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小鳥のぬいぐるみ

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第二章

「あらかた読んだし」
「ネットの方もだよな」
「面白い作品も探してるけれど」
「目に入る作品はか」
「あらかた読んで。ゲームも」
「飽きてきてるしな」
「ずっとやってるから」
「勉強もそればかりしているとな」
「嫌になるし。暇潰しにお菓子を食べていると太るから」
 セーラも女の子だ、肥満には気をつけているのだ。まして運動が不得意で外に出られないだけに余計にである。
「だからね」
「他に趣味を一つ持ってな」
「そっちで時間を潰せばいいのね」
「外に出られないからな」
 ヘルマンも窓の外を見て言った、かなりの量の雪が風の中に降っている。まさに吹雪だ。
「それじゃあな」
「寝るか新しい趣味を見付けるか」
「どっちかだよ」
「私昼寝も好きじゃないし」
 夜寝るものだと思っているからである、それで昼寝もしないのだ。
「だからね」
「それじゃあ一つしかないな」
「ぬいぐるみでもね」
「作るべきだな」
「ええと、針と糸はあるし」
「布とかボタンとか綿もな」
「お家にあるから」
 そういったものもあるからだった。
「それじゃあ」
「何か作るか」
「そうするわ、それじゃあ最初に作るのは」
 何にしようかとだ、セーラはそのことも考えてだった。
 少し考えてからだ、こう兄に言った。
「小鳥作るわ」
「小鳥のぬいぐるみか」
「そう、黄色いね」
「黄色っていうとカナリアか」
「私カナリア好きだから」
 それで最初に作るぬいぐるみはというのだ。
「それにするわ」
「そうか、それじゃあな」
「ええ、早速作るわね」
「今からか」
「暇だから」
 今もそうだからだというのだ。
「早速するわ」
「針で指とか突かない様にな」
「それは気をつけてするから」
 兄にこうも言ってだ、早速だった。
 セーラはぬいぐるみを作りはじめた、黄色い布を出してその布で綿を包んでだった。
 針と糸を使ってぬいぐるみを作っていく、目はボタンで作り羽根や足もちゃんと作りアップリケも付けてだった。
 一つ一つ手順を守ってぬいぐるみを作っていった。一週間程時間をかけて作ってからだった。ヘルマンに見せた。
 ヘルマンはその時家の一室で自転車のl機械を使っていた、それでトレーニングをして汗をかいていたが。
 妹のぬいぐるみを見てだ、足を止めてこう言った。
「いいじゃないか」
「上手に出来てる?」
「ああ、結構な」
「そう、兄さんが見てもなのね」
「よく出来てるよ」
「はじめて作ったけれど」
「セーラは元々手先が器用だからな」
 それで、というのだ。
「よく出来てるよ」
「それじゃあまた作ってみるわ」
「今度は何を作るんだ?」
「そうね、カナリアを作ったし」
 セーラはぬいぐるみを手にしたまま微笑んで言った。
「今度は猫にするわ」
「猫か」
「猫も好きだから」
 それで、というのだ。 
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