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ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか

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転生しました

 
前書き
というわけでこれからよろしくお願いします

あと、スキル名とか魔法名とか詠唱とかに関する誹謗中傷はお止めください。
 

 
「で、だ。お前は死んだ。 分かったか?」

「いきなりのカミングアウトだな。 ……まぁ、うん。それは分かってるんだけど」

「敬語使えやコラ。こちとら神様なんだぞ?ああ?」

「神様がその口調は不味いでしょうに……」


俺の目の前であぐらを組んで浮いている(・・・・)金髪ピアスの神と名乗る痛いおと「てめぇ、誰が痛いだと?」

状況説明中にいきなりの胸ぐら捕まれた。なにこれ怖い。不良にされたらこんな風に思うのだろうか。

「いいか。俺は神様だ。それ以外の何でもない。そして、お前がそれを否定する権利もない」

「なんという理不尽」

とにかく、早く手を離してほしい。足がブラブラして首が痛……くない?

「当たり前だ」

未だに口調を直さないようであるが、手は離してくれた。
俺は下ろされて首の辺りを擦ってみたのだが、何てことはない。痛みなどさらさら感じない。
なにこれ、俺は超人にでもなったのか?

「いや、死人だから。てか、幽霊?みたいなやつだぞ」

「……人の思考回路に、ツッコミを入れないでくださいよ」

「ツッコミ入れられたことよりも、思考を読まれたことに驚けよな……」

はぁ、と深いため息をつく『自称』神さ「だから、自称でもなんでもねぇんだよ!」「プゲッ!?」

そこまで考えていたところで、俺の腹に蹴りが入った。
軽くぶっ飛ばされて尻餅をつく。
あれだ。ヤ◯ザキックだ。不良ではなく、ヤーサンだったのか!

「また蹴ってやろうか?あ?」

「それはちょっと嫌ですね……」

痛くはないが、精神的にくるものがある。

俺が蹴られた所を擦りながら(痛くはないけど、ついついやってしまう)姿勢をただすと、神様はよし、と頷きもう一度空中で胡座をかいた。
……よくよく考えたみれば、普通の人は浮かないものな

「ようやく理解したか。ったく、どうしてこう人間ってやつはめんどくさいんだよ。前回も、そして今回も」

「いや、前回に関しては俺関係ないでしょうに」

「あるね。あれもお前も、同じく人間だ。……と、そんな話をしに呼び出したわけじゃねぇんだよ」

そういうと、神様はパチンと指を鳴らした。
するとだ。いきなり神様の前の空間に一枚の紙が出現したのだった。
手品……には見えなかったな。多分、このDQN神様が神様だと言うことは本当なんだろう。

「……あとで殴る」

「なにそれ怖い」

だから、そのプルプル震えてる拳を開こうぜ?な?

「……もういい。それは後だ。今はやることだけをやる」

どうやら、落ち着いてくれたようで、一応怒りを沈めてくれた神様は手元の紙に視線を下げた。

「『灘波式(なんばしき)』……で合ってるよな」

「あ、はい。そうです」

「うし、なら問題ねぇな」

それだけいうと、神様は手元の紙を放り投げた。
紙はヒラリヒラリと舞い落ちる間に消滅してしまう。

「本人と確認できたならそれでいい。間違えてたら大変だしな」

「……あの、つかぬことをお聞きしますが、さっきのあれ、なにかいてたんですか?」

「あ?んなもんお前の個人情報に決まってんだろうが」

勝手に個人情報みてん……見ないでくださいよ

「神だから問題ない。ちなみに、今のにお前の死因とか載ってたんだが……聞いとくか?」

「……いや、いいです。自分がどう死んだとか、あんまり聞きたくないので」

気づけばここにいた。というよりも死んだ時の記憶が曖昧なのだ。
殺されたのかもしれないし、事故死かもしれない。もしかしたら自殺かもしれない……と、いろんな考えが巡りめぐるが、聞かない方がいいだろう。

「まぁ、見事にパチンッてなったしな」

「待て、なんだその効果音は?」

「プチッでも言い換えが可能だな」

「プチッ!?え、なに俺どうやって死んだのそれ!?」

もう怖くて聞けないよ!!聞くつもりなかったけどね!!

「落ち着け、めんどくさい。キャラ崩れてんぞ」

「あんたもな!」

その見た目でボケるキャラじゃねぇだろ!!

「まぁ、それよりもほんだいだ」

「まだ入ってなかったのかよ……」

「お前転生させるから。どうしたい?」

「私めに何かご用がお有りでしょうか神よ」

「一気に態度が変わったな……」

まぁいいけど、と呆れてため息をついた神様は変な子を見る目で俺を見ていた。
だがどうってことはない。転生?凄く胸が踊る言葉ではないか!
それならそうと、ここまでの無意味な会話を省いてくれてもよかったのに

「誰のせいだ誰の」

神様が何かをおっしゃられているが聞こえないなー
ともあれ、大事なのはそんなことではない。転生だ!

「はい!Fateの世界に行きたいです!」

「ん、了解。それも候補にいれとくわ。はい、これ」

そう言って、神様は懐から何かを取り出して俺に放り投げた。
落とすまいと慌てて受けとった俺はそれを見て頭に疑問符を浮かべた。

「あの、なんすかこれ」

「見てわかんねぇのかよ。ダーツの矢だよ」

「見りゃわかりますよ。なんでこんなの渡したんですか?」

ん、と無言で神様が俺の背後を指差した。
つられて振り返る。すると、そこにはいつの間にあったのか、ダーツ用の的があった。

「……え?あれで決めるの?希望通りとかじゃなくて?」

「おう。なんか上司が普通だと面白くないからってよ」

面白くないからって……てか、神様に上司とかいんのかよ

「おう、いるぜ。んじゃ、さっさと決めて、さっさと行けや」

的から五メートル程離れたところに立たされる。
もうここまできたら仕方ないと諦め、的に集中する。
よく見れば、先程俺が希望したFateもあった。が、いじめなのかなんなのか、その幅が極端に少ない。どれくらいかと言えば一センチないくらい。
そして、大半を閉める『学園黙示録』の文字

「どう見てもいじめだよね?」

「ま、他のやつもあるから楽しみにしとけ」

「無理だから!俺、死んじゃうから!」

「安心しろって。どれが当たっても、能力とか力は与えてやる」

「チェストォ!!」

投げたね。もう思いっきり投げたね!
後ろで調子いいよなお前とか呆れながら言われてるけど、そんなこと関係ないもんね!

一方のダーツの矢はというと、真っ直ぐに的に向かって飛び、見事に命中。
見たところ、学園黙示録は回避できている。

「お、『ダンまち』の世界か。よかったじゃねぇか」

「『ダンまち?』あれか?ダンジョンに青春ラブコメを求めるのは間違っているってやつか?」

「混ざってる。それ、作品が二つ混ざってるから」

冗談ですたい。

「けど、大まかな設定を知ってるくらいで細かいとこを知らないんですけど……」

「今更敬語かよ。まぁいい。 それはあれだ、上司の指示だしな」

「はぁ、見た目それでも、上には弱いんですね」

「しばくぞ」

「すんませんでしたぁ!!」

なんか、ものっそいドスの効いた声で言われた。怖いよ、この神様ほんと怖いよ!

「ったく、あんまし調子にのんじゃねぇよ。 んじゃ、早速能力決めるか。なにがいい?」

「はい! Fateの英霊の力がほしいです!」

「んじゃ、五つ引いてくれ」

今度は、どこからともなく現れた箱を差し出された。あれだ、籤引きの時のあれだ。
箱を見て固まる俺に、神様はどうした、ホレホレと早く引くように催促してくる。
……うん、わかってたよ。素直に好きなの選べないことくらい。

「一応聞きますけど、これ中身はFateのやつonlyなんですよね?」

「オンリーだけ無駄に発音いいな。安心しろ。そこは保証する」

良かった。それが分かっただけでも十分だ。

「でも、何で五つ?」

「魔法用の奴で三つに、スキル用ので二つだ。魔法は増えんが、スキルは今後のお前の過ごし方で気が向けば、また籤を引かせてやるよ」

あ、それと、と神様は続ける。

「三大騎士クラスの能力はスキル、魔法合わせても一つまでだ。出た瞬間、他のやつは消えるようになってる。 何故かは聞くなよ?俺にも上司の考えてることなんざわかんねぇんだからな」

つまり、三大騎士クラスの能力が一つに、他の四クラスの能力が四つと
まぁ、それでもかなりの厚待遇だ。そう思って俺は籤を引く。



で、以下がその結果だ。


《スキル 》 【武士英霊(アサシン)

Fate staynightのアサシンの力をそのまま投影(スキルも含む)
長刀を扱う技術
燕返し


槍兵英霊(ランサー)

Fate Zeroのランサーの力をそのまま投影(スキルも含む(が、黒の愛子(チャーム)を除く))
二槍流の技術



《魔法 》 【ナイトオブオーナー】

物質強化
物の私物化
効果対象を扱う技術の習得

【騎士は徒手にて死せず】


【ゴルディアスホイール】

召喚魔法
騎乗の技術
遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)

【来たれ神威の車輪】


【プレラーティーズ・スペルブック】

召喚魔法(ただし、召喚されるのは本である螺湮城教本)
海魔はLv2相当
召喚媒体の本が消えれば海魔も消える

【聖女を求め、狂った騎士は禁忌の術に手を染める】






と、まぁこんな感じだ。
いっとくけど、全部籤だからな!!征服王さんが出たときは嬉しかったけどな!!


「んじゃ、最初に使えるやつを選んどけ。そだな、二つだ」

「え?これ、最初から全部使えないの?」

「レベルが上がる度に一つづつだ。安心しろ。成長しやすいようにはしていてやるからよ」

「それじゃ、アサシンとバーサーカーので」

「あいよ」


さて、やるか、と今の今まで中に浮いていた神様が俺と同じく足で立ち、グルグルと肩を回していた。

「あの、やるって何を?」

「あ? んなもん、お前を向こうに送るんだろうが」

「あ、なるほどですね。 ……で?どうやって?」

「殴り飛ばす」

まさかの回答に反論しようとしたのも束の間、俺の腹に見事に神様の右ストレートが炸裂。
痛みはないが腹が何かに押し潰される感覚を感じながら俺は空?の彼方へと吹き飛ばされた。


「ういっしょ、転生完了ってな」





ーーーーーーーーーー




「っ~~~~~! いってぇぇぇぇ!!」

目を覚ますと、とんでもない腹痛に襲われた。
まるでプロボクサーに本気で殴られたような痛み……いや、それ以上だ。

「あ、の神様……! こんな話聞いてねぇよ……!」

しばらくそこら辺を転げ回っていた俺だったが、少しすると痛みも引き、自身の置かれた状況を確認できるくらいにはなった。

「転生できたってことは、あれがオラリオか?」

視線の先に見える大きな街。そして、その真ん中辺りから空へと真っ直ぐに伸びる白い建物。
記憶通りなら、あれが摩天楼(バベル)なのだろう。

「とりあえず、街に行って冒険者登録を……お?」

立ち上がろうとした時に、手に何かが触れた。
みると、そこにあったのは凡そ一・五メートル程の長さをもった鍔の無い刀。
Fate staynightのアサシン、佐々木小次郎の使用する刀である【物干し竿】

「こりゃ助かる」

早速拾い上げる。近くに刀を入れる袋があったため、それに入れて肩から下げた。
持ったときに分かったが、今の俺はあのアサシンの力がそなまま使えるようだった。
折角しまった刀だったが、俺はこれをもう一度取り出して構える

「秘剣 燕返し!!」

近場にあった木に向かって刀を振るう。
すると、木は見事に三等分に切断された。
一度に三太刀。見事である。

「魔法が使えないのは、まだ恩恵(ファルナ)を貰ってないから、とかそんな理由かな?」

スキルが使えるのは甚だ疑問だが、まぁ使えるならそれでいい。

この下界に降り立った神から授かる恩恵(ファルナ)
それと引き換えに下界の民は眷属(ファミリア)となる。
確か、経験値(エクセリア)とかいうので能力をあげるんだっけか?

ゲームみたいな設定だったのを思い出しながらオラリオへの道を歩く。
今気付いたのだが、俺の格好がまんま小次郎さんではないですか。
まぁいいや。格好いいし。

途中でモンスター(確か昔、摩天楼(バベル)がなかった頃にダンジョンから出てきたモンスターの末裔)を相手に軽い戦闘になったが、何てことはない。皆、一太刀で瞬殺であった。

どうやら、現代日本人であった俺でも嫌悪感とかはないようだ。神様が調整してくれたのかな?
なら好都合!と自身に言い聞かせた俺は、軽い足取りでオラリオの門をくぐった。


ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか?

結論、間違いであっても俺が認めない。以上
 
 

 
後書き
まぁ、そんなわけで、これからもニシュラ和尚の作品をよろしくお願いします 
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