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リュカ伝の外伝

作者:あちゃ
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男の甲斐性①

 
前書き
DQ5が終わって直ぐの時代のお話です。
マリーがまだビアンカのお腹の中に居ます。 

 
(グランバニア城)
ビアンカSIDE

この世を我が物にしようとしたミルドラースを倒し、世界に平和を迎えて数ヶ月……
一国の王たる我が夫も、その職務を全うすべく日々政務に明け暮れ……てはなく、妻である私とイチャラブすること暫し!

そのお陰か3人目を宿す事が出来、息子(ティミー)(ポピー)も喜んでくれた。
2人には10年という年月を行方不明という形で寂しい思いをさせてしまったので、このお腹の中に居る3人目の子には、そんな事の無い様に自らの手で子育てをしようと思う。

ただ……王宮で暮らす事になってる為、気を抜くと周囲の者が子育てを手伝って(と言うより代行)しまうので、我が子の為に……そして自分の為にも努力を怠ってはならない。
大体王妃なんてのは分不相応なのよ。

とは言え王妃である以上、夫たる国王陛下の顔に泥を塗る訳にもいかず、政務に協力できる事は最大限協力するつもりです。
今もそう……国王の執務室では、サラボナからの使者が訪れており、国王たるリュカに恭しく挨拶をしている。

「先日の出産祝い品。フローラ様もアンディー様も大変喜んでおりました。変わって御礼申し上げます。ありがとうございました」
そうなのだ……フローラさんとアンディーさん夫婦に、先日待望の男の子が生まれたのだ。

私とリュカの結婚騒動の時も色々とお世話(?)になったし、友人として祝い品を贈らせてもらいました。
小国たるグランバニアよりも金持ちなルドマンさんに、何を贈れば良いのか正直迷ったのだけど、リュカの『金では買えない物を贈ろうよ……金なんて無いから(笑)』との一言で、可愛くスライムを刺繍したベビー服を贈りました。

リュカなんかは木材を器用に加工して、可愛い木馬を造りプレゼント。
『今は未だ早いけど、子供なんて成長が早いから』と言い、『本音を言えば、男の子へのプレゼントって思い付かないんだよね』と笑いながらお二人に渡してました。

そんな訳で、世界有数の大商人とのパイプは健在です。
力の弱い国家にとって、あれほどの大商人とのパイプは重要で、この関係を壊してはならないとシロウトの私にも理解できます。

でもリュカは……
『あんなハゲと仲良くするのは不本意だ』と言って、普段と変わらない態度でルドマンさんとも接してます。
そんな二人の遣り取りを見て、オジロンが胃を押さえてるのが……笑える。

「と、ところで陛下。実はお願いしたき議があるのですが……」
サラボナとの良い関係に思いを馳せてると、使者の方が言いづらそうに何かを言ってくる。
リュカに対して言いづらそうにするって事は、何らかの面倒事を押し付けようとしてるのかしら?

「面倒事だったら却下! 帰ってあのハゲに伝えろ……“お前の思い通りになるか馬鹿”とね(笑)」
使者の方も周囲も、半分以上冗談である事は解ってるのだけど、それでも顔が引き攣ってしまう事を言う一国の王がここに居る。

「その……あの……私も内容を聞かされては居りません。ですが我が主のルドマンが、陛下にご足労願えと言っております。どうか何卒よしなに……」
顔を引き攣らせ大量の脂汗をかきながらも、主人からの言付けを言い切る使者。プロね……

「ちっ、めんどくせーな……んだよ、あのハゲ!?」
一国の王たるリュカ陛下は、視線を下に移すと大きな声でぼやき、この場に居ない特定の人物へ暴言を吐いた。

「リュカ……そんな事言わないで、ルドマンさんに会いに行きましょ。ルディー君(お二人のお子さん)にも会いたいし、私にも3人目が出来た事を直接知らせたいから……ね」
「……ビアンカがそう言うのなら」

ぼやく夫の肩に手を置き、私の正直な気持ちを伝えると、その手を握り爽やかな笑顔で承諾するリュカ。
あぁ……この笑顔は麻薬よ。この場で押し倒したくなってしまうわ。

「じゃぁ家族みんなでお出かけにしよう。……つー訳でちょっと待っててね。息子と娘が学校から帰ってくるのを」
「え、今すぐに行くつもりなの!?」

「え、今すぐじゃダメ? ヤなことは早めに終わらせたいんだけど……」
私も使者も口にこそ出して言わないでいるけど、ルドマンさんの用事というのは100%面倒事だと理解している。
だからこそ十分な備えをしてから出かけるのが当然だと思うのがけど……

ビアンカSIDE END



(サラボナ)
ティミーSIDE

学校から帰るとお母さんが出迎えてくれ、そして突然『さぁみんなで出かけましょう』と言ってきた。
僕もポピーも吃驚で言葉を失ってしまったけど、先に立ち直ったポピーが『わぁ楽しみ。家族みんなで小旅行かしら?』と大賛成。
最近(ポピー)に付いていけなくなっている気がする。

詳しく訳を聞くと、サラボナのルドマンさんがお父さんの事を呼び出したらしく、その要請に応える為に出向くついでに、家族でお祖父ちゃんの家に行き温泉に浸かろうって事らしい。
お祖父ちゃんの家に遊びに行く事に異論は無いけど、そんな遊び半分で良いのかな?

こんな事言うのは失礼かもしれないけど、ルドマンさんはきっと面倒な事をお父さんに押し付けるつもりだと思うから、結構な時間を要すると推測します。
まぁ僕達が家族総出で出向けば、大抵の事は素早く片づくと思ったのかもしれないな……

そう思ったので、僕も天空の剣を準備しみんなの下に合流したんだけど……
『ティミー……その剣は置いていきなさい』ってお父さんに言われました。
良いのかな? まぁお父さんが居れば大抵の事は片付くし、僕の力なんて必要じゃ無いだろうけど……

そんな事を考えてたらお父さんには分かっちゃったみたいで、『伝説の勇者様が何でも問題事を解決しちゃっては、誰も自分で解決しようとしなくなる。皆から努力する心を奪っちゃダメだよ』って言われました。

やっぱりお父さんは格好いいなぁ……
そう思ってたら『あのハゲに何か言われても全力で拒否るから備えなんて不要なんだよ(笑)』だってさ。

はぁ……お世話になった人に対して酷いと思うのだけど、隣では嬉しそうにお父さんの意見に同意するポピーが居たので、僕は黙っておく事にした。
ポピーに口喧嘩では勝てないからね……

そんな訳で“あっ”という間に僕等4人はサラボナのルドマン邸に訪れております。
町の様子も、周囲の様子も……何時ぞやの“ブオーン騒動”の時の様に慌ただしくは無いし、本当にトラブルが起きてるのか疑問です。

でも主のルドマンさんが何時まで経っても現れず、僕等はお屋敷の応接室で待たされっぱなし……
結構深刻なトラブルに見舞われてるのかもしれないですね。
これは気を引き締めないと……

「どーなってんだこの家は!? 人様の事を呼び出しておいて、家主が一向に現れないなんて……娘を嫁に出来ず、玉の輿に乗りそびれた嫌がらせかコノヤロー」
応接室の外に人の気配を感じたお父さんが、家中に響き渡りそうな声で訴えだした。

「相変わらずですねリュカさんは」
「お前も相変わらず……って言いたいけど、子供が生まれて幸せ絶頂って感じだなアンディー」
部屋に入ってきたのは苦笑い状態のアンディーさんと、奥さんのフローラさんでした。

ルディー君の姿が見えないのは、教育上良くない人へ近づけない為に、離れの住まいに残してきたからだと思われる。
正しい判断だろう……大人は挨拶の為に姿を現せなきゃならないけど、純真無垢な赤ちゃんにはそんな義務は発生しない。

「フローラさん……ルディー君はお元気ですか?」
「はいビアンカさん。今はお昼寝の時間なので乳母に預けて連れてきておりませんが、スクスク元気に育っております」
うん。大人としては“良くない人に近づけたくなかった”とは言いづらいだろうし、当然の受け答えなんだろうなぁ。

「残念……私ルディー君に会いたかったのに」
「ごめんなさいねポピーちゃん。また今度会いに来た下さい」
うん。良くない人さえ居なきゃ誰でも自由に会えるのだろう。

「ふふっ、そうしますわフローラさん。未来の彼氏候補を手懐けないとならないので(笑)」
あぁ……これでポピーも“良くない人”リストの仲間入りだ。
何で“良くない人”リストに載ってる人に限って、ルーラを使う事が出来るのだろう……迷惑な事に。

「は……ははは……」「……うふふ……ふふっ……」
ほら見ろ。お二人とも引き攣って笑ってるよ。
もっと場を和ませる事が言えないのか?

「ポピー……ダメだよそれは」
場の空気が微妙になったところで、まさかのお父さんが駄目出しをしてきた。
流石に大人な対応をしようって事か?

「お前とルディー君とじゃ近親相姦になっちゃう。お兄ちゃんの様に諦めなさい」
「ちょ……リュ、リュカさん!? ルディーは僕の子です! れっきとした僕とフローラの息子です!!」

「さて……それはどうかな? 君の奥さんに聞いてみると良い(ニヤリ)」
お父さんの爆弾発言を聞き、この場に居る誰もがフローラさんへ視線を向けた。
すると……

「あらアナタ……私の事をお疑いですか?」
「い、いや……信じては居るけど……その……相手がリュカさんとなると……」
その通りだ……前科が何犯も付いてるこの人じゃ、疑ってしまうのは当然の事だ。

「と言う訳ですリュカさん。その冗談はリアルすぎて冗談と認めてもらえませんから、もう言わない方が無難ですよ」
「おっかしいなぁ……僕は他人(ひと)の女には手を出さない主義って広言してるんだけど」
肩を竦めながら冗談である事を認めるお父さん。

もう……シャレにならないから止めてもらいたい。
そんな事を思いながらお父さんを睨んでいると突然「お前かリュカ!? お前なんだろう!?」とルドマンさんが応接室に乗り込んできた。

「何がだよ?」
驚く事無く呆れた口調で問い返すのはお父さん。
「お前の子供なんだろうって言ってるんだ!」
だがルドマンさんからの返答で、またもや場の空気が凍り付く……

え、やっぱりルディー君はお父さんの子供なの!?

ティミーSIDE END



 
 

 
後書き
必要なかったから本編の何処にもフローラとアンディー夫妻の事を書かなかったけど、
ヤる事だけはヤってたので、ちゃんと子供をこさえてます。 
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