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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第百三十話 夜天の魔導書

 
前書き
夜天の魔導書の彼女を救済します。 

 
ヴェノムヴァンデモンが繰り出した魔法が半径100mまで広がった。






























大輔『危なかったぜ。サンキュー、フェイト。』

フェイト『うん。でもどうしたの大輔?急に止まって?』

大輔『いや…』

魔法が繰り出される瞬間、大輔の頭の中に響いてきた声。
深い深い悲しみに染まった声。
“助けて”という言葉。
これはどういうことなのだろう。

賢『何とかして、奴を倒さなくては』

大輔『倒す…か…』

全員【?】

大輔の呟きに全員が不思議そうに大輔を見つめる。

大輔『いや、何でもない。行くぞ』

全員がヴェノムヴァンデモンに突撃した。






























そしてはやては艦橋に着く。
はやてに気づいたエイミィが目を見開いた。

エイミィ「はやてちゃん。どうしたの?」

はやて「エイミィさん。あのデジモンは何なんや?」

はやての質問に少しだけ悩むが、闇の書の主である彼女には知る権利があるだろうと、エイミィがはやてに説明をする。

エイミィ「ルカ君がウェザーアナライズシステム本体を破壊しようとしたんだけど、バルバモンが現れてね。闇の書が不要になったから闇の書をデジコアの代わりにしてヴェノムヴァンデモンを生み出したの」

はやて「つまり、あれは闇の書なんか!!?駄目や!!あの子を攻撃せんといて!!」

クロノ「どういうことだ?」

クロノは何故はやてがそのようなことを言うのか分からず、首を傾げるしかない。
リーゼロッテとリーゼアリアは全ての事をルカにバラされているために発言を許されていないが、横目ではやてを睨んでいた。

はやて「あの子は今、泣いてるんや!!」

闇の書の主だからこそ気付けたのかもしれない。
闇の書の気持ちを。

































そして大輔も戦いながら、頭に響き渡る声に戸惑っていた。

“嫌だ…”

“助けて…”

“もう、壊したくない…”

大輔『何なんだ…?誰なんだお前は?』

マグナモン[大輔?]

大輔の異変に気付いたマグナモンが大輔に問い掛けるが、ヴェノムヴァンデモンが無数の魔力弾をマグナモンに向けて放つ。
マグナモンはそれをかわしながら、一気に肉薄すると同時に強烈な右ストレートを喰らわせる。
ヴェノムヴァンデモンの身体に触れるのと同時に大輔の心に深い悲しみが伝わってきた。

大輔『何だよ、これ…?悲しみ…とても深い悲しみだ…まさか、闇の書の…いや、夜天の魔導書の悲しみなのか…?』

理解するのと同時、今度は鮮明に声が頭の中に響き渡る。

“嫌だ…私は何も壊したくない…何も傷つけたくない…!!助けて…助けて…!!”

深い悲しみを帯びた声に大輔は知らず知らずのうちに拳を握り締めていた。

はやて『大輔さん!!みんなあっ!!』

全員【?】

突如、モニターが浮かび、はやては泣きそうな顔で大輔達に懇願する。

はやて『みんな!!あの子を助けて欲しいんや!!あの子はもう何も壊したくないんや!!誰も傷つけたくないんや!!あの子を助けて!!』

ティアナ『助けてって言われても…』

Bインペリアルドラモン・DM[助けるにもどうすればいいんだ?]

メタルガルルモンX[くっ、助けられるなら助けてやりたいが…]

途方に暮れる子供達とデジモン達に大輔が動く。
神経を限界まで研ぎ澄ませ、声の出所を探す。
ヴェノムヴァンデモンの腹部の本体が出現した。

“助けて”

本体の方からハッキリと聞こえた声。

大輔『そこだ!!』

マグナモンの身体を支配して、ヴェノムヴァンデモンの本体の口の中に入るマグナモンと大輔。

スバル『大輔さん!?』

ユーノ『一体どうして…?』






























ヴェノムヴァンデモンの本体の内部に入り込み、大輔は奥へ進むと、闇の書の管制プログラムが闇の鎖で縛られていた。

マグナモン[大輔、あれが?]

大輔『ああ、多分。俺が聞いた声の主で、はやてが言っていた奴だ。』

マグナモン[よし!!]

マグナモンは闇の鎖をちぎった。
大輔は融合を解くと同時に崩れ落ちる女性を抱き留める。

「う、うぅ……」

大輔「大丈夫か?」

女性は大輔を見ると目を見開いた。

「あ、あなたは…?」

大輔「俺は本宮大輔。あんたを助けに来た。悪かったな。助けるのが遅れて」

女性は目を見開くと同時に涙を流した。

「何故…?何故そこまでして私を…?親しくもなく、会ってすらいない私を…?」

大輔「声が聞こえたんだ。あんたの声が。“助けて”、“何も壊したくない…何も傷つけたくない…助けて…”って…。俺、助けて欲しいって言っている奴を放っとく程、鬼じゃねえから」

「……………」

大輔「あんたもシグナム達と同じ、夜天の魔導書の一部なんだろ?」

「あ、ああ。そうだ…」

彼女の話によると、彼女は夜天の魔導書の管制プログラムらしい。
しかしバルバモンの介入によって、闇の書としての能力の殆どを奪われてしまい、彼女のコントロールを離れてしまっている状態とのことだ。

大輔「なあ、あんた。何とかして声を外に出すことは出来ないか?」

「自由になった今なら出来なくはないが……。」

大輔「よし、決まりだ。ルカ達にボコボコにしてもらおう。そしてはやてに名前つけてもらおうぜ」

「主に?」

大輔「ああ、女の子に“あんた”とか“管制プログラム”とかはねえだろ。というわけで音声よろしく」

サラリと言い放つ大輔に知らず知らずのうちに夜天の魔導書の管制プログラムも笑みを浮かべていた。
不思議と元気と勇気が沸いてくる。

大輔「あんたも笑えるのか」

「え?」

大輔「うん、あんた美人だから笑うとすげえ可愛い。俺が保証するよ」

「あ、ありがとう…そういえばあなたの名は…」

大輔「大輔、本宮大輔だ。よろしくな。」

「あ、ああ。大輔、外にいる者達に声が聞こえるようにすればいいのだな?」

大輔「ああ、頼む」































大輔『皆、聞こえるか?聞こえるなら返事してくれ』

なのは『大輔さん!?』

ヴェノムヴァンデモンから聞こえてくる大輔の声に全員が動きを止めた。

大輔『こちら大輔。夜天の魔導書の管制プログラムの救出に成功した。成功したのはいいんだけどさ。バルバモンが色々弄くっちゃったせいで、管制プログラムの制御を受け付けねえんだ。だから、このヴェノムヴァンデモンをボコボコにして脱出出来るようにしてくれ。瀕死にしてくれれば自力で脱出出来るからさ』

全員【了解!!】

大輔『それからはやて、管制プログラムの彼女に名前を付けてくれないか?』

はやて『名前?』

大輔『ああ、女の子に“あんた”とか“管制プログラム”とかはないしな。何かいい案ないかはやて?』

はやて『うーん。じゃあ、夜天の主の名において、汝に新たな名を贈る。強く支える者、幸運の追い風。祝福のエール、リインフォース!!…とかはどうや?』

大輔『だとさ。どうだ?』

『あ、ありがとうございます主』

大輔の他に女性の声が聞こえた。
恐らくはこれが夜天の魔導書の管制プログラムの声なのだろう。

ルカ『では、皆さん。行きますよ!!』

全員【おう!!】

全員がヴェノムヴァンデモンに突撃する。
ヴェノムヴァンデモンが魔力弾を放つが、アルフォースブイドラモンには掠りもせず、一撃を喰らわせられる。

アルダモン[ブラフマシル!!]

ベオウルフモン[リヒトアングリフ!!]

ウォーグレイモンX[ポセイドンフォース!!]

Bウォーグレイモン[ガイアフォース!!]

最年少組の攻撃がヴェノムヴァンデモンに炸裂する。

アルファモン[デジタライズ・オブ・ソウル!!]

魔法陣から放たれる砲撃。

ライヒモン[ロートクロイツ!!]

Bインペリアルドラモン・DM[ポジトロンレーザー!!]

ライヒモンとブラックインペリアルドラモン・ドラゴンモードから放たれる光線。
まともに受けたヴェノムヴァンデモンが後退する。

ユーノ『行くよなのは』

なのは『うん!!』

メタルガルルモンX[ガルルバースト!!]

デュナスモン[ブレスオブワイバーン!!]

メタルガルルモンXのミサイルとビーム。
デュナスモンの飛竜型のエネルギーがヴェノムヴァンデモンに炸裂した。
ヴェノムヴァンデモンの絶叫が響き渡る。

ベルゼブモン[喰らえ!!ダブルインパクト!!]

アルフォースブイドラモン[シャイニングVフォース!!]

ベルゼブモンとアルフォースブイドラモンの必殺技がヴェノムヴァンデモンに炸裂し、ヴェノムヴァンデモンは原形を留めないくらいに身体を破壊された。

大輔『今だ!!』

そして黄金の光がヴェノムヴァンデモンを粉砕し、銀髪の女性、夜天の魔導書の管制プログラム・リインフォースを抱えた大輔とマグナモンが現れた。

リインフォース「………」

リインフォースは自分を抱えている大輔を見つめる。
まだ十代前半くらいの年齢であるにも関わらず凛々しい顔。
リインフォースの胸に暖かい何かが宿るのを感じた。

はやて『やったああああ!!』

主であるはやての歓喜の声が聞こえた。
本当に解放されたのだと悟る。
あの地獄から。
リインフォースの表情に希望が宿る。
それを見た大輔もリインフォースを優しく見つめていた。 
 

 
後書き
リインフォース救済。
前に書いた番外編とは完全にパラレルです。 
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