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妖精の義兄妹の絆

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行間

タクヤたちが妖精の尻尾にやって来て数日が経った。
先日ダフネという科学者がドラゴノイドという人口ドラゴンを使いマグノリアを混乱に陥れたが、
妖精の尻尾が一丸となってそれを阻止し、マグノリアにも平和な日々が戻っていた。
「いやー暇だなー。」
タクヤはカウンターに座りながらウェイターをやっていたミラジェーンに愚痴っていた。
「タクヤも仕事とか行けばいいじゃない。」
「うーん、これと言った仕事がないんだよなー。まだ体も本調子じゃないし。」
「じゃあ私の仕事でも手伝ってもらおうかしら。」
ミラジェーンがタクヤに提案した。
「手伝うって何すんだよ?」
「事務的な仕事は無理でしょうけどウェイターならできるんじゃないかしら。」
「なんかめんどくせーなー。」
タクヤはさらにカウンターにうずくまりぼやいた。
「そうと決まったら早速これに着替えて。」
ミラジェーンは奥の部屋からウェイターの制服をタクヤに渡した。
「まぁ…仕方ねぇか。」

























「タクヤー。ビール二つー!!」
「はいはーい!!」
「こっちにもビール追加だー。」
「はいよー!!」
タクヤは注文がかかる度に走り回っていた。
一人では間に合わないためミラジェーンやほかの従業員たちも走り回っていた。
「お兄ちゃん。何やってるの?」
そこにウェンディとシャルルがやって来た。
「あ?ウェンディか。見てわかんねぇか?ウェイターだよ。」
「だから何でそんな事してるのよ。」
「何でってそりゃあ…何でだ?」
「自分でもわかってないんじゃない!!」
シャルルは思わずタクヤにつっこむ。
「とにかく今手放せねぇから用なら後にしてくれ!!」

タッタッタッ

タクヤはそのまま走り去っていった。
「あっ、お兄ちゃん!!…行っちゃった。」
「まぁ、タクヤが終わるまで待ってましょ。ってアンタ何してんのよ!!」
「え?…カプチーノを飲んでる?」
「なんで疑問形!?」
シャルルがいつの間にかカウンターでお気に入りのカプチーノを飲んでいるのにつっこんだのだった。






















「はぁぁぁぁぁー。」
あれから2時間。とりあえず注文が切れた所でカウンターに帰ってきた。
「お疲れ様。はい、冷たい水よ。」
ミラジェーンはタクヤに水を出してくれた。それを一気に飲み干しまたカウンターにうずくまった。
「あ〜生き返るわ〜。」
「本当タクヤが手伝ってくれたおかげで助かっちゃったわ。ありがとうね。」
「もうオレ、ミラの前で暇だとか言わねぇ…。」
タクヤは心にどーでもいい決心をした。
「…なんか眠いわね。」
「いやいや、こんなに働いたらそら眠くな…、」

ドサッ

「ってホントに寝ちまうのかよっ!!?」
ミラジェーンが急に眠りについた。そんなに疲れていたのかわからないがかなり深い眠りについている。
「こんなトコで寝てると風邪ひいちまうぞ。」
タクヤはふと周りを見渡してみるとみんな熟睡していた。
起きているのはマカロフとタクヤだけだった。
「ど、どうなってんだ!!?」
「奴じゃ。」

コツ コツ コツ

「誰だあいつ?」
扉から一人の覆面をかぶった男が歩いてくる。顔はわからず、背中に五本の杖を担いでいる。
その男はタクヤの前で歩みを止めた。
「何故起きている。」
「いや、知らねぇけど。てかこれお前の仕業か!!」
「…。」
タクヤの問いには答えず男はリクエストボードから一枚の依頼書を取りマカロフに渡す。
「行ってくる。」
「これ!眠りの魔法を解かんか。」
「伍…四…参、」
男は出口に向かいながらカウントダウンを始めた。
「おい!!無視すんじゃねぇよ!!」
「弐…壱…、」

スゥゥッ








「零。」

パチッ

すると男が消えるのと同時にみんなが深い眠りから目を覚ました。
「なんなんだ?アイツ…。」
「この強力な眠りの魔法はミストガンか。」
「あのやろー。」
「ミストガン?」
タクヤはミストガンの名を聞いてもピンと来ずミラジェーンに説明してもらった。
「ミストガンは妖精の尻尾のS級魔導士なの。でも、彼の素性や魔法は知ってる者はいないわ。」
「つまり名前以外何もわからないわけか。怪しい奴だな。」
この時はまだ誰も気づかなかった。これから起きる事件を…。
 
 

 
後書き
行間ですので短いです。次回からエドラス編突入です!お楽しみに!! 
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