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転生した死神

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第5話

     《隠せ 霧時雨》

その名を口にした瞬間、兵藤 一誠を中心に、霧が発生した。

 「な、何だこれは!?」「何も見えないぞ!」「これをどうにかしてくれ!」

突然、視界が失われたことにより、陰陽師達はパニックを起こしていた。

 「落ち着け!!!敵は一人だ落ち着いて気配を探れ!!」

ああ、流石にこの数の陰陽師を指揮しているだけはある、この程度では慌てないか。確かに、視界が封じられた時の一般的な対処方はそれで完璧だろう。


だが、それは所詮一般的な対処方だ。それでは俺の霧時雨は敗れない!!

 「て、敵の気配がたどれません!!」
 「こっちも無理です!!」

 「なっ!?どうなっている、(ザワザワ)取り乱すな!!落ち着いて対処方を考えるんだ!!」ザシュ

 「グハッ」ザシュ「グフッ」ズパン「グアァ」

指揮官が一喝した瞬間、そこら中から肉が断ち切られる音が響く。

 「何が起きている!!」

指揮官の焦りの声が響く。

 「嫌だ、たすけ(ザシュ)」
 「ま、まだ死にたく(ザシュ)」
 「ど、どうなって(ザシュ)」
 「ふざけんじゃねーぞガキが!(ザシュ)」
 「アハハ、ヒヒヒ、アーーヒャヒャヒャ(ザシュ)」
 
周囲から、様々な声が響く。情けなく命乞いをする声、なにが起こっているのかわからず戸惑う声、怒りを露わにする声、仲間の死に堪えきれず狂った声、そのすべてを兵藤 一誠は一切の容赦なく切り殺す。

あまりの恐ろしさに、逃げ出そうとする陰陽師すら兵藤 一誠は切り殺す。


Side陰陽師の指揮官

 (な、なにが起こっているんだ)

指揮官は震えながら、状況を分析していた。周りからは、部下の悲鳴が響き渡る。

 (なぜ、我々が一人のこらず10歳程度のガキにやられている。確かにあのガキはボロボロだった。だが、我々が次の技を放ちそのガキを中心に上がった土煙の中からでてきたのは何なんだ、確かに姿は我々が殺そうとしていたガキそのものだ。なのに、なぜ我々が蹂躙されている!!・・・な、何だ声が止んだ。霧も晴れていく)

 「は、はは、はははやったのか。所詮はガキだ我々には勝てなかったようだな。どうしたお前達、返事をしろ」

そして、周りを見渡すとそこには、大量の死体があった。

 「な、なにが」
起こった、とでかかった言葉を俺はのみこんだ。理解した、いや、理解させられたのだ。これをしたのが誰なのか。

その瞬間、背後から声がした。今の俺にはその声は、死神の声にしか聞こえなかった。


 「残りは、お前だけだぜ」

 
Side out

ふぅ、終わったか。そう思った俺は霧時雨の始解を解いた。

そして、腰を抜かしている指揮官のもとに近づいていった。しかし
 
 「来ルナァーーーーー」

指揮官の男はそう叫び、俺に炎の弾を放ってきた。俺はその炎の弾を軽く首を曲げ避ける。

俺に自分の技が通用しないことがわかると突然、ふざけたことをほざき始めた。

 「わ、わかった貴様に金をやろう!!女だって用意するだから俺を見逃してくれ」

俺が止まらないことに、気がつき男の口調は段々弱くなる。

 「そ、そうだお前にあの混ざりものをやろう(ピクッ)」

俺が反応したことに何を勘違いしたのか

 「俺を助けてくれるなら、あの混ざりものをお前の好きにさせてもらえるように頼んでやる、だから俺を見逃してくれ!!」

その言葉を聞いた瞬間、俺の心の中でドス黒い何かが騒ぎ始める。あいつが、朱乃が混ざりものだと、好きにしていいだと、フザケルナ!!まるで、朱乃を道具みたいに扱いやがって

 「そういえば、一つ欲しいものがあるな」
 「あ、ああ俺に用意出来るものなら何でも用意してやる!!さぁ、何が欲しい」
 「じゃあ」








 「お前の命をよこせ」
 「へ(スパン)」

間の抜けた声は発した瞬間、男の首が宙にとんだ。

 「朱璃さん、おわりまし た   よ」(バタン!)
 「一誠くん!!」

ああ、朱璃さん達を守れて良かった。あ、あれ体が動かない。

一誠が意識を失う前にみたのは、泣きながら必死に俺の名を呼ぶ朱璃さんの姿だった。
 

 「一誠くん!!一誠くん!!」
(グーグー)
 「あ、あらあら寝ていただけなのね」












 「んーー、ここ、どこだ」
 
俺が目覚めるとそこには、見知らぬ天井があった。

 (ガラガラ)
 「あっ、朱乃おはよう」
 「えっ」(バッシャーン)

ふすまを開き朱乃が入ってきたので、とりあえず、挨拶をすると、固まってしまい手に持っていた水の入った桶を落としてしまった。
 
そしてしばらく固まっていると

 「一誠くん!!」

突然、抱きついてきた。

 「えっ、突然どうしたの」
 
朱乃は答えなまま、しばらくの間、俺の胸に顔をうずめて泣き続けた。

そして、泣きやむと次はうつむいたまま、動かなくなってしまった。

 「あらあら、起きましたの」
 「朱璃さん、無事でしたか」
 「ええ、おかげさまで傷一つありませんよ」
 「よかったぁ~」

助けられて良かった。頑張って良かった。俺は朱乃達の笑顔を守れたのだ。

 「でも、心配したんですよ。あの後ずっと眠っているんですもの」

ん、ずっと寝ていた?・・・・・・ヤバい

 「朱璃さん!」
 「は、はいなんでしょう」
 「今、何時ですか!」
 「夜の8時ですけど」
 

夜の8時、ま、まずいとっくに門限をこえているは、はやく帰らないとお母さんが激怒する前に
 
 「朱璃さん、今日はもう帰ります」
 「えっ、ちょっと、待って」
 「説明なら明日しますから」

そして、俺は姫島神社かわ飛び出し全速力で家に帰った。

Side朱璃

 「あらあら、帰ってしまいましたわ、お礼をしたかったのですが」
 「朱璃、一誠くんはめざめたか?」
 「ええ」
 「なっ、どこだすぐにお礼をしなければ!!」
 「落ち着いて下さい、もう帰りましたわ」
 「か、帰っただと」
 
はぁ、この人はなんでこんなに慌ただしいんでしょうか?

 「ねぇ、ママ一誠くんは?」 
 「帰ったわよ」
 「ええ~、一誠くん帰っちゃったの」
 「それより、ずっと動かなかったけど何かあったの?」
 「//そ、それは//ゴニョゴニョ///」

あら、この反応はもしかして

 「一誠くんに惚れちゃった」
 「/////////」(ボンッッ、プシューー)
 「何だと!!許さんぞそんなことはいくら一誠くんでもゆるさん!!」

はぁ、全くこの人は娘の恋路の邪魔なんて野暮な人ねぇ。 

 「あ・な・た」ゴゴゴゴゴゴゴ
 「し、しかし」
 「あ・な・た」ニコニコ
 「ハイ」

 「はっ、この気配はなぜ奴がこの町に来ている。朱璃!!用事ができた、少し行ってくる」バサッ

そういい残し、あの人は堕天使の翼を広げいってしまった。


 (嫌な予感がする、頼む何も起こらないでくれよ)

Side out

 「兵藤 一誠ただいま帰りました。実は帰りが遅れたのは理由がありましてですね」

なぜ、返事がない。おかしい、何かがおかしい。俺は嫌な予感がしリビルグに駆け込むとそこには











腹から光の槍が刺さり血を流す両親の姿があった。 
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