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スケッチは二人で

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第一章

                      スケッチは二人で
 黒髪を女の子で言うショートにしていて鋭い目を持っている、面長で顎も長い。下顎はやや出ている感じか。
 背は一八〇ある、その宮崎庄汰が高校で所属している部活はというと。
「何で美術部なんだよ」
「御前が美術部かよ」
 クラスメイト達がその彼にクラスで言う。
「運動部じゃないんだな」
「それも中学の時から」
「その背と体格でな」
「運動神経もいいのにな」
「それでもか」
「美術部なんだな」
「僕は絵が好きなんだ」 
 だからだとだ、庄汰は彼等に答えた。
「それでだ」
「美術部か」
「ずっと」
「絵を描くのが好きだから」
「それでか」
「そうだ」
 こうクールな口調で言うのだった。
「面白い」
「成程な」
「じゃあこれからもか」
「絵を描いてくんだな」
「そうするんだな」
「そうする」
 やはりクールに言う。
「美術部こそ僕がこの高校でやる部活だ」
「違和感バリバリだけどな」
「まあ御前がそう言うんならな」
「俺達も止めないけれどな」
「そもそも止める様な話じゃないしな」
 違和感は感じてもだ。
「部活でも誰にも迷惑かけてないんだったな」
「特に」
「僕は絵だけに専念しているつもりだ」
 これが彼の返事だった。
「迷惑はだ」
「だよな、特にな」
「だったらいいな」
「別にな」
「御前が楽しんでて誰も迷惑かけてないんなら」
「何もな」
「ならこれからもだ」
 それこそとだ、庄汰も言った。
「僕はだ」
「描くんだな」
「絵を」
「そうしていく、絵を描く時は一人になるが」
 一人でその作業に没頭するというのだ、それがまたというのだ。
「これが実にいい」
「一人になれてか」
「そのことに没頭出来るから」
「だからか」
「余計にいいんだな」
「上手く描けたら確かにベストだ」
 それは、というのだ。
「しかし一人で自分の世界に入りそしてことを進めていく」
「それがいいんだな」
「絵を描くってことは」
「スケッチはな、だからしていく」
 これからもとだ、そして実際にだった。
 彼は部活でいつも自分だけの世界に入って描いていった、そうして色々な絵を描いていった。それで満足していた。
 しかしある日だ、その美術部に。」
 一人の部員が入部してきた、勝気な感じの目に腰まで伸ばしたやや癖のある茶色の髪にだ。すらりとした脚とわりかし発育のいい胸を持っている。
 白いブラウスに赤と白のチェックのミニのスカート、赤のブレザーとネクタイというこの高校の制服に身を包んでいる。
 その彼女がだ、強い口調で部員達に名乗った。
「眞鍋潤子、宜しくな」
「えっ、あんな娘学校にいたか!?」
「はじめて見る娘だけれど」
 部員達は潤子を見てまずはこう言った。 
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