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『ひとつ』

作者:零那
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『海月』


蒼き海に漂う君
感情が無いってのは
楽なのかな?
悲しいのかな?
其れすら
解らないんだよね
生きてる意味
存在してる意味って
解らないよね...

だからかなぁ
君を見た時から
僕は君になりたいと
想ったんだ
感情が邪魔だった
僕は君のこと
羨ましいと想った

宛も無く漂っては
何処迄も流されてく
留まることなく
揺らめいて
融けて無くなってく
けれど波打ち際で
砕かれてる姿は
痛々しくて...

生きた証
其の君の残骸をまた
蒼き海に帰す僕
偉大なる母の元へと
またすぐに
打ち上げられぬ様
遠く遠くと
君を連れてく

フェリーから
見下ろす君
それとは違う
浜で見る君

海を見ると必ず
君を捜すよ
君は僕が生きる為に
必要な存在だった

何も言わない
何もしてくれない
近付いたと思っても
離れてしまう
其れでも
僕にとって君は
支えになってたんだ

海が在って
海に映える月が在って
其処に君が
揺らめいてたんだ
ただそれだけの事で
僕は君に救われたんだ

儚い命だとしても
砕け散ったとしても
どんな嵐が来ても
波に逆らわず
強く生き抜ける
そんな君に
僕は惚れたんだ

美しき君
今日も漂い揺らめく

 
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