| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

何かわからないうちに

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六章

「何時でも待ってるからね」
「ああ、しかしな」
「何か御前ってな」
「もっと言えば沙織ちゃんもか?」
「あの娘もか?」
 その相手である彼女もというのだ。
「あの娘もこんな感じか?」
「気付いたら許嫁になっていてな」
「それで神社を継ぐことになっていて」
「その勉強をしている」
「そんな感じか?」
「そうなのか?」
「そうだと思うよ、沙織ちゃんもね」
 その彼女もとだ、大輝も答えた。
「よく一緒にいるけれど」
「そうか、やっぱりな」
「沙織ちゃんもそうか」
「婚約を意識するよりもか」
「一緒に神社の神主になってやっていく」
「そんな感じなんだな」
「あの娘にしても」
 クラスメイト達も話を聞いて言うのだった、納得した口調で。
「何か思ってたのと違うな」
「ああ、もっとな」
「結構今から夫婦だって思ってたら」
「また違うんだな」
「そうなんだな」
「まあね、お家のことはいつも頭の中にあるから」
 大社を継ぐ、このことがだ。
「僕も沙織ちゃんもね」
「だからか」
「それでなんだな」
「恋愛とかよりもか」
「そっちか」
「うん、好きとか嫌いとか」
 そうなるとだ、大輝が言う答えは。
「嫌いでないことは確かよ」
「だよな、沙織ちゃんも」
「お互い嫌いじゃないよな」
「そのことは間違いないな」
「そうだよな」
「うん、ずっと一緒にいて喧嘩をしたこともあったけれど」
 それでもだというのだ。
「仲はいいつもりだよ、お互いのことをよく知ってるつもりだし」
「そういえば従兄妹同士だしな」
「家も近くて同じ学校でな」
「それじゃあな」
「よく知ってるよな」
「お互いの家に泊まることも多いし」
 そうしたこともあるというのだ。
「だからね」
「何か兄妹みたいだな」
「いや、姉弟か?」
「まあどっちにしてもな」
「ずっと一緒にいてこれからもか」
「一緒にいるんだな」
「そうだよ、お互い最初はそんな風に意識してなかったけれど」
 幼い頃はだ、まだ何も知らなかったその頃はだ。許嫁と言われてもそれが何なのか実感も何も出来なかった頃だ。
「それでもね」
「今はか」
「そういうことも意識してか」
「神社に入る」
「それがいつも頭の中にある」
「お互い一緒にいて」
「これからもなんだな」
 皆次第に二人の関係がわかった、許嫁という関係が。
 大輝は高校、そして大学に入ってからも同じだった。やはり沙織と共に大社を継ぐべく勉強をして共にいた。
 弓もして様々な神事を勉強した、そして。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧