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遊戯王Zwei

作者:エタブレ
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第4話

 
前書き
キャラクター紹介等はこのあと随時追加していきます。 

 
ピーという機械音と共にソリッドヴィジョンが消える。
ピアスの男を強く睨み付けている遊莉。それに対しピアスの男は肩を大きく下げ項垂れている。

遊莉「では約束どおり、このお店には金輪際近寄らないでください。それと、あの子に謝罪を。」

オバチャン「遊莉ちゃん、そんな金輪際だなんて大袈裟な…」

遊莉「いや、この人が言ったことなので責任をとってもらわないと。」

ピアスの男「チッ…」
ピアスの男は小さく舌打ちをした。
しかしその会話に横にいた金髪の男が割り込んできた。

金髪の男「オイオイオイ。俺とのデュエルはまだやっちゃいねぇだろ?」

遊莉「は?急に何を…。この人が負けたらって条件のはずじゃ…」

金髪の男「あ~?そ~だったけか~?俺って記憶力悪くてよ~」
自分の頭を人差し指で叩きながら遊莉に近づいた。

遊莉「なっ…。どこまでもふざけた人達だな、あなた達は!」
遊莉は強く睨んだ。それが気に入らなかったのか金髪の男は遊莉の胸ぐらをつかんでこう言った。

金髪の男「オイ、なんだよその目は。下手に出てれば調子に乗りやがって!」

金髪の男「俺はデュエルよりも"こっち"の方が得意なんでなぁ!」
そう言うと拳を振り上げ遊莉に殴りかかろうとした。

気弱な少年「あっ、お兄ちゃん!」

オバチャン「危ない!」

バシッ!と鋭い音がした。だが遊莉に痛みはなかった。恐る恐る目を開くと拳は目前で"他の誰かの手"によって押さえられていた。

眼鏡の青年「そこまでだ。これ以上やるなら私がお相手しよう。」

金髪の男「おっ、お前は!」

ピアスの男「【井瀬 械斗(いせ かいと)】!」

遊莉「会長…」

械斗「いかにも。私が第四童実野デュエルアカデミア現生徒会長、三年の井瀬 械斗だ。」

械斗「【紅坂(こうさか)】、小さい子のためによくやったな。」

遊莉「あ、いえ…そんな…」

ピアスの男「オラッ!いつまでも無視してんじゃねーよ!ちょうど良いぜ井瀬械斗!テメェに借りた貸しをここで返してやらぁ!」
ピアスの男は械斗に殴りかかった。

械斗「フム…思い出した。君たちはこの前ウチの生徒に対してカツアゲをしていた者達だな。」
そう言いながらピアスの男の拳を避け、腕をつかみ逆方向に捻る。

ピアスの男「うぐっ…」
ピアスの男は苦痛の表情を浮かべるが、械斗はお構いなしに話を続けた。

械斗「しかし私が君達に何かを貸した覚えはないが…まぁ良いだろう。君達がそう言うなら快くお相手しよう。だがここでは場所が狭い。それに、小さな子達も居て教育に悪いからな。外へ出よう。皆すまない、道を開けてくれないか。」
そう言いながら男達の腕を掴んだまま店の外へ出ていった。暫くは外から怒号が飛び交っていたがそれは次第に悲鳴に変わっていった。

遊莉(そう言えば会長って滅茶苦茶喧嘩強かったっけ…生きてるかな?あの二人…)

気弱な少年「あのっ!」
遊莉は自分に向けられたであろう声の方に視線を向ける。

気弱な少年「ありがとうございましたっ!僕のせいであんな…」

オバチャン「私もゴメンね~止めてあげられなくて。」

遊莉「いやいや、僕が勝手にやったことですから。それに許せないんですよ、ああいう人の弱味につけこむような人達。」

気弱な少年「ねぇ僕もお兄ちゃんみたいにデュエル強くなれる?」

遊莉はその言葉を聞いてふと昔を思い出した。かつて自分も、プロデュエリストだった父に全く同じことを聞いていたことを。

遊莉「うん、なれるよ。君なら絶対に!」
遊莉は少年と目線を合わし、頭を撫でながら言った。

気弱な少年「エヘヘ」
少年は少し照れ臭そうだったが満面の笑みを浮かべた。

気弱な少年「お兄ちゃん、僕とデュエルしてください!」

遊莉「うん!いいよ、やろう!」

「あっ!ズルい俺も!」
「私もやりたい!」
「ねぇお兄さん僕のデッキ見て!」
「このカードの使い方は~?」
「さっきのカード交換して~」
一連の流れを見ていた子供達も遊莉に言い寄った。

遊莉「えっ!?えっ!?えっ!?」

オバチャン「アラアラ、一気に人気者ねぇ」

遊莉「ちょっ!オバチャン見てないで助けてよ~」

オバチャン「ハイハイ、皆~。お兄ちゃん困ってるから一人ずつね~。」
オバチャンは手を叩きながら大きな声で言った。

遊莉「よし、それじゃあ皆!ルールを守って楽しくデュエルしよう~!」

子供達「は~い!」

しばらくの間店の中からはやわらかい笑い声が絶えなかった。一方で店の裏手からは悲鳴が絶えなかった。
そしてもう一方でも…

遊希「や…やっと終わった…さぁかえr」

教師「遅れた罰だ。これもやってけ」ドサッ

遊希「()()」


~その日の深夜・路地裏~

男「やめろぉ!やめてくれぇ!…むぐぁ!」

タトゥーの男「一々うるせぇ~なぁ~。」
タトゥーの男は無理矢理男の口を塞ぎながらデュエルディスクからデッキを抜き出した。

タトゥーの男「チッ。コイツも持ってね~のかよ。“永遠”のカードをよ~。」

タトゥーの男「もういいや。お前消えろ。」
カードを地面にばらまきながら、口を塞いでいた手に力を込めた。

男「!」

瞬間、まばゆい光と共に男の姿は無くなっていた…

「あまり事を起こすな。」
どこからともなく声が響く

タトゥーの男「なんだよ、観てたのかよ。」

「あの方は“永遠”さえ手に入ればそれでいい…」

タトゥーの男「ヘイヘイ、気を付けますよ~。」

タトゥーの男「…ったく、どこにあんだよ。“永遠”のカードはよ~。」

そう呟きながらタトゥーの男は闇夜に消えていった… 
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