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詩集「棘」

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触れたくて…恋に時雨れて…



提灯に火が灯る頃
君は友の元へ帰ってきた
僕が会えたのは本の一時
それが僕の価値だった…

君にとっては去りゆく影
所詮は通りすがりの旅人
それでも僕は…

触れたくて…恋に時雨れて…
目の前で君が笑ってる
「それじゃ、また。」なんて言われたら
また「サヨナラ」が言えないよ…


秋の香る夏の宵
涼しい夜風に溜め息洩らす
届かぬ月影 掠る夏草
君の姿はもう見えず…

絶えず流れる時の中で
僕には縋れるものすらなく
それでも君は…

触れたくて…恋に時雨れて…
君は僕の躰を擦り抜けて
再び遠くへ翔んでった
そして僕は また一人…

もっといたい…なんて言ったら
君はどんな顔…するのかな?
そんなくだらないこと考えて
遠い空 眺めてる…

触れたくて…恋に時雨れて…
もう手の届かない所へ
他人の僕じゃ何も言えず
また一人で待ち続けてる…

触れたくて…恋に時雨れて…
目の前で君が笑ってる
「それじゃ、また。」なんて言われたら
また「サヨナラ」が言えないよ…



 
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