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フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち~

作者:零水
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ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
  ランサー

 
前書き
fateアニメ終わっちゃったなぁ・・・。(哀愁)
とりあえず夏アニメ何見ようかなぁ・・・。

こっちは三人目です。 

 
「しっかし驚いたぜ。まさか騎士と暗殺者が手を組んでいるとはな!最初見たときは目を疑ったもんよ!」

 マズイ
 マズイマズイマズイマズイマズイ!!
 最悪だ。よりによってこの状況でサーヴァントと出くわすことになるなんて!
 しかも俺だけじゃなくアサシン(ヴァロナ)のことまで知っているってことは・・・

「やっぱりお前のマスターはワルドか?」
「ん?ああそうだぜ。んで、あいつは今お取込み中だからな、俺がテメエの足止めを頼まれたってわけよ。」

 敵ながら気さくに話してくるランサー。だが、それでもこちらにかけてくるプレッシャーはそのままだ。
 ワルドに出会ってからずっと感じていた違和感、それは恐らくこのサーヴァントの気配だったのだ。
 けれど、このまま睨み合っていてもどうしようもない。急がないとルイズが危ないのだ。

「・・・悪いが、押し通させてもらう。」
「ははっ、そうこなくちゃな。精々・・・楽しませてくれや!」

 そして二騎はぶつかり合う。






 城の片隅にある礼拝堂。そこでウェールズは一組の男女の到来を待っていた。
 間もなく紛争が始まろうとしている中、本来こんな所にいるはずではなかったのだが、昨日訪れた客人のたっての頼み、さらにこのようなめでたい役を引き受けられるのならば少しくらい時間を割いてもというものだ。
 
 やがて、扉が開かれる当の二人が現れた。男性はワルド、そして女性はルイズであった。架はどうやら別の役割があるとワルドからは聞かされていた。
 ルイズは緊張しているのだろうか、何も言わずワルドに導かれるままにこちらに歩み寄っていた。
 二人が自分の前に来るとウェールズは「では式を始める。」と告げた。

「新郎、子爵ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。汝は始祖ブリミルの名において、この者を敬い、愛し、そして妻とすることを誓うか。」
「誓います。」

 ウェールズの言葉にワルドは感情のない声で頷いた。
 続いてウェールズは新婦であるルイズの方へ向いた。

「新婦、ラ・ヴァリエール公爵三女ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。汝は始祖ブリミルの名において、この者を敬い、愛し、そして夫とすることを誓うか。」






(いや・・・)






 ルイズのぼんやりとした意識の中、ポツリと呟く。しかしそれが声になることはなかった。






(いや・・・こんな結婚、私は望んでいない・・・!)



「新婦?」

 返事が返ってこないルイズにウェールズが聞き返した。

「きっと緊張しているのでしょう。」
「さもあろう、しかし儀は儀であるからな。」

 ではもう一度、と先ほどと同じ言葉を繰り返すウェールズ。





(絶対に嫌!私は・・・私は・・・!!)


 私はどうしたい?








「ッはあ、はあ・・・!!」
「おいおいどうした、休む暇はねえ、ぜ!!」

 ランサーの突きの連打が襲い掛かる。デルフリンガーで捌いていくが何発かは腕やわき腹を掠めていった。

「剛・魔神剣!!」
「!おっと。」

 地面に叩き付けるように衝撃波を放つ。ランサーはそれを飛びのいてようやく二人の間に距離が生まれた。

「相棒、大丈夫か?」
「はあ、はあ・・・あんまり大丈夫ってわけじゃないな。」

 やはりと思っていたがこの世界で戦ったどのヤツとも比べものにならないくらい強い。既に架は服が所々破れ血が滲んでおり、さらに頭からはツーと血が流れている。対するランサーはほとんど傷らしい傷がついていない。力の差は歴然としていた。

「はあ~あ、最優のセイバーがこんなもんかよ。がっかりだわこりゃ。」
「・・・何だと。」
「おい相棒、落ち着け!」

 デルフリンガーが叱咤するが、ランサーの言葉は何故か架の精神を乱すものだった。
 急がなければ、ルイズが・・・

「今更あの小娘の方へ向かっても手遅れなんじゃね?今頃うちのマスターと・・・」
「そこを、どけっ!!」
「よせ、相棒!!」

 焦りのためか、真っ向から突っ込んでしまう架。それに対しランサーは「マヌケ。」と呟いた。敏捷性に優れたランサーが、そんな闇雲な攻撃で劣るはずがないのだ。

「瞬迅槍!」
「くっ!」
「いけねえ!」
「遅せぇよ、受け止めるんじゃなくて躱すんだったな。」

 瞬間的に距離を詰めたランサーの一撃を何とか受け止める。が、それこそランサーの思う壺だった。
 下段から真上に払われ、架の体が浮き上がってしまう。

「しまっ――」
「はっ!墜牙爆炎槍!!」
「ぐ、あああああああ!!?」

 打ち上げた架を槍で追撃し、触れた相手を爆砕する。空中では避けることもままならずモロに食らい、そのまま地面に投げ出されてしまった。

「ぐ・・・がはっ」
「相棒、落ち着けって。」
「分かってる、分かってるんだが・・・」
「奴の狙いは唯の時間稼ぎだ。言動に惑わさんじゃねえ!」

 その言葉に架ははっとようやく気付いた。どうやら相手の手中にまんまとハマっていたらしい。

(恐らくランサーのスキルか何かだろう。マスターを人質に捕られているこの状況を上手く利用されたのか・・・。)

 ランサーの固有スキル『嘲罵(ちょうば)』。自身の口から発せられる言葉が、相手の精神や集中力を大きく狂わせる精神干渉系のスキルである。
もう失うのは御免だ。そう思っている架の心が、よりこのスキルを有効なものにしてしまっていたのである。
 やがて少しずつ荒く波立って心が静まっていくのを感じた。確かに時間はないが、それにはランサーに確実にダメージを与えなければならない。
 しかし、敵は恐らく名のある英雄。生半可な小手先の技は通用しない。するならもっと大技、そう例えば宝具のような・・・。
 そこまで考えて架は最近気付いた、ある死活問題を思い出した。

 まあ早い話が、架は宝具を持っていないのである。

 当然と言えば当然の話だ。何せ架は本来英霊などではないのだから・・・。
 だが、手がないわけではない。




『お前もあいつと同じだ。』

 不意に頭の中で声が響いた。

『お前の力は所詮借り物に過ぎん。』

 そう、あの時、あの戦いで教えられた。

『ならば、せめて頭の中だけでも思い描くがいい。』

 赤い外套をはためかせながらそいつは言っていた。

『最強の自分を。』

ああ。分かってるよ、アーチャー。

 見よう見まねが俺の得意分野だからな!!


「デル・・・投げるぞ。」
「へ?お、おい相棒、そりゃどういう・・・」

 デルフリンガーが聞き返す前に剣を逆手に持ち替える。そして後ろに跳躍してランサーとの距離を大きく開けた。


 まるで獲物に狙いを定めた獣のように四肢を地面に付ける。


(思い出せ・・・あの光景・・・あの動きを・・・)
「・・・『模倣(フェイク)・・・開始(オン)』!」

「あ?って、その構え・・・まさか!?」

 ドンッ!!

 ランサーが何かを言っていたが聞く耳は持たない。弾丸のように飛び出し、助走をつけた状態で一気に跳躍する。助走をした分その跳躍力も常軌を逸していた。
 空中で体全体を弓の様に反らし投げの構えをとった。同時に左手のルーンが光り輝く。


目の前に起こった事象を焼き付け


頭の中で回想し


そこに自分の外形を重ね合わせ


ここに実現と成す!!!




そして思い描くのは、あの世界で出会った蒼き槍兵、





すなわち――――――





偽・突き穿つ(ゲイ)―――――死翔の槍(ボルグ)!!!!」






「うおおおおおおおお!!!??」
「なあっ!?!?」

 雄叫びか悲鳴か分からない声をあげて飛んでいくデルフリンガー。
 冬木市の第5次聖杯戦争のランサーにしてケルト神話の英雄クー・フーリンの宝具『ゲイボルグ』。所詮紛い物の技では因果逆転など起こりえないし、あの不治の呪いはない。
 だが、
 あの爆発的な威力と、敵を貫くほどの速度で放つことは出来る!!


 ズガァァァァァァァァン!!!


「おおお・・・おおおおおおおお!!!!!??」

 ランサーはギリギリ直撃は回避したものの、デルフリンガーが地面に着弾した瞬間発生した衝撃波で思いっきり吹き飛ばされた。
 








 私はどうしたい?
 ルイズは自分に向かって問いかけた。意識の外では、ワルドやウェールズが何か言っている気がするがとりあえず無視をした。
 私はワルドが好きだったのだろうか。答えは間違いなく肯定だろう。幼少の頃からずっと憧れていたのだ。好意を抱かないはずがない。でもなぜ、こんな嫌な気持ちになるのだろうか。
 答えはあの時の言葉だった。


『僕には君が必要なんだよ。そう、君の力がね!』



 ああ、そうか・・・、とルイズは徐に理解した。彼が欲しかったのは私じゃない、私の力だったんだ。

 納得したルイズの頭の中に別の男が浮かびあがる。
 突然の出会いを果たした彼。初めて自分を認めてくれた彼。涙を浮かべながら自分のことを守ると言ってくれた彼。

『貴族でもないアンタに、何が分かるっていうのよ!!』

 
 ずっとモヤモヤしていた。彼にあんなことを言ってしまったこと。彼の元を去る時、一瞬―――恐らく本人も気づいていないほどほんの僅かだが―――悲しそうな目をしていたこと。

 謝らなきゃ・・・。

 そうだ、今私がしたいことは、しなくちゃいけないことは・・・!



「カ、ケ、ル・・・」


 アイツに・・・会いたい!!







 土煙が立ち込める中、ヒュンとデルフリンガーが戻ってきた。どうやらゲイボルグの自動的に手元に戻ってくる効果は模写できたらしい。

「相棒ヒデエや!いきなり投げ飛ばすなんて!?」
「仕方ねえだろ、咄嗟に思いついたのがこれだったんだから、っつ!」

 どうやら反動で右腕の骨がヒビが入ったようだ。筋肉も相当イカれている。やはり英霊の宝具を模倣するのはリスクが高すぎるな・・・。
 そう思っている内に視界が開けてきた。そこには驚愕の表情でこちらを見ているランサーの姿があった。

「ゲイボルグだと!?まさか、いやそんなはず・・・何なんだテメエは!?」

「出来損ないの魔術師・・・いや」

 いつも通りに答えようとしてやめた。そう今は出来損ないとか魔術師とかでもない。
 今は――――

「アイツの・・・ルイズのサーヴァントだ。」
「・・・・・。」

 暫くポカンとしていたランサーだったが、やがて・・・

「あっははははははははは!!そうかそうか、そうだろうな!何せお前は騎士(セイバー)だもんな!!」

 突然笑い飛ばしてきた。コイツの発言はほんとにいちいち勘に触るな・・・

「いやわりぃわりぃ。テメエがあんまりにも騎士らしくてな。まあそうだろうな。今のテメエにとっちゃ俺との勝負より主の方がよっぽど気がかりだろうさ。」
「・・・じゃあ何だ。通してくれるっていうのか。」

 架の言葉にランサーは「ん~」と考えこむと、

「いやな、思ったより面白そうだからテメエとは全力の勝負をしてみたいわけよ。でもそんな様子じゃあそれも叶いそうもねぇ。つってもまあ俺も人のことは言えねえがな。」

 メキッ

 今度は自分の持つ槍をへし折った。
 架が唖然としているとランサーは相変わらずヘラッとした笑みを浮かべながら言う。

「アイツめ、『お前の槍は正体が分かりやすいだろうからこちらが用意する武器を使え。』なんて抜かしやがって。挙句よこしてきたのはこんなハリボテだしなあ~。」

 いや、それでも英霊の猛攻に耐え抜いてるんだからそれでも結構凄いとは思うぞ・・・。と架は思うのだが言う気にはならなかった。
 そして結局言いたい放題に言ったランサーはスッと殺気を収めた。

「行けよ。奴らなら礼拝堂さ。まあ尤も、間に合うかどうかは分からんがな。」

 言葉を聞き終わる前に架は駆け出していた。もうランサーが戦う気がないのなら、こんな所に留まる理由もない。

「・・・礼は言わないぞ。」
「どうぞ、別に求めてねぇし。」

 すれ違い様にそんなやり取りを交わした。やがて架の姿が見えなくなると、ランサーはにやりと性質の悪そうな笑みを浮かべ呟いた。

「ああそれから、奴の狙いは小娘だけじゃねぇから気をつけな。」

 当然その声が聞こえる者はいなかった。







「・・・カ、ケ、ル」
「新婦?」
「(馬鹿な!?呪縛が・・・!)」

 ルイズの口から零れた言葉に、ワルドが焦りの表情を見せる。その様子をウェールズは見逃さなかった。

「ふむ、新婦は余程緊張していると見える。仕方ない、落ち着くまで待つとしよう。」
「も、申し訳ありません、皇太子。」
「何、構わぬ。時に新郎、今ここで問うことでもないのだが一つ聞きたい。この新婦の使い魔は今どこにいるのかね。」
「こ、皇太子、今は別にそのようなことは・・・!」
「いや何、親しい者が傍にいれば多少は気が紛れると思ってね。どこにいる、部下の一人を差し向けよう。」
「ぐ・・・。」

 じりじりと言葉で詰め寄るウェールズ。彼はルイズが何らかの洗脳状態にあることを見抜いたのだ。今はその時間稼ぎ。ルイズが自力で呪縛から解き放たれるのを信じて。

(そうだ、カケル・・・カケルはどこ?)

「カ、ケ、ル・・・。」

 今度はさっきよりも少しはっきり声が出せた。そうだ、こんなことをしている場合じゃない。

(私にはカケルが必要、でもそれだけじゃない!)


「カケ、ル」


『彼は、貴族でも何でもない一人の『ルイズ』っていう女の子に危険な目に遭ってほしくないのよ。』

 今なら級友の言葉が分かる!


『今度こそ・・・お前を・・・守らせて・・・。』


(カケルにとっても、私は必要な存在なの!)

「・・・カケル」

(私が・・・私も、カケルを守らなくちゃ!!)

「カケル!!」

 気が付いた時には意識は完全復活していた。周りを見ると、横には青ざめた様子のワルド。そして目の前にはフッとこちらを見て笑っているウェールズがいた。

「私は・・・」
「呪縛が、完全に・・・!?」
「やれやれ、君たちは余程パートナーに恵まれたと見える。これこそ主人と使い魔の真の在り方よな。まあそれはさて置き、事情を説明して貰えるかな、ワルド子爵?」

 ウェールズの問いにワルドは俯いたまま答えない。その時ルイズは洗脳される前の彼の言葉を思い出した。

「ワルド、貴方は一体何者なの?さっき言っていたレコンキスタって何?」
「なっ!?レコンキスタだと!?」

 ルイズの言葉にウェールズが驚く。この国に起こっている反乱の裏にいる組織、『レコンキスタ』。まさか、トリステインの使者として現れるとは・・・。
 と、今まで黙っていたワルドがはあ、とため息をつき、ようやく顔を上げた。その顔はもう、ルイズの知っているあの優しいものではなくなっていた。

「・・・仕方がない。では次の目的を達成させよう。」
「もう一つの・・・?」
「ああ、僕がこの旅に同行する目的は三つあった。」

 ワルドは左手の指を三本立てた後、「一つ目は・・・」と人差し指のみを残した。

「一つ目はルイズ、君だったんだけどね。これは諦めよう。」
「当然よ!」

 ルイズの声も意に介さず、ワルドは二本目の指を立てる。

「二つ目、それはアンリエッタの手紙だ。」
「!貴様、まさか・・・」

 ウェールズが反応し、杖を抜こうとする。しかしワルドの方が速い。

「三つ目・・・それは貴様の命だ!ウェールズ!」
「皇太子さま!!」

 ルイズが叫ぶがもう間に合わない。ウェールズが杖から魔法を放つ前に、ワルドの杖の先がウェールズの胸を貫き――――――





 ガキィィィ!!!




「なっ!!?」
「こ、これは・・・?」
「まさか・・・!」

 貫くことは出来なかった。ワルドとウェールズの間に床から生えたゴーレムが突如割って入ったのだ。ワルドの突き出した杖はゴーレムを貫くことは出来ず、ウェールズは完全に無傷であった。
 当の二人はかなり驚いているがルイズは知っている。こんな芸当が出来るのは・・・!!

「はあ、ここが石造りの建物で助かった。でなければ絶対間に合わなかったからな。」

 礼拝堂の入り口に一人の男が剣を地面に突き刺している。少し距離があっても分かる、ボロボロになってもここに駆けつけてくれた人を、ルイズはつい涙目になって呼んだ。

「カケルゥ!!」
「ルイズ、間に合ってよかった。」

 架はルイズに笑みを浮かべるが、すぐに厳しい顔つきになりワルドに視線を移した。

「さて、ワルド。俺の主人を随分可愛がってくれたようだな。それに俺の友であるウェールズにまで手をあげるとは・・・」

 瞬間、架の殺気が一気に高まった。ワルドは冷や汗を出さないわけにはいかなかった。


「その落とし前、つけさせてもらうぞ。」









「レコンキスタ?」
「ああ、ああ、そんな奴らがあの国で暗躍しているらしい!」

 ここはアルビオンからだいぶ離れた場所。魔法学院とラ・ロシェールの中間あたりに位置する森の中に二人の男が向かい合っていた。

「ふ~ん、それで、そいつらの目的は何だ?」
「そんなの知るわけ「答えろ」ギャアアアア!!!」

 緑生い茂る森に絶叫がこだました。向かいあう、というには立場はあまりにも一方的過ぎた。
 一人はナイフを構えながら相手を見下ろす長身の男―――ヴァロナ。
 もう一人は先ほど膝にナイフを突き立てられ呻き声を上げている男、それはいつかの晩、ルイズたちを襲撃し、ヴァロナに返り討ちにあって逃げ出した傭兵の一人だった。
 ラ・ロシェールを出て真っ直ぐ帰ろうと思ったヴァロナであったが、このまま手ぶらで帰るのもどうかと思い、少々情報収集をしていたのだった。そしてようやくこの傭兵たちを見つけたのである。
 だが、その残忍さは森を見れば一目で分かる。至るところに傭兵の死体が転がっており、今尋問している男が、実は最後の生き残りだったりする。
 まあ本人的には、しゃべらない奴に用はないとばかりに切り捨ててきただけなのだが。

「答えろよ。テメエが依頼人と掛け合ったってそこの首だけのヤツが言ってたんだよ。知らねえとは言わせんぞ。」
「し、知らねえ!ホントに知らねえんだよ!!俺たちはただ雇われただけで「はいよくある話だねえ~」があああああっ!!わかった!わかったから!!」

 反対の膝にもナイフが立ち、苦痛に歪みようやく傭兵は吐いた。詳しくは知らなかったらしいが、奴らの目的は・・・

「はあ~、苦労して分かったのがそんな下らないものだったとはな・・・。拍子抜けもいいトコだ・・・。」
「た、頼む!お願いだ!命だけは・・・」
「うるせえんだよさっきからつまらんことばかり言いやがって!!」

 懇願してくる声にウンザリしたのか、男の首を掴んだまま背後の岩に叩きつけた。迫りくる死の恐怖に男は年甲斐もなく「たのむ、たのむよお・・・たすけてくれえ。」と涙と鼻水で顔がぐしゃぐしゃになっている。
 と、ヴァロナは男に顔を近づけこう言った。

「なあ、最後に一つ聞きたいんだがよ・・・」
「へえ?」

「生きることって、そうまでしてしたいことか(・・・・・・・・・・・・)?」

「はあ?なに―――」


 ゴギッ


 聞き返すころには男の首は変に捻じ曲がっていた。男が死の直前、最期に目にしたのは、

 
自分を殺す相手の、本当に疑問に満ちている表情であった。
 
 

 
後書き
ルイズの心境上手く書けてる自信がない・・・。ホントに文章力ないなあ・・・。
ってか前書き含めてグチしか言ってなくてスイマセン!

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