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極楽トンボ

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第三章

「深刻になるよりも」
「上機嫌の方が気分もいいし」
「それにです」
 さらに言うキャロルだった。
「落ち込んでるとそれだけで嫌な気持ちになるんで」
「余計になのね」
「元々明るい性格をさらに」
 努力して、というのだ。
「明るくさせてます」
「そういうことなのね、明るくね」
「努力してでも」
「そうしているのね、キャロルって」
「そうなんですよ」
「それでも落ち込むことあるのね」
 その言葉からだ、マリアはそのことを察して言った。
「さっき言ったけれど」
「そうした時もあります」
「それでもなのね」
「落ち込むことがあっても」
 それでもというのだ。
「上機嫌になる様にしています」
「笑顔になって」
「そうしています」
「じゃあお酒を飲んでも」
「明るくなれますんで」
「じゃあ今日はね」
「はい、一緒に飲みましょう」 
 こう言ってだ、キャロルはマリアとこの日は上機嫌で飲んだ。そうして酒を楽しんだが帰る時にであった。
 ふとだ、キャロルはマリアにだ、こんなことを言った。
「ワールドカップですけれど」
「ああ、そろそろはじまるわね」
「スコットランドどうでしょうか」
「あれっ、キャロルって」
「実はスコットランド生まれでして」
「それでなのね」
「サッカーはスコットランド応援してます」
 それで、というのだ。
「サッカーの方も」
「スコットランドがどうなのか」
「別に独立とかはいいですけれど」
 政治的なそれはというのだ。
「ただ」
「サッカーのことは」
「ラグビーもですけれど」
「スコットランドが勝つかどうかがなのね」
「凄く気になってます」
 こうマリアに言うのだった。
「どうでしょうか、今回は」
「どうかしらね、最近ね」
「予選敗退ばかりで」
「決勝まではね」
「いってないですから」
 それでとだ、キャロルは言うのだった。
「心配しています」
「じゃあスコットランドが負けたら」
「正直その時は落ち込みます」
 まさにそうした時はというのだ。
「勝てばいいですね」
「そうね、私はイングランドだけれどね」
 それでもと言うマリアだった。
「スコットランドの勝利もお願いするわ」
「有り難うございます」
「イングランドとの試合以外はね」
 流石にこの時は無理にしても、というのだ。
「けれどお互いに決勝まで行きましょう」
「絶対に」
 こうしたことを話してだった、二人はこの時はそれぞれの家に帰った。そしてワールドカップの予選がはじまると。
 キャロルは店でだ、マリア達にいつも言った。
「今回はです」
「スコットランドがなのね」
「勝ちますよ」
 こう期待している笑顔で言うのだった。
「絶対に」
「まあね、今回は強いみたいね」
「これまでで最強です」
 そのスコットランドチームがというのだ。
「ですから絶対に」
「勝てるっていうのね」
「そうなりますから」
 それで、というのだ。 
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