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大陸の妖精

作者:sinの妖精
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アルトvs.エバーグリーン


アルトがエバーグリーンと対峙していた同時刻




フェアリーテイルギルド内



【バトル・オブ・フェアリーテイル 残り3人】



「残り三人だけじゃと!!?」


マカロフが空中に現れた文字を見て驚く


最初は100人以上いた魔導士もわずか一時間半で残り3人となっていたからである



「三人・・・アルトを除くとあと二人か・・・」


「何でオマエまで出れねーんだよ、マネすんじゃねー!!」


「知るか」


「ハラ減ってきたじゃねーかコノヤロウ!!!」


「それは本当に知らんわ!!!」


激しい言い争いをするナツとガジル


それを見たマカロフが冷や汗を流しながら呟く



「・・・二人?」


「「!?」」


二人に視線を移すマカロフが叫びだす



「こいつ等の事かぁーーーっ!!!?」


「オイラは頭数に入ってなかったのかーーー!!!」


人数に数えられてなかったハッピーは、かなりのショックを受けた



「(同士討ちや雷神衆の手によってフェアリーテイルの魔導士がアルトを残して全滅したというのか・・・流石のアルトも雷神衆全員と戦った後、ラクサスを倒す事などほぼ不可能・・・)」


そしてマカロフは石化したエルザたちに目を向ける



「(せめて石化したエルザたちが目覚めてくれれば・・・)」


そんな事を考えていると、空中に新たな文字が浮かび上がる



【アルトレアvs.エバーグリーン 戦闘開始】



「!!」


その文字にマカロフたちが注目する



「アルトとエバーグリーンが戦ってるんだ・・・!!」


「なーに、アルトなら楽勝だっつーの」


「だがもし負けちまえば、その時は もう戦う奴がいなくなっちまうんだろ?」


ガジルが文字を見上げながら言う


それを聞いたナツが石化したエルザたちに目を向ける



「仕方ねえ、エルザを復活させるか!!!」


「「「何!!!?」」」


「あーあ、せっかくエルザを見返すチャンスだったのになァ」


「ちょ・・ちょっと待たんかいっ!!おまえ・・・どうやって・・・!!?」


マカロフが焦りながらナツに問う


するとナツはしれっとした顔で言った



「燃やしたら溶けんじゃね?石の部分とか」


「やめーーーい!!!!」


ナツのとんでもない提案に思わず叫ぶマカロフ



「やってみなきゃわかんねえだろ」


「わかるわい!!!よせっ!!!エルザを殺す気か!!!」


マカロフの言葉を聞かずに、ナツはエルザの体全体を火でこすり始める



「ナツ!!!火でこするでないっ!!!」


「つーか・・・てめ・・・手つきエロいぞ・・・」


しばらくこすると、とんでもない事が起きた


パキッという音と共にエルザの額にヒビが入ったのだ



「・・・・・!!!!」


この事態にナツたち全員が驚愕の表情を浮かべる



「しまったー!!割れたー!!ノリだノリ!!ハッピーノリー!!」


「あいさー!!」


「バカヤロウ!!そんなんでくっつくか!!?オレの鉄をてめぇの炎で溶かして溶接するんだ!!」


「貴様らーーーっ!!!」


ナツとガジルが慌てて応急処置を試みる


だが、どの案もグットアイデアとは言えず、その光景を見たマカロフが呆れた様子で怒鳴る



そうこうしている内にも、エルザのヒビは大きくなり、広がっていく



「ひぁーーーっ!!!!ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい!!!!」


今にも砕けそうなエルザに対し、必死に謝罪し続けるナツ


両手のひらを合わせ何度も頭を下げていた


次の瞬間、石像と化したエルザの体は完全に砕け散った




・・・かのように見えたが違った


エルザの石化が解け、何事もなかったかの様に上体を起こした



「熱い・・おまえかナツ」


怒りに満ちた視線をナツにぶつけるエルザ



「何をするかーーー!!!!」


「ぐほぉ」


「ギヒャ」


その直後、近くに立っていたガジルを含め、ナツを殴り飛ばした



「エルザが復活したーーー!!!!」


石化前と変わらず元気なエルザを見たハッピーが笑顔で叫ぶ


するとマカロフが怪訝そうな表情で言う



「エルザ・・・しかし何故・・・」


「それが私にも・・・もしかしたらこの右眼のおかげかもしれませんが・・・」


エルザは現在、ポーシュリカが作った義眼を右眼に埋め込んでいる


その眼のおかげで「石化眼(ストーンアイズ)」の魔力を半減する事が出来たのだろう



「エルザ・・今の状況わかる?」


「ああ・・・全て耳に入っていた」


魔力を半減していたおかげか、エルザは石像になっても意識があったようだ



「(いける!!!反撃の時じゃ!!!)」


希望を持ったマカロフが握り拳をつくって笑みを浮かべる



「私が復活した事で残り人数も律儀に変わるという訳か、凝った事を・・・」


エルザは空中に書かれた文字を見ながら言う



【残り4人】



「この4人はアルトとナツ、エルザとガジルの事だね」


ハッピーがそう言った時、残り人数が一人増えた



【残り5人】



「!」


「増えた」


「誰だ!!?」


マカロフは慌てて辺りを見渡す



「皆・・・石のままじゃ、一体・・・」


辺りに復活した人間がいない事を確認するマカロフ


すると何かに感づいたエルザが口元を吊り上げ、笑みを浮かべる



「どうやらあの男も参戦を決めたか・・・」




フェアリーテイルもう一人の最強候補 ミストガン。



















その頃、マグノリアの街では爆撃音が鳴り響いていた



「メテオ・ウィザスター!!」


アルトの攻撃を軽くかわしたエバーグリーン


体を一回転させ、アルトの体全体に粉を振り掛ける



「何だこの粉・・・!?」


「妖精爆弾グレムリン!!!!」


その直後、粉が大爆発を引き起こし、アルトを完全に飲み込んだ



「はぁっ!!」


「!!」


衝撃波を拡散させ、粉と爆撃を同時に吹き飛ばすアルト



「アース・クライツ!!」


拳を握り、エバーグリーンへと放つが、またもや簡単によけられる


避けられた拳は民家の煙突に激突し、煙突は跡方もなく砕け散った



「やるわね、アルト」


「それよりもいいのかよ?もし俺がお前を倒せば石化した皆を元に戻せるぞ」


「できるかしら?」


メガネを上げ、アルトに目線を合わせようとするエバーグリーン



それを見たアルトは急いで目を瞑る


更に両腕を顔の前に当て、エバーグーリンの視線を完全に遮断する




「目を瞑ったまま私に勝つつもり?」


「!?」


目を瞑ったアルトの体の周りに先ほどと同じ粉が振りかかる



「妖精爆弾グレムリン!!」


「ぐぁあああ!!」


すさまじい爆撃がアルトを襲う



「悪いけど、このままいかせてもらうわよ!」


エバーグリーンが宙からアルトへ急接近する



「そう簡単にいくかよ!!」


「!!?」


しかしアルトはエバーグリーンの接近をかわし、そのまま蹴り飛ばした


蹴り飛ばされたエバーグリーンは驚きながらも体制を立て直し、アルトに視線を向ける



「な・・何故、目を瞑っているのに私の居場所が・・・!?」


「ウィブラル・バイン・・・今の俺の周りにはごく微量の振動波が発せられている」


「振動!?」


「振動波が不自然に曲がった場所がお前の居場所だ!!」


そう言ったアルトは、目を瞑ったままエバーグリーンへ向かいまっすぐに走っていく



「砕破掌!!」


「妖精爆弾グレムリン!!」


走ってくるアルトの行く手を爆弾で遮るエバーグリーン


しかし、アルトはそれを上手くかわし徐々に距離を詰めていく



「うらぁっ!!」


「くっ・・!!」


エバーグリーンはアルトの拳を扇子で受ける


しかし当然ながら力に押され、後方へ吹き飛ぶ



「メテオ・マグナム!!!」


「マズい・・!!」


拳を模った衝撃波を放つアルト


それを見たエバーグリーンは慌てて宙へと飛びあがり、アルトの攻撃をかわした



「(くっ・・純粋な格闘じゃアルトの方が一枚上手・・!!?)」


焦っていたエバーグリーンだが、すぐに冷静さを取り戻す


そして目を瞑ったアルトを見て笑みを浮かべる



「だけど魔法の技術なら私の方が何枚も上手(うわて)よ!!」


両腕をクロスさせ、アルトの方に体を向ける



「妖精機銃レブラホーン!!!!」


「!!」


エバーグリーンが放った魔法を振動により察知するアルト



「(振動の乱れが複数・・50・・100・・200・・って何だこの数!!?)」


飛んでくる魔法の数に驚愕したアルトは、慌てて後ろへ下がる



「うぉおおおわぁあああ!!?」


次々と周りの建物を破壊する音が聞こえる


屋根の上から建物の上に飛び退き、魔法をかわすアルト



「どこまで逃げ切れるかしら?」


うすら笑みを浮かべながら、逃げるアルトを観察するエバーグリーン



「くそっ・・・よけきれねぇ数だ!!」


すると不意に、魔法針の一つがアルトの右足を貫く



「痛っ・・・!!」


動きが鈍ったアルトを無数の針が襲った



「この無数の針・・・かわしきれなかったようね♪」


エバーグリーンが扇子を広げ、勝利を確信した様子で笑う


しかし、途中である事に気づき、焦りの表情を見せる



「!!!?」


アルトを襲う無数の針は、刺さっているのではなく、弾かれていたからである



「アース・クライツ!!!!」


目を見開いたアルトが衝撃波で全ての針を弾き、撃ち落とす



「やっぱ目が見える方が戦いやすい!」


ニヤリと笑みを浮かべるアルト


その光景を目にしたエバーグリーンも同じく笑みを浮かべて言う



「あの数の針を弾いて防ぎきるなんて、流石じゃない♪」


そう言うと、再び両腕をクロスさせる



「でも・・『倍』ならどうかしら?」


「!!」


次の瞬間、先ほどの倍数の魔法針が放たれる



「ちっ!!」


アルトはそれを弾きながらエバーグリーンへ向かって走り出す



「うぉおおおおお!!!」


「そぉれっ」


接近してくるアルトから逃げるように、他の建物へと飛び移るエバーグリーン


同時に更に魔法針の数を増やして放つ



「ぐあっ・・!!」


エバーグリーンを追いかける最中、魔法針がアルトの腕や足をかすめる


先ほど貫かれた右足のダメージと合わせ、徐々にアルトの走力が失われていく



「このっ・・!!」


「あはははっ!!!私の勝ちよ、アルト!!!」


針に埋め尽くされていくアルトを見て、高笑いするエバーグリーン



「ギルガ・ファングバイトォ!!!!」


「!!!!」


牙を模る巨大な衝撃波が無数の魔法針のほとんどを飲み込み、打ち砕く



「バ・・バカな・・!!!」


エバーグリーンは、その光景に驚愕の表情を浮かべる



「エバァアアアグリィイイイン!!!!」


「ひっ・・いやあああ!!!」


アルトは残った針を拳で撃ち落とし、エバーグリーンを壁に追いやる


そして真剣な眼差しを向け言う



「お前でもフェリーテイルの仲間である事に変わりはない・・・取って食うような真似はしないさ」


「っ・・・・!!」


「だから早く石に変えた皆を戻してくれ、お前にとってもエルザたちは大切な仲間のはずだ」


アルトが石化の解除を要求する



「うふふ・・・ちょっと甘いんじゃないの?」


エバーグリーンは追いつめられているというのに何故か笑みを浮かべていた



「私の石化眼(ストーンアイズ)にはもう一つの力があるのよ」


「もう一つの力・・・?」


「遠隔操作」


口角を吊り上げ、能力を口にするエバーグリーン


すると目を見開き、アルトを威嚇するように叫ぶ



「服を脱ぎなっ!!素っ裸で私の前に跪いて私の下僕になると誓うんだよ!!さもないと今すぐ石化してる女どもを粉々に砕いてやるよ!!」


「・・・そっか」


アルトは呆れた様子で首を左右に振る


そして次の瞬間、とてつもなく大きな魔力がアルトの体から噴き出した



「どうやら口で言っても分からねェみたいだな」


「え・・・?」


そう言ったアルトは右拳に衝撃波を集中させる


その際、アルトから溢れだす魔力によって建物の地盤が揺れ、大きな亀裂ができていた



「今すぐ皆の石化を解け・・・これ以上くだらねェ真似するんなら、いくら同じギルドの仲間といってもただじゃおかねえ!!」


拳を構え、まっすぐ前を睨みつけるアルト


それを見たエバーグリーンは滝のような冷や汗を流した



「きゃあああああ!!!!」


マグノリア中に悲鳴が響き渡る



「遠隔操作なんて見え見えの嘘は意味ないよ」


「ま・・参りました」


放たれたのは超巨大な衝撃波・・・ではなく、ただのデコピン


腰を抜かしたエバーグリーンはその場に座り込んだ



【アルトレアvs.エバーグリーン 勝者 アルトレア】




 
 

 
後書き
とりあえずエバとの絡みは後回しという事で・・・(汗)

 
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