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フレッシュ&スウィート フルーツプリキュア!

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団結力こそ最強の力なり
ラビリンス総攻撃再開
  第41話 目指せ!関東予選突破!!

 
前書き
 お待たせしました。ラブたち4人で結成したダンスユニット「クローバー」は、初めてダンス大会(オーディション)関東予選へ出場します。それに負けじと男子高生4人が「四色だんご」を結成して同じダンス大会関東予選に出場します。一方、ラビリンスでは、待望の最終怪物兵器「ナキサケーベ」カードが完成し、日本国へ向けて総攻撃を再開します。まず、サウラーとニューウェスターの2人がダンス大会会場の日比谷公会堂を襲撃します。 

 

 2009年11月23日赤塚公園 レッスン会場
 
 「別のダンス大会。」
 「はあ、前にラビリンスが現れてメチャクチャなっちゃたでしょ。それで、新たなダンスオーディションを事務所がくまなく探していたのよ。」
 「やったあー。」
 「ラビリンスの有事でなかなか開催されなかったけど、ようやくチャンスが巡ってきたね。」
 「エヘッ。」
 「どうする、参加する。」
 「もちろん。」
 「今度は4人で。」
 「また、レッスンがハードになるけど、ついてこられる。」
 「はい、ラビリンスとの戦いに決着していないけど、一刻も早く予選を突破したいです。」

 公園内でうろつくシフォンとタルトは

 「キュアーーアーーッ。」
 「コラッ、待たんかい。わいのドーナツやで。」

 レッスン会場

 「プリキュアもダンスも両方頑張ります。」
 「オーーーッ。」

 ラビリンス首都ピョンピョン内総統官邸謁見の間

 「イース、サウラー、ノーサー、ニューウェスター。」
 「ハッ。」
 「待望の『ナキサケーベ』カードが完成した。」
 「これまでより、より強力なパワーを生み出せる世界でたった1組の最強カードだ。4枚綴りである。
君たち4人に授けよう。不幸のゲージを満タンにしてみろ。」
 「ハッ。」
 「4人で4枚だから1枚ずつ分けるが良い。」
 「ハッ。」
 「但し。」
 「但しって何ですか。」
 「代償が必要となる。」
 「カードを使う者は激痛を受けるのだ。痛みに耐えられず最悪、命を縮める可能性がある。」
 「こんな痛み。耐えてみせます。」
 「全てはメビウス様のために。」
 「必ず、プリキュアを倒してみせます。」
 「この命に代えても。」
 「よくぞ言った。1人1回きりだからな。もうこれ以上、強いカードは作れない。4人共、頼んだぞ。」
 「ハッ。」

 高島平団地内トリニティの寮

 「ミユキは今晩、両親の実家へ行くって。」
 「そう、明日は実家から赤塚公園へいくそうよ。」
 「そうですか。」
 「ミユキ、もしかして、弟君に会いに。」
 「その通りよ。」

 四ツ葉町 知念家

 ミユキは柔軟運動している。
 「うっ、エーーーーッ。」
 「姉貴、ドライヤー貸して。」
 「ちょっと、ノックぐらいしなさいよ。」
 ミユキはドライヤーを持って大輔のところへ向かった。
 「はい。」
 「サンキュー。」
 「ドライヤー使うほどの髪の毛じゃないんじゃない。」
 「うっせえなあー。ちょっとした身だしなみだよ。」
 「ねえ、あと1ヶ月ぐらいでクリスマスど、ラブちゃんとデートの約束したの。」
 「イッ、.....。な、何だよいきなり。」
 「ちょっと、聞いてみただけよ。最も、ラブちゃんは今、ダンスの特訓で精一杯だから、それどころじゃないか。」
 「姉貴、あんまり無理させるなよ。また、前みたいにブッ倒れたらどうするんだ。」
 「あれは、ラビリンスの生物化学兵器のせい。」
 「本当にそうかよ。きっかけを作ったのは姉貴なんだぜ。」
 「分かっているわよ。あっ、そうだ。大輔もダンス大会出てみたら。」
 「はーーーい。」
 「そうすれば、ラブちゃんと一緒にいられるし。」
 「ちょ、ちょっと待った。いつ俺がラブと一緒に居たいって言ったんだよ。」
 「ダンスでカッコ良いところ見せれば、ラブちゃんも見直すかも。」
 「エエーーーッ。いや、でもー、....。デヘーーーッ。」

 翌日、四ツ葉高校昼食休憩

 「ダンス大会。」
 「そう言うワケだからさあーーっ。俺と一緒にダンスユニット組んでくれ。」
 「ちょっと待てよ。野球ばっかのお前が何でいきなり。何でダンスなんだよ。」
 「それに僕は、ダンスの経験は一度もありません。大会なんてとても無理です。」
 「分かったよ。じゃあ、ラブたちとダンスレンスンは俺と和希で行くわ。」
 大輔は携帯電話を出した。
 「ちょっと待てよ。」
 「和希と一緒にダンスするのか。」
 「ああー、連絡するぜ。」

 徳丸高校昼食休憩

 「ああ、大輔さんだ。」
 「もしもし、大輔さん。」
 「どうだ、一緒にダンスやらないか。姉貴にも会えるし。」
 「姉貴と一緒に居られるんですか。」
 「そうだよ、和希君。」
 「大輔さん、行きます。姉貴と話したいことがありますから。」
 「よし、決まりだ。放課後、赤塚公園へ来れるか。」
 「はい、行きます。」
 「じゃあ、放課後、公園へ向かってくれよ。」
 「はい。」
 通話を切られた。
 「和希君、来るんですか。」
 「そうだ。」
 「じゃあ、美希さんも一緒ですか。」
 「もちろんだぜ。」
 「では、山吹さんも一緒ってことですか。」
 「そう言うことになるな。」
 「それを早く言ってよ、大輔ちゃん。」
 「となれば、話は別です。」
 「よーーし、そんじゃ行くぞ、軟式野球部の退部届け出しに。」
 「オーーーッ。」
 大輔と裕喜は、ダンスのために軟式野球部を退部することにした。

 放課後、赤塚公園

 「裕喜君、和希君。」
 「はい。」
 「美希ちゃんは池袋駅前にあるダンス教室でレッスンを受けているわよ。」
 「健人君。」
 「はい。」
 「祈里ちゃんも池袋駅前よ。」
 「いつ頃合流しますか。」
 「本来ならば土曜日だけど、何とか赤塚公園へ来てもらうように明日頼んでみるわ。」
 「ありがとうございます。」
 「と言うワケでラブちゃん、今日から一緒に練習する。」
 「『四色だんご』でぇーーーす。」
 「エッ。」
 「四色だんご。」

 ドーナツカフェ

 「おっ、良いねえ。ダンシングボーイズ。おじさん、振り付けしちゃおっかな。あっ、閃いたでい。四色ドーナツ作ってみるでい。俺って天才、グハアッ。」

 翌日、赤塚公園

 池袋でレッスンを受けている美希、祈里、麗子の3人もここへやって来た。
 「て、言うことは。」
 「健人君たちもダンス大会に出場するの。」
 「はい。お互い頑張りましょう。」
 「よろしくでえす、皆さん。」
 「僕も頑張ります。」
 「よろしくーーーって。」
 「和希、やれるの。」
 「姉貴、やってみせます。」
 「美希さん大丈夫ですよ。信じてあげてください。」
 「分かったわ。」
 「私、信じてる。」
 「て、言うか。昨日も見たけど、本当にやれるの。」
 「エッ。」
 「それがその。」
 「だから、これからもっと上達しようと。」
 「俺をただの野球バカだと思うなよ。」

 四色だんご練習中

 「ヘェーーーーッ、健人君と和希君は微妙だけど。」
 「裕喜はそこそこ。」
 「大輔、なかなかやるじゃん。」
 「まあっ、あたしの弟だからね。」
 「それに比べ、あたしの弟はダメね。」
 「大輔君が踊れるなんて、聞いてないですよ。」
 「結局、俺たちは大輔の引き立て役かよ。」
 「ハアハア、しんどい。」
 「そんなの言わないで頑張ってみたら。」
 「上手くなって見返してあげなさいよ。」
 「フフッ。」
 「フーフー。」
 「そう言うこと。さあ皆、ビジビジ行くわよ。覚悟してね。」
 「はい。」
 こうして、オーディションへ向けて本格的なレッスンが始まった。
 まず平日、ラブと四色だんごは放課後、晴天時は赤塚公園で雨天時は西台駅前のスポーツクラブでレッスンを行った。続いて美希、祈里、麗子の3人は放課後帰り道、池袋駅前のダンス教室でレッスンを行った。続いて土曜・休日は、クローバーと四色だんごが赤塚公園(雨天は西台駅前のスポーツクラブ)でトリニティの指導のもと、オーディション向けの総合レッスンを行った。
 「大輔、ちょっとカッコ良いかも。」
 「よし、大会で優勝したら俺、ラブに告白する。」

 2009年12月5日土曜日 赤塚公園レッスン会場

 「皆、よく頑張ったわね。」
 「いよいよ明日ね。」
 「短時間で随分上達したと思うわ。」
 「今夜は、ゆっくり休んで。明日の予選では、結果を気にせず思いっ切り楽しんできて。」
 「はい。」
 「悔いの無いように。」
 「そしたら、結果がおのずと付いてくるものよ。」
 「じゃあ、今日のレッスンはおしまい。」
 「ありがとうございました。」

 ラビリンス総統官邸謁見の間

 「出撃のメドが立ったか。」
 「明日、僕とニューウェスターでダンスオーディション予選会場である、日比谷公会堂を襲撃します。」
 「そうか。」
 「情報では、彼女たちが熱心にダンスを習っています。だから、この予選に絶対に出場しているはずです。」
 「相分かった。行くが良い、サウラー、ニューウェスター。」
 「ハッ。」
 サウラーとニューウェスターは、謁見の間から去った。

 夜、蒼乃家美希の部屋

 「あたし完璧。」

 山吹家祈里の部屋

 「きっとうまく行くって。私、信じてる。」

 蓮根 赤木家麗子の部屋

 「絶対、突破してみせるわ。」

 四ツ葉町 桃園家ラブの部屋

 「グーーーッ。」
 「ダアーーーン、どうしよう。いよいよ、明日だよ。タルト、もう今から緊張しまくりで眠れそうにないよ。」
 「うーーーん、そない言うても。しっかり寝かんと明日の本番きついでぇーーー。」
 「はあーーーん。そんなこと言われたら余計、眠れなくなっちゃうじゃん。」
 「どないせっちゅうねん。」
 「ううーーっ。」
 「大丈夫、シフォン付いてる。」
 「うっ、シフォン。励ましてくれるの。」
 「ポワーーーン。」
 「ラブ、ネンネ。」
 「ありがとう、シフォン。何が寝れそうな気がしてきたよ。おやすみ。」
 「グーーーグーーー。」
 「ウフフフフフッ。」
 「シフォンにあやされるってどなやねん。」
 「キュアーーーッ。」
 
 翌朝、地下鉄赤塚駅

 「一足早く行ってあげないと、姉貴や大輔さんたちにご迷惑がかかる。」
 和希は霞ヶ関までのチケットを購入した。
 「さあ、行こう。」
 「スルッと、パッ。」

 新高島平駅

 「皆、集合したね。」
 「はい。」
 「今回のオーディション会場の最寄り駅は、日比谷じゃなくて内幸町だからね。途中、蓮根で麗子ちゃんが、白山で師匠とマネージャーが乗り込むことになっているからね。皆、よろしくね。」
 「はい。」
 「それじゃあ、ラブちゃんと男子高生の3人は、内幸町までのチケットを買って。他のメンバーはICカードだから、お金入っていない人はチャージして。」
 「はい。」

 地下鉄赤塚駅 プラットホーム

 「お待たせしました。1番線に小竹向原、池袋、新宿三丁目、渋谷方面、東急線直通横浜中華街行きが参ります。ホームドアから下がってお待ちください。ご乗車の際は足元にご注意ください。」
 「ゴオーーーーーーーッキューーーーーウーーーーーーゥーーーーーッ。プシュッ、ピンポンピンポン。」
 「ピンポン。」
 「地下鉄赤塚、地下鉄赤塚です。」
 和希は乗車した。
 「1番線は、渋谷行きです。」
 発車メロディが鳴った。
 「発車します。ドアにご注意ください。」
 「プシュッ、ピンポンピンポン。」
 「ピンポン。」
 「キューーーーーーッ。」
 「次は平和台、平和台です。」

 新高島平1番ホーム

 「ピンポポポピンポポポポロロ--ン。」
 「間もなく1番線に巣鴨、大手町、日比谷、目黒方面。目黒から急行に変わります東急線直通日吉行きが到着します。ホームドアから下がってお待ちください。」
 「フォン、ゴオーーーーーッキューーンキューーーンキューーーンキューーーンキューーーーウーーーーゥーーーーーーッ。プシュッ、ピンポンピンポン。」
 「御一行9人は乗車した。」
 「新高島平、新高島平。1番線は、目黒から急行に変わります日吉行き電車です。」
 「タンタンタンターアーーー、タンタンタンターアーーー。」
 「プシュッ、ピンポンピンポン。」
 「タタタタタタタンタタタタタタタン。」
 「ブーーーーッ、キューーーンキューーン。」
 「次は高島平、高島平。お出口は右側です。」

 6分後、蓮根駅プラットホーム

 「ゴオーーーッキューーーンキューーーンキューーンキューーンキュー。」
 「ラブちゃん、ミキタン、皆いるね。」
 「プシュッ、ピンポンピンポン。」
 「ピューーーッピューーーッ。」
 「おはよう、麗子ちゃん。」
 「麗子ちゃん、おはよう。」
 「皆様、おはようございます。」
 「タンタンタンターアーーータンタンタンターアーーー。」
 「プシュッ、ピンポンピンポン。」
 「タタタタタタタンタタタタタタタン。」
 「ブーーーーーッキューーンキューーン。」
 「次は志村三丁目、志村三丁目。お出口は左側です。」

 和希が乗車している地下鉄車内では

 「あっ、新宿三丁目のホームが見えて来た。」
 「お出口は右側です。」
 「キューーーーウーーーーーゥーーーーーッ、カクッ。プシュッ、ピンポンピンポン。」
 「ピンポン。」
 「新宿三丁目、新宿三丁目です。丸の内線、都営新宿線はお乗換です。」
 「着いたあ。丸の内線に乗り換えないと。」
 「発車メロディ『不思議のワルツ』が鳴った。」

 新宿三丁目 丸の内線プラットホーム

 「ここか、霞ヶ関方面は。」
 「お待たせしました。2番線に池袋行きが参ります。ホームドアから下がってお待ちください。ご乗車の際は、足元にご注意ください。」
 「ゴオーーーーッキューーンキューーンキューーンキューーンキューーーウーーーゥーーーッ。プシュッ、ピンポンピンポン。」
 「ピンポン。」
 「新宿三丁目、新宿三丁目です。」
 和希は乗車した。
 「2番線は池袋行き電車です。」
 発車メロディが鳴った。
 「ドアが閉まります。手荷物をお引きください。」
 「プシュッ。」
 「無理なご乗車はおやめください。」
 「ピンポンピンポン。」
 「ピンポン。」
 「ブーーーンキューーンキューーン。」
 「次は新宿御苑前、新宿御苑前です。」

 都営6300型3次車 急行日吉行き車内

 「あっ、白山のホームだ。」
 「うわぁ。」
 「師匠とマネージャーが一緒にいるよ。」
 「キューーーウーーーーゥーーーーーッ、カクッ、プシュッ、ピンポンピンポン。」
 「ピューーーッピューーーッ。」
 「師匠、マネージャー。」
 「おはようございます。」
 「皆さんおはよう。」
 「オーディション、頑張ってよ。」
 「はい。」
 「タンタンタンターアーーータンタンタンターアーーー。」
 「プシュッ、ピンポンピンポン。」
 「タタタタタタタンタタタタタタタン。」
 「ブーーーーッキューーンキューーン。」
 「次は春日、春日。お出口は左側です。都営大江戸線、東京メトロ丸の内線、南北線はお乗換
です。」

 東京メトロ丸の内線池袋行き車内

 「霞ヶ関に着く。」
 「お出口は右側です。」
 「キューーーウーーーーーゥーーーーーッ、カクッ。プシュッ、ピンポンピンポン。」
 「ピンポン。」
 「霞ヶ関、霞ヶ関です。」
 「さあ、着いたぞ。日比谷公会堂へ向かうぞ。」

 再び、日吉行き地下鉄車内では

 「次は内幸町、内幸町。お出口は右側です。」
 「もうすぐだね。」
 「やっぱり、緊張する。」
 「ラブちゃん。」

 1分後

 「キューーンキューーンキューーンキューーンキューーーーウーーーゥーーーーッ、カクッ。プシュッ、ピンポンピンポン。」
 「ピューーッピューーッ。」
 「さあ、着いたわよ。降りて降りて。」
 「はい。」
 地上へ出て
 「うわあ、レトロ。」
 「これが日比谷公会堂。」
 「和希、来ているかなぁ。東京メトロの地下鉄で行くって言ってたから。」
 「そう。」

 日比谷公会堂出入口付近

 「姉貴、皆さん。おはようございます。」
 「和希、早いわね。」
 「メトロの方が断然早いです。電車賃も安いし。」
 「いくらなの。」
 「230円。」
 「エーーーッ、そんなに安いの。」
 「私の乗る都営地下鉄は、310円もするのに。」
 「自治体が運営する公共交通は、高くつきやすいです。」
 「そうかあ。」
 「ところで、本番までどうすれば。」
 「皆様は、控室へ入って着替えてください。控室は男女別々にあります。それと、プログラム渡しておきますからね。この中に出場順番が記載されているからよく読んで。」
 「各自、最終練習は裏口から出て外でやってね。番号札渡しておくから、これを警備関係者に見せて出入して。」
 「はい。」
 「では、裏口から入るからね。」
 「はい。」

 オーディション関東予選本番

 「パチパチパチパチ。」
 「埼玉県代表オーロラウェーブの2人組でした。ありがとうございました。さて、次は東京都代表男子4人組『四色だんご』です。」
 「パチパチパチパチ。」
 「よしっ、こうなったら、もうやるしきゃねえ。」
 「うん。」
 「ええっ。」

 公会堂前

 「警備が厳重だわ。」
 「あの事件の影響か。」
 「イース様が如何にド派手なことをやらかしたか判るような気がする。」
 「国立競技場大破壊だからね。僕たちも指名手配の身。ここは、感づかれないうちに瞬間移動を。」
 「ハッ。」
 サウラーとニューウェスターは、携帯電話を出し例の操作を始めた。
 「日比谷公会堂ロビーへ。」
 「シューーーッ。」

 日比谷公会堂ステージ

 ダンスオーディションが進行中である。

 しばらくして

 四色だんごのダンスは終了した。
 「パチパチパチパチ。」
 「おっ、終わった。」
 「ドキドキでしたよ。」
 「お疲れ様。」
 「おっ、頑張れよ、ラブ。」
 「もちろん。」
 「次の出場チームは、東京都代表女子4人組『クローバー』。」
 「パチパチパチパチ。」
 「みんな行くよ。」
 「OK。」

 観客2階席

 「いよいよやでー。」
 「キュアー。」
 「来てたのか、タルト、シフォン。」
 「あれ、ナッツはん、お久しぶりどす。」
 「キュアー。」
 「不吉な予感がするから来た、ナッツ。」
 「また、ラビリンスでっか。」
 「間違いない、ナッツ。」

 同じ2階席にいるサウラーとニューウェスターは

 「本当ね。プリキュアたちがステージで踊ってるね。1人を除いて。」
 「審査員席も見ろ。」
 「あの3人はニュープリキュアの3人。」
 「そうだろ。6人雁首そろってるワケだ。」
 「ところでサウラー様、いつ決行するのですか。」
 「オーディション終了直前を狙おう。最中だと警備関係者や駆けつける警察も血相かいて来るからな。」
 「気が緩む時を狙うのね。」
 「そう言うこと。先に、繰り出してくれよ。ピンチなったら、僕が繰り出すことにするから。」
 「ハッ、サウラー様。」
 予選のダンスは全て終了した。

 結果発表

 「それでは、予選通過チームを発表します。まず、埼玉県代表オーロラウェーブ。」
 「キャアーーーッ。」
 「パチパチパチパチ。」
 「続いて、千葉県代表スピリチュアル。」
 「やった。」
 「キャーーッ。」
 「パチパチパチパチ。」
 「続いて、神奈川県代表メタモルフォーゼ。」
 「やったあー。」
 「キャーーッ。」
 「う、うっ。」
 「頼む、合格してくれ。」
 「そして、最後は東京都代表クローバー。」
 「パチパチパチパチ。」
 「はっあーー。」
 「キャハハハハハッ。」
 「やったあーーー。あっ。」
 「まっ、そう落ち込むなよ、大輔。」
 「精一杯やった結果ですから、仕方ないですよ。」
 「ダメだなー、俺って。クッ。」
 「大輔さん、元気出してください。」
 「エヘヘヘヘッ、デヘッ。」
 「大輔。」

 放送室出入口

 「フフフッ。ナキサケーベの材料は、この部屋の中にある物が良いねえ。スイッチ・オーバー。」
 「ボン。」
 ニューウェスターは放送室へ入って行った。

 放送室

 「あっ、君。」
 「勝手に入らないで。ここは関係者以外立ち入り禁止。」
 「ナキサケーベ1号、我に仕えよ。」
 「シューーーーッ、ペタッ。」
 「ドロドロドロ。」
 「いかん、緊急通報ボタンを押せ。」
 「ポチッ。」
 「ジリリリリリリリリリリ。」
 「ウゴーーーーッ。」
 「逃げろーーーー。」

 ステージ

 「では、予選通過チームは来年2月日本武道館で全国大会を。ん。」
 「ジリリリリリリリリリリ。」
 「ハアッ。」
 「あっ。」
 「ドーーーーン。」
 「キャーーーーッ。」
 「ウゴーーーーッ、ウゴーーーーーッ。」
 「ううっ、痛い。ヤレ、ナキサケーベ1号。」
 ナキサケーベ1号は奇妙な音を発した。
 「ラビリンスや。」
 「やっぱり、ナッツ。」
 「プリーーーッ。」
 「ここは逃げる、ナッツ。」
 「ラブ。」
 「ナキサケーベですって。」
 「いけないわ。この怪物は生物化学兵器併用よ。」
 「今の粉塵で少々、吸った可能性も。」
 「何だか分かんないけど行くよ。」
 ラブたち6人は一斉に、リンクルンを出し操作を始めた。
 「チェンジ。ダンシング・プリキュア、ヒーーーーートアーーーーッッップ。」
 6人は変身を終えた。
 「ピンクのハートは愛ある印。」
 「パンッ。」
 「もぎたてフレッシュ、キュアピーチ。」
 「ブルーのハートは希望の印。」
 「パンッ。」
 「摘みたてフレッシュ、キュアベリー。」
 「イエローハートは祈りの印。」
 「パンッ。」
 「とれたてフレッシュ、キュアパイン。」
 「真っ赤なハートは情熱の印。」
 「パンッ。」
 「摘みたてフレッシュ、キュアチェリー。」
 「グリーンハートは浄化の印。」
 「パンッ。」
 「とれたてフレッシュ、キュアメロン。」
 「ホワイトハートは誠実の印。」
 「パンッ。」
 「もぎたてフレッシュ、キュアココ。」
 「6色揃って真の幸せの証!フレッシュプリキュア!」
 「ううーーーっ痛い。やっておしまい、ナキサケーベ1号。」
 「ウゴーーーーーーッ。」
 「プリキュア・ウォーターシューーーート。」
 「プシュ、ピューーーーーー。」
 「ベチャベチャベチャベチャ。」
 「ウゴーーーーッ。」
 「ハッ。」
 「ハアーーッ。」
 「テヤーーッ。」
 「オラーーッ。」
 「ヤアーーッ。」
 「エイッ。」
 「バコボコボカドカバキバコン。」
 「ドスン。」
 「ウゴーーーーッ。」
 周りを濡らしているので、粉塵は上がらない。ナキサケーベ1号は立ち上がった。プリキュアの6人は一斉にジャンプした。
 「シックスフォールド・プリキュア・キィーーーック。」
 「バコン。」
 「ウゴオーーーーッ。」
 「ドスン。」
 「ハハハハハハッ、なかなかやるな。スイッチ・オーバー。」
 「ドロン。」
 「ナキサケーベ2号、姿を現せ。」
 「シューーーッ、ペタッ、コンコロローン。」
 「モクモクモクモク。」
 「うっ、痛い。」
 「ウゴーーーーーッ。」
 「何、あの怪物。」
 「イテテテテッ。ヤレッ、ナキサケーベ2号。」
 「そうは行くか。プリキュア・ウォーターシューーート。」
 「プシュッ。ピューーーーー。」
 「ウゴーーーーッ(気持ち良い)。」
 「このナキサケーベ2号はゲイキテエーをベースにしている。水を食らわすと余計元気になるだけだ。ウッ。」
 「何ですって。」
 「気にすることないよ。粉塵を巻き上げなけれは良いのだから。」
 「何、そこまで見抜いているのか。ウッ。ヤレッ、ナキサケーベ2号。」
 「ウゴーーーーーッ。」
 「ピュピュピュピュピュピュッ。グルグルグル。」
 「キャアーーーー。」
 「プリキュア。」
 「締め付けられるぅーーーー。」
 「ハハハハハハッ。2体おれば百人力よ。ウッ、ヤレッ、ナキサケーベ1号。」
 「ウゴーーーッウゴーーーーッ。」
 「キーーーーン。」
 「何、この不快音。」
 「ハハハハハハッ。もっと泣け、叫べ。ウウーーーッ。」
 「ウーーーッ、プリキュアを倒せ。」
 
 観客席出入口

 「頑張れ、プリキュア。」
 「早くなんとかしないと皆が。」
 師匠は、ナキサケーベ1号の後を見渡した。
 「バーーン。」
 「あれだ。」
 「師匠。」
 「止めないで。」
 師匠は、ナキサケベー1号の後ろを登り始めた。そして....
 「エイッ。」
 「ブチッ。」
 「ウゴーーーッ、ウゴウゴウゴ。」
 「ハッ。」
 「動けなくなったわね。」
 「やるわね、師匠。」
 「弟子たちを想う気持ちがあるからよ。」
 「流石、師匠。」
 「まだ、もう1体いるわよ。」
 「こうなったら集中攻撃よ・」
 「OK。」
 「キィーーーッ。」
 ベリーは、キュアスティックを呼び出す操作をし始めた。
 「ウゴーーーッ。」
 「ピュピュピュピュッ。」
 「プリキュア・ウィンドーカッター。」
 「シューーーン、バキバキバキバキッ。」
 「ウゴーーーッ。」
 「トオー。」
 「ベリーはキュアスティックを受け取った。」
 「響け。希望のリズム、ベリーソード。チェンジ。」
 「ミドシラ、カチャッ。」
 ベリーソードの刃が変化した。
 「テヤーーーッ。」
 ベリーはナキサケーベ2号へ向けて突進し始めた。
 「何をする気だ、ううっ。」
 「ベリー・一刀両断。」
 「ブーーーン、バギッ。ミシミシミシッ。」
 「ウゴオーーーーッ。」
 「ドスン。」
 「ううーーーーっ、なんて奴だ。」
 「皆、ナキサケーベ1号の上に登って。」
 「挑発して誘い込みよ。
 「OK。」
 プリキュアの6人は、ナキサケーベ1号の上に乗って誘導始めた。」
 「やーーい。」
 「ここよ。」
 お間抜けさん。」
 「ウゴ、ウゴーーーーッ。」
 「ピュピュピュピュッ。」
 「ヒョイヒョイヒョイヒョイヒョイヒョイ。」
 「グルグルグルグルッ。ベタッ。」
 「ウゴーーーーッ。」
 ナキサケーベ1号は、ナキサケーベ2号の枝に絡まれてしまった。」
 「ブーーーン、ドカーーン。」
 「ウゴーーーッ。」
 「ウゴーーーッ。」
 「今よ、キュアココ。」
 「OK。ココ・ボーーーンド」
 「プシュッ、ピューーーーッ。」
 「ベタベタベタベタッ。ネバーーーッ。」
 「ウゴオーーーーッ。」
 「ウゴーーーーッ。」
 「ミ、カチャッ。」
 「再び、あたしの番よ。プリキュア・ブリザーーード・フレーーーーッシュ。」
 「ピュウーーーーーーーー、ガチガチガチガチ。」
 ベリーはベリーソードを引っ込めた。ナキサケーベ1号、2号共氷漬けにした。
 「取り囲むわ。」
 「OK。」
 「レディーーー・ゴーーー。」
 「タッタッタッタッタッタッタッタッ。」
 「ミコン、ミコンミコンミコンミコンミコン。ブーーーーーッ。」
 「皆、ブザー切って。」
 「OK。」
 「悔しいーーー、うっ。」
 「ダメか、ううーーっ。」
 「正義の女神よ、私たちに力を貸して。」
 チェリーは大きく右腕を上げた。

 スウィーツ王国首都アラモード内ナノ研究所

 「よし、クローバーボックス改が蓋が開いて自動作動し始めたぞ。」
 「キーーン。」

 日比谷公会堂観客席

 チェリーは、大きく両腕を広げた。
 「プリキュア・フォーメーション。」
 すると、メロンリンクルンに着信と点滅が入った。
 「キィーーーン、バーーン。」
 「クリーンストーク、セット。」
 メロンは、ナキサケーベ1号・2号の頭上めがけて天高くクリーンストークを放り投げた。
 続いて、他の5人にも着信と点滅が入った。
 「キィーーーン、バーーーン。」
 「プラスワン、ハートリーフ。」
 「プラスワン、ブレアーリーフ。」
 「プラスワン、エスポワールリーフ。」
 「プラスワン、リムーブリーフ。」
 「プラスワン、ラブリーリーフ。」
 5人は同時に、各リーフを敵頭上めがけて天高く各リーフを放り投げた。
 「ピューーーーーッ、カキーーーン。」
 クリーンストークと各リーフが磁力の力でもって合体し、五つ葉フレプリ紋様を形成し肥大化し始めた。
 「ビュンビュンビュンビュンビュンビュン。」

 ナノ研究所

 「よし、ジェット噴射だ。」
 「ポチッ。」

 観客席

 「ボン、ゴオーーーーーーッ。」
 「紋様の上へ来たわ。」
 「全員、着地の態勢を。」
 「OK。」
 「パタッ。」
 「ウッ。」
 「キーーーン。」
 メロンは、中央のグリーンダイヤの上に着地した。そして、グリーンダイヤは光った。
 「パタッ。」
 「ウッ。」
 「キーーーン。」
 続いて、チェリーがレッドハートの上に着地しレッドハートが光った。
 「パタッ。」
 「キィーーン。」
 パインがイエローハートの上に着地した。
 「キィーーン。」
 イエローハートが光った。
 「パタッ。」
 ベリーがブルーハートの上に着地した。
 「キィーーン。」
 ブルーハートが光った。
 「パタッ。」
 キュアココがホワイトハートの上に着地した。
 「キィーーン。」
 ホワイトハートが光った。
 「パタッ。」
 最後、ピーチがピンクハートの上に着地した。
 「キィーーーン。」
 ピンクハートが光った。その後、下降し始めた。
 「皆、揃っているね。」
 「はい。」
 「メロン、また行くの。」
 「はい。では皆さん、お先に。」
 「パタッ。ピュウーーーー。」
 「ツカッ、ツカッ。」
 「ウゴーーーーーッ。」
 「ツカッ。」
 メロンは、ナキサケーベ1号・2号の脳天をヒールで踏みつけた。その後、離れた間合いで地面に着地した。更に、リーフが地面の降りて来た。リーフが地面に付く直前、メロンもリーフを踏んづけた。そして.........
 「ラッキー・クローバー・グランド・フィナーレ!」
 「シューーーーッ、カキン。」
 「ハアーーーーーーーーーーッ。」
 「ドカーーーン。」
 「ウゴオーーーーーーーッ。」
 「シューーーン。」
 ナキサケーベ1号は成仏し昇天した。
 「パン、パンパン。」
 ナキサケーベ2号は成仏せず消滅した。
 「やったあーーー。」
 「サウラー、ニューウェスターよ。よくやった。不幸のゲージが満タンになったぞ。」
 「あの声は。」
 「メビウス。」
 「あっ、あの痛みから解放されたぞ。」
 「サウラー様。」
 「引き上げるぞ。」
 「シューーーン。」
 「しまった。」
 「逃げられた。」
 「不幸のゲージが満タンになったって。」

 ラビリンス総統官邸内執務室

 「見よ、クライン。」
 「ハッ。」
 「GPSにスウィーツ王国の航空写真が映ったぞ。」
 「本当だ。」

 スウィーツ王国ナノ研究所地下室

 「ウーーーッウーーーッ。」

 ナノ研究所

 「しまった。インフィニティが警告音を発している。」
 「所長。」
 「大変です、地下金庫に保管してあるインフィニティが反応しております。」
 「やっぱり、ラビリンスに突き止められてしまいました。」
 「それだけではないだろ。封印は明らかに解かれている。早急、国王と長老に知らせよ。」
 「はい。」

 日比谷公会堂観客席

 戦いを終えて、警察から事情を聴かれたキュアピーチだけが、そのままの姿で残っている。他のメンバーは女子トイレなどで変身を解いている。
 「不幸のゲージは満タンになってしまった。」
 「ラブちゃん。」
 「今は1人にしてあげた方が。」
 「でも、いつまでもあの姿じゃ。」
 「ああっ。」
 「大輔が姿を現した。」
 「あっ。」
 「ピーチさん。」
 「ああーーっ。」
 他の5人は隠れた。
 「あんな化け物やっつけちゃうなんて、やっぱすげえっすね、プリキュアは。」
 「全然すごくなんかないよ。全然ダメ。」
 「そんなことないっすよ。あーーっ。ダメダメなのは俺の方だ。本当は俺のダンス大会で優勝したら、ラブに好きだって言おうと思ったんです。」
 「ああーーーっ、あっ。」
 「だから、絶対負けられねえって一生懸命練習したはずなのに、予選すら通らなかった。だから俺、ダメダメなんです。」
 観客席出入口にタルト、シフォン、ナッツが姿を現した。
 「大輔はん、いくら何でもタイミング悪過ぎや。」
 「本当だナッツ。」
 「プリーーッ。」
 「あれ、どうかしましたか。」
 「ごめん。」
 ピーチは別の方向から去って行った。
                         完
 
 
 
 
 

 
後書き
 予選の結果は有効と判断され、来年、日本武道館で開催される全国大会へクローバーは出場します。
 2体出しても敗れてしまったラビリンス!ナキサケーベカードはあと2枚です。次は誰が使用するのか。イースかそれともノーサーか。それは次回で。 
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