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3.地球の神無異様!

作者:クシャル
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全次元崩壊

ーいつもと変わらない日常だった。

新しく家族になったわんこのリク、リクと戯れる白ちゃん。

変わったことと言えばこの間の質問だけだった

おかしな質問だなぁ、それくらいにしか思わなかった。

••••だからあの子を救えなかった。

その休日あたりからあちこちの世界で地震が起こるようになった。

外国でさえ日本と変わらない回数の地震が、ほぼ同時刻に起こっていた。

白ちゃんが一度寝込んだ時に大きな地震が起こった、幸い被害は少なく死人は出なかった。

そこからはめっきり地震は起こらなくなった。

そう、『あの日』までは••••。




白夜が意識を失い倒れた『あの日』、世界全体が少しの間大地震が起こった。

もはや天災と言っていいほどの大規模なものだった。

耐震のある寮でさえ、その状況がしばらく続けば崩壊していただろう。

琴音は大地震の中、意識を失った白夜に付き添っていた。

ついに寮が崩壊すると思われたその時、ぴったり地震が止んだ。

琴音があたりを見回すと、いつの間にやら入ってきた者が1人、悲しそうな顔をして立っていた。

?「••••井波 琴音さんですね?」

声からして男性のようだ。

琴「誰ですか••••?」

速「あなたたちに神と呼ばれる存在です、最も私はそんな偉い者ではないのですがね。

名は速人(はやと)、光の神です。」

琴(神様なのに人間みたいな名前だなぁ。)

速「まぁ白夜様から頂いた名前ですしね、神っぽい名前はつけないと思いますよ。」

琴「読心術?

白夜様って、オカルト宗教か何か?」

速「紛れもなく神なのですが••••••。

私は元白夜様の付き人です、専属執事みたいなものですね。

とは言っても、遥か昔のことなんですけどね。」

琴「へぇ〜。」

速「琴音さん、今まで我が主を見守ってくださりありがとうございました。

おかげでまた、再会を果たすことができました。」

琴「えーっと、状況についていけないのですが••••••。」

速「••••白夜様は常に何者かに狙われています、命や存在を。

白夜様を消そうとあの手この手を使ってくる神と、逆に白夜様を利用しようとする神。

白夜様が人間ではないのも以前聞いていましたね。」

琴「えーっと確か、存在がルールだとかなんとか••••。」

速「そう、白夜様は神無異という有って無いような存在(しゅぞく)なのです。

矛盾した存在、そして生まれながらにして次元全ての理・常識・非常識(ルール)という存在でした。

余りにも強大すぎる力を、神々は総出でやっと封印しました。

その数は数え切れないほどだったと伝えられています。

しかし、その封印が今解けようとしている、そのため各地で災害が起こっているのです。

封印が解けてしまったら余波ですら全次元が消し飛び、全てのものが無に還るでしょう。

お願いします、力を貸してください。」

琴「でも私には出来ることなんてないです、人間ですし••••••。」

琴音は俯く、速人はため息を吐いた。

速「もう目覚めているんでしょう?

いい加減下手な芝居を打つのは時間が勿体無いので止めていただけませんか、『冥土』さん。」

琴音はニヤリと笑うと黒い渦に飲み込まれる、そして出てきたのは全くの別人だった。

漆黒の髪、漆黒の翼、そして紅い瞳。

冥「あははっ久しいわね、速人。

何億年ぶりかしら、まあそれは後ででもいいかしらね。

白夜様を助けるんでしょう?

私の封印はかなり強力で、白夜様に何か起こるかもしれないわよ?

貴方も無事では済まない、それでもいいの?

後で死にかけるのは貴方だけれど。」

速「死んでもいいので助けてあげてもらえませんか?

それで助かるなら私の命など安いものです、それに白夜様を助けるために使えるなら、本望です。」

冥「••••••硬い意思ね、いいわ、そこまでの意思があるならやりましょう。

ちゃんと気張らないと持っていかれるわよ、もし白夜様にもう一度会いたいと願うなら、しっかり意識を保ちなさい。」

冥土の周りに幾つもの細かい魔法陣が現れる。

それと同時に、冥土の漆黒の髪と翼は白くなり、眼は赤紫色へと変化する。

冥「やるわよ!」

魔法陣が紅色に輝き出す。

速人は苦しそうに膝をつくが、白夜もまた激痛が走っているのか顔を歪め呻いている。

少しすると、魔法陣は徐々に輝きを失う。

それに伴い白夜と速人の苦しみも薄れていった。

冥「はいお疲れ様、これで封印は直し終わったわ。

解けていたら貴方の命1つでは足りなかったわね、確実に。」

速「真剣にいってるように見えて実はメシウマ状態ですこのメイド••••••。」

ガクッと力尽きて床へとひれ伏す。

冥「いいじゃない、結果的には誰も消えなかったんだから。

貴方も成長したのね、昔は泣き虫だったのに。」

速「••••••。(スヤスヤ」

冥「あら寝ちゃった、まあいいか、速人にしては良くやったほうだし。

少しくらい仕事から離れたほうがいいかもしれないしね、まったく••••仕事尽くめなのもある意味問題ね。

姫ちゃ〜ん、いる〜?」

氷「••••••冥土ちゃん呼んだ?」

金髪の小さな女の子が顔を出す。

姫、本名氷野愛(ひのめ)、伊佐咲 夢羽の正体である。

なお神々に封印され人間だと思っていたため、幼稚園であっても気がつかなかった。

冥「速人の頭を冷やしてくれないかしら、どうも頑張りすぎて熱が上がったみたい。」

氷「ん、分かった。」

氷野愛は氷を出現させ、延べ棒のような氷をタオルで巻き、速人の額へとのせた。

白「••••すっげー痛かったんだが‼︎」

眼を覚ましガバリと勢い良く起き上がった白夜。

白「あーもー痛くて寝てらんねぇよ、いったい何があったんだっつーの。」

冥「お••••、お嬢様••••••?

覚えていらっしゃいますか?」

白「あ、冥ちゃん久しぶり。

何で速人は床で寝てんの?

っていうか何で堕とされたはずの姫がいんの?

そもそもなんでみんな集まって来ちゃってんの?

あれだよ、ここだけ怪しいと思われて絶対誰か通報するよ、それだけは避けたいんだが。

っておいおい、なんで泣くの?

俺なんか悪いことしたか?」

冥「お嬢様••••ついに••••••、ついに会うことができたのですね••••••!」

白「なんか約束してたっけ、まあでも記憶も徐々に戻りつつあるな••••。

うーん、まさか我が愛しき家族を忘れるとは••••••、自分を殺したい。

本当にすまん、めーわくかけて。」

冥「迷惑じゃ••••ないです、私たちは、お嬢様をずっとずっと探し続けていました••••!

お嬢様に会えた、それだけで充分です!」

白「••••そうか、放浪癖のある俺をずっと探してくれてたんだな。

ありがとな、わざわざ、俺も会えて嬉しいよ。」

照れ臭そうに頬をかく白夜、冥土は鼻血を流し一言。

冥「お嬢様のデレ頂きましたッ!(GJッッ‼︎)」

白「駄目だコレ、まったく変わってねぇ、むしろ変態レベルが上がった気がしかしねぇ。」

(一名を除き)変わらぬ仲間を見て、嬉しそうな笑みを浮かべた。

白「ただいま、これからもよろしくな。」 
 

 
後書き
最終回でした〜。

名前:速人

種族:光の神

白夜が天上に戻るまで、白夜が残した八百万の神々(有名どころはいないよ!)を仕切っていた神。

かなりの実力だが、白夜や冥土が規格外すぎるためなんだか惨めに見えてくる。

一応人間でいう派閥があり、その中で常に1位を獲得していた。

なんの刺激を求めてか神々による戦争が起こる、それによって順位が決まる。

1位ということは、かなりの実力者揃いだと思われるが実際そうではなかった。

白夜が大好き。

名前:冥土

種族:不明

白夜の次に強い謎のメイド。

地獄で生まれたらしいが定かではないうえ、白夜より劣るが速人よりもずっと強い。

というか白夜と冥土さえいれば全神類征服はたやすいと思われる。

漆黒の髪と翼、眼は紅色だが、条件を満たすと白くなり眼は赤紫色に変化する。

なんか色々残念な人だという噂、白夜が大好きで変態。





••••こんなはずじゃ••••こんなはずじゃなかったんだ••••! 
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