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レインボークラウン

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第二百五十四話

             第二百五十四話  飲み終えて
 天使と悪魔は共に紅茶を楽しんだ、無論ティーセットもだ。そのどちらも楽しんでからだった。
 共にだ、先生達にこう言った。
「これだけの紅茶を淹れるとはな」
「ティーセットもよかった」
「本場イギリスにもない」
「というかイギリスは水が悪い」
 日本の水と比べてというのだ。
「そこでまず違ったが」
「しかしそれ以上にだ」
「お茶の淹れ方全てがいい」
「最高だった」 
「また飲みたい」
「今は満腹したが」 
 それでもというのだ、満腹したからといってそれで充分と言えるだけのものではないというのである。
「また飲みたい」
「馳走になりたいが」
「はい、それでは」
「私達のお家にいらして下さい」
 先生達は笑顔で答えた。
「そうすればです」
「何時でも飲めます」
「そしてティーセットのお菓子も」
「何時でもあります」
「そうか、ではだ」
「宜しくお願いする」
 是非にというのだ。
「その時はお礼も持って来る」
「私もこうしたことはしっかりと守る」
 天使も悪魔もというのだ。
「ではまた飲ませてもらう」
「是非な」 32
「そういうことでだ」
「また会おう」
 別れの挨拶もしてだった、そうして。
 天使と悪魔は去った、神父はそれを見届けてから先生達に尋ねた。
「あの」
「はい、もうこの教会でお二人が戦うことはありません」
「ご安心下さい」
「そうですか、何か簡単に終わりましたけれど」
「お腹が満ちていれば喧嘩はしません」
「気持ちが落ち着きますので」
 紅茶やお菓子を飲み食いしてもというのだ。
「ですからこうしてです」
「私達はティーセットを用意しました」
「太陽ですか」 
 神父さんはここで気付いた。
「北風で強引に終わらせるよりは」
「太陽ではないですがお茶です」
「お茶を使わせて頂きました」
 そうして終わらせたというのだ。
 先生達は満足してお茶を飲んでいた、お茶はまだ残っていた。


第二百五十四話   完


                    2015・7・11 
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