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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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第13話 転校生、有栖家に行く

「おかえり、レイ。………初めまして、有栖星と言います」

家に帰ってくるなり、星が出迎えてくれた。
しかしどうにも表情が固い。

「こちらこそ、私はフェリア…イーグレイと言う。これからお世話になる」

フェリアも礼儀正しく言葉を返した。
そんな様子を見て、星の表情も柔らかくなった。

「フフ、よろしくお願いします。さあ、中にどうぞ」

そう言って中に案内する星。

「フェリアさんの部屋は既に準備してあるので荷物はそちらに………」

さすが、星は準備が早い。

「フェリアで構わない」

「分かりました、呼び捨てで呼ばせてもらいます」

………けど、フェリアって荷物どうしてるんだ?

「………フェリア」

「何だ?有栖」

「俺も零治でいい。そんなことよりお前荷物は?」

「?学校のカバンだけだが?」

………スカリエッティ、もう少し世間を教えてあげるべきだ。
っていうかスカリエッティもちゃんと分かってるのか?

「本当にそれだけなんですか!?」

さすがの星もそれには驚いているらしい。

「ああ、そうだが?」

「………星」

「分かってます………」

さすが星。アイコンタクトで理解したか。

「直ぐにデパートに行くぞ。夕食もそこで食う」

「了解しました。二人にもそう言ってきます」

そう言ってリビングにいるだろう二人に話に行く星。
リビングから「やったー!」とか「新しい夏服もそろそろ見ておくかな」とか聞こえたのは忘れよう………






そうしてやってきましたデパート。
ライと夜美の自己紹介は何事も無く終わって、すぐさまデパートへ向かいました。

「さて、それじゃあよろしく頼むな三人とも」

「はい、任せてください」
「買い物~買い物~」
「ふむ、あれが新しいデザインか」

他二人は大丈夫なのか?

「零治」

「なんだ?」

「私は別に服など………」

「駄目ですよ」

俺に話しかけてきたフェリアの言葉を星が遮る。

「女の子なんですからオシャレには気を遣わないと。せっかくこんなに綺麗なのに………」

「だが、私はこういうものを買ったことが無い。何がいいのか分からないんだ」

「そのための私たちですよ、さあ行きましょう」

星はフェリアの手を掴んで、服屋へと入っていく。
ライと夜美は既に服屋の中だ。

若干忘れられた感があるが、一緒に行っても仕方ないしな………

「時間つぶしに本屋でも行くか………」

俺は本屋に行くことにした………





「さてどうしているかな………」

1時間30分位たってから俺は皆の様子を見に服屋へ戻った。
さすがに終わっているだろう。

あれ?何か人だかりができてる?

取り敢えず、俺はその中に入っていった。

「どうよ~!!」

ライの声が聞こえる。

「「「「「おお~!!」」」」

すると、ライの声に大勢の人が声を上げた。
………ライは一体何をしているんだ?

やっと前の方に進めたので、ライの声の方を見てみると………




ナンデメイドフクヲキテイルノデスカ?フェリアサン………




人だかりから携帯のシャッター音が聞こえる。

「ぬっ、なかなかやるな。次は私だ」

ライの隣にいた夜美は試着室にフェリアを連れていく。

「わ、私はこれ以上………」

「いいから来い!」

フェリアの反論もむなしく、夜美と一緒に入って行った。

「次はこれだ!」

「………これを着るのか?」

「今更、なんでもないだろ?」

「………分かった」

試着室の中なら声が普通に聞こえてくる。
あいつら、フェリアを使ってファッションショーでバトルしてるな………

しかし店の方はよく許可を出したな………

「レ、レイ~」

少し後ろの方で星の声が聞こえる。

「星?どこだ!?」

「こ、ここで~す」

ああ、いたいた。
星は観客にもみくちゃにされていて目を回している。
俺は星の所まで行き引っ張って、俺のもとに引き寄せた。

「あ、ありがとうございます」

「構わないよ。しかしなんでこんなことになっているんだ?」

「実は………」






回想………

「これはどう?」

「うん!いいと思うよ」

「これはどうだ?」

「いいですね、髪の色とも合っていると思いますよ」

3人でそれぞれフェリアさんの服を選んでいました。
フェリアさんは本当になんでも似合うので、結構いろいろ着せてみてたんですけど………



そのうちライと夜美が………

「………でどう?」

「………面白そうだな」

何か二人で耳打ちして、店の店長に話に行ったんです。

「OK面白そうね。分かったわ、準備するから少し待ってね」

そう言って店長は店の奥に入っていったんです。

店長とは買い物していくうちに仲良くなって、安くしてもらったり、新作とか入った時にメールくれたりしてくれる仲なんですけど………




しばらくして………

「お待たせ、二人共」

そう言って店長が持ってきたのはコスプレ衣装でした。

「では………」

「始めようか………」

ニヤニヤしながらフェリアに近づいていって、2人はフェリアの着せ替えショーを始めたんです。







「そのあとは店の人から少しづつ観客が集まっていって、今の状態になってしまったんです」

「………やっぱりか」

俺の予想通りだったな。
だけど確かに恥じらいながら着ていたメイド服はとても可愛かった………

こりゃあ、周りの人にも人気が出るわ。

男だけじゃなく女の人も人だかりの中にいるし………

「さあ、お披露目だ!!」

元気よく、夜美が試着室のカーテンを開けた。

「こ、これは!!」

く、黒のゴスロリだと!!!!

夜美、なんてものを………

「レイ、何やってるんですか………」

「ハッ!?」

いつの間にか携帯でフェリアを撮っていた。
無意識に写真を撮らせるとは………

周りのシャッター音が半端なく鳴っている。

「フフフ、これは我の勝ちかな………」

「くっ、まだ何かあるはず………」

さて、ライは何を繰り出すかな………

「レイ………?」

星が恐い顔で俺を睨んでくる。

「だ、だけど、こんなにギャラリーがいるんだし、もう少しやってても………」

「オハナシ………します?」

「おい、ライ、夜美それまでだ!!いい加減止めろ!!!」

俺は星のプレッシャーに負け、2人を止めに入った。
ちくしょう、もっと見たかった………



けれど観客の人から撮影した写真を送って貰いました。

ラッキー!!






「………大変な目にあった」

「お疲れ様」

疲れたフェリアに俺は労いの言葉をかけた。
あの後、普段の生活に最低限必要なものを揃え、ファミレスに入った。

いつものファミレスだ。
そんでもって今、ライと夜美は星の説教を受けている。

「しかし、おとなしく説教を受けているな………」

「まぁ、星は怒ると恐い事を分かってるからな2人共………」

黙って静かに星のお説教を聞いてる2人。
俺だって、オハナシをされたときの事は覚えてないし。

普段気配りの出来る優しい星だからこそ怒らせると一番恐いんだよな………

「おっ、来たぞ。星もそれぐらいにして飯にしよう」

「はい。………帰ったら続きを話しますからね」

どうやら地獄はまだまだこれかららしい。

「全く、私も着せてみたかったのに………」

それが本音か!!





「これは何だ?」

箸を指差し、フェリアは俺に聞いてきた。

「ああ、箸だなこの二本の棒を使って、食べ物を挟んで食べるんだ」

そう言って俺は自分のとんかつ定食のとんかつを挟んで食べる。

「器用に食べるな」

「日本に住んでいる人はみんなこうして食べてるよ」

そう聞いて星達を見るフェリア。
星は焼き魚を綺麗に分解して綺麗に食べている。
夜美は天丼をガツガツと食べている。

夜美や星も最初はうまく使えなかったが今は見事なものだ………


ただし問題は………

「はむはむ………」

美味しそうにピザを食べるライ。
ライは箸を使うの苦手なんだよな。

外で食べるときは箸を使わない物しか頼まないし………

「ライとフェリアは箸の練習したほうがいいかもな」

「何で!?僕は使えるよ!!」

「お前はもっと綺麗に使えるようになれよ。家で焼き魚食べるとき星にばらしてもらってるだろ、お前………」

「だって星の方がうまいんだもん………」

ふてくされたように頬を膨らませながら言う。

「だってじゃないっての。給食のとき恥ずかしくないのかよ?」

ちなみに星たちが行っている中学は市立なので給食なのだ。

「みんな別に気にしないもん」

今の子達ってあまり気にしないのかな?

「だけどこれから恥ずかしくなってくるぞ」

「うう………」

唸ってもダメだ。

「………私もやってみるか」

フォークを使ってナポリタンを食べていたフェリアは箸を使ってみる。

「………やはり難しい」

「うまいもんだよこれなら直ぐに上手くなるさ」

「ううっ、僕も練習しようかな………」

そんな事を話しながら4人楽しく食事をし、帰路に付くのだった。





『ドクター、チンクです。今回、シャイデ殿の知り合いの中学生の家に居候することになりました。黒の亡霊についてはまだ手掛かりはありませんがシャイデ殿の近くにいられれば必ずつかめると思います。
それと余談ですが、居候先の人たちは優しい人たちです。先日、私の為に買い物に付き合ってくださいました。食事の際、箸を初めて使いましたが、あれはとても食べるのが難しいです。是非ドクターも試してみてください』

「ドクターそれは?」

「ああ、チンクの報告書だよ。………ウーノ」

「なんでしょう?」

「箸を使ったことがあるかい?」

「橋?道をつなげる道のことですか?」

「違うよ、これのことだ」

モニターに箸の映像が映る。

「これが箸?ですか?」

「ああ、この二本の棒を使って食事をするらしい」

「………難しそうですね」

「だが、あの世界では使うのは常識らしい。そこで!!」

バン!とディスプレイを叩く。

「我々も挑戦してみるとしよう。難しいと言われて引き下がる私ではない!!」

右手を高々と上げて宣言するスカリエッティ。

「………またドクターの悪い癖が」

ウーノは頭を悩ませるのだった。





しばらくの間、スカリエッティのアジトでは箸に苦戦するナンバーズとマッドな博士がいるのだった………

「チンク、いいなぁ。私もあの世界の料理食べてみたいな」

そんな中、箸を一番早く使えるようになったセインが呟いた。


ちなみに一番使えるのが遅かったのはクアットロだったりする。 
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