はエクシアと呼んでいた。ならば、あの機体の名前は

「ガンダムエクシアか」

  その名に応えるかのようにブレイドエクシアに力が宿っていく。
  映像は、ガンダムエクシアが右手に装備されているGNソードを使い、圧倒的な性能差で緑の機体の両腕を斬り落とした所で終わった。聞こえていた声に俺は問いかける。

「なあ、あんた。名前は?」
『俺か? 俺の名は────』
「……そっか」

  ピットの準備は既に完了している。センサーでもセシリアが俺のことを待っているのが映っている。覚悟は……彼のおかげで定まった。

「ブレイドエクシア……いや、ブレイドの要素はまだ無いしこの状態では違うか」

  代わりにさっき知ることの出来た相棒の本当の名前を呼ぶ。

「ガンダムエクシア、織斑一夏」

  さあ、俺達の戦いを始めよう!

「『目標を駆逐する!』」





『俺の名は、刹那・F・セイエイ。ソレスタルビーイングのガンダムマイスター……いや、ガンダムエクシアのパイロット(相棒)だ』



 第三者Side



  一夏がピットから飛び出すのと共に歓声が上がるが、それはすぐに困惑へと変わっていった。

「おーおー、混乱してる混乱してる」

  その様子を出撃ピットの横の管制室のような部屋から見ていた彼方は楽しそうに呟く。


「楽しそうだな、駕狩」
「そりゃ、全身装甲(フルスキン)で驚いてたら楽しくもなりますよ。ブレイドエクシア(あの機体)の本領発揮はまだなのに、こんな段階であんなに驚いてたらこの後持ちませんよ? なあ、束姉さん」
『もっちろんだよ、かーくん!』

  何処からともなく声が聞こえてきた。彼方はポケットに入れていた、例のディスプレイ対話装置を取り出す。

「久しぶりだな、束」
『お、ちーちゃん! おっひさ〜!』
「姉さん!」
『箒ちゃん、元気してた?』
「勿論です、姉さんの方は大丈夫ですか?」
『うん、元気だよ〜? ご飯は美味しいし、ここはいい場所だよ! 』
「そういえば、妙に開けた場所が背景として映ってるけど、今は何処にいるんだ? 見たところ、ラボじゃなさそうだし」
『ん? ジオール』

  …………………………………………

「「「は?」」」
『あ、やっほー彼方。元気してる?』
「ちょっ!? 何やってんですか社長!」
「「「社長!?」」」

  ディスプレイに束とは別の人物が映る。そしてその人物を見た彼方の一言によって、束の発言によって既にジャブを喰らっていた管制室に、更なる衝撃が走る。
  その衝撃はそれまでひたすら耐え続けていた真耶の牙城すら打ち崩してしまう程のモノだった。
  そこに映っていたのはスーツを着た赤い髪の女性だった。いや、女性と呼ぶには少々若い。恐らくは高校生といった辺りだろう。
  彼女の名前は指南翔子。本来は漢字ではなくカタカナでショーコだ。彼女は革命機ヴァルヴレイヴの登場人物でありメインヒロインの1人。主人公である時縞ハルトが神憑き(カミツキ)、ひいてはマギウスとなるきっかけとなった張本人だ。時縞ハルトは、彼女が死んだと思い込みその復讐のためにヴァルヴレイヴに乗り込んだのだから。
  勿論千冬たちが彼女の本当の素性を知っている訳ではない。何故箒はともかくIS学園の教師である千冬や真耶までもが驚いているのか。

「あの正体、性別共に不明なことで有名なジオールの社長がまさかこんな少女だったとは……」
「私もてっきり、もっと高齢な方だと思ってました。それにしても、先輩も知らなかったんですか? 質問したら全部答えてくれるから、何でも知ってると思ってたんですけど」
「真耶、お前は私を何だと思っているんだ。何でもは知らんさ、知っていることだけだ」

  あまりの衝撃に呼び方が学生時代のそれになっているのにも気がついていない2人が言ってるように、今までジオールの社長というのは年齢どころか、性別までもが伏せられていたのだ。そこまで完全に隠されていれば、いらぬ推測をするのがいついかなる時もネット民の仕事であり、様々な憶測が飛び交っていた。
  曰く、『何処ぞの三元帥のように脳だけが保存されているとかは?』
  曰く、『それ以前に社長とかいませんよ的なオチじゃね?』

『もう! 社長なんて他人行儀な呼び方はやめてよ、彼方!』
「だって、ああいう反応をしないとみんなに通じないでしょうよ」
『あー、それもそうか』
「それで翔子さんや、どうして顔を出そうと?」
『別に公の場って訳じゃないし、彼女達ならいいかな〜と思ってさ』
「まあ、いいんじゃないのっ!?」
「どうしたのだ彼方」

  翔子と話していた彼方に突然緊張が走った。その緊張は横にいた箒にも伝わっていた。

「いや、何でもないよ。さて、俺もこの後試合だから別室で1人で集中してくるわ」
「そうか。場所は把握しているな?」
「それについては大丈夫だ。」

  そう言いながら彼方は翔子に目を向ける。

「悪いな、翔子」
『いいよいいよ、気にしないで? 大事な戦い(・・・・・)だもんね』

  それだけで翔子は状況を把握する。当然だ。ジオールは彼方の所属元、隠れ蓑だ。その証拠にジオールのとある部署では謎の反応を感知していた。

「じゃあ、行ってくる」

  そう言って、彼方は管制室から出ていった。
  そして、管制室の扉が完全に閉まったことを確認した次の瞬間に彼方は走り出した。 
 

 
後書き
ホント久々に更新です。みんな忘れちゃってるよな。

まあ、読者がいなくても自己満でこれからも更新していきますが。 
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