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仮面ライダー鎧武 信じた道

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第二十一章

 最後の一人が現れた、その彼は。
「貴様も来たか」
「ああ、何とかな」
 バロンにだ、彼は答えた。
 葛葉紘汰、インベスの王の身なりの彼も来ていた。葛葉は笑ってバロンに言った。
「また戻って来ていたんだな」
「今度は完全にだ」
 バロンは葛葉に答えた。
「戻って来た」
「事情は聞いたよ、黒衣の青年からな」
「そうか」
「俺も戦わないとな」
 葛葉はデューク達を見つつだ、その目を鋭くさせた。
「この連中と」
「こいつ等の後ろにいるのはだ」
「ああ、スサノオっていうんだな」
「そうだ、神らしいがな」
「インベス達を地球に持って来たのもだな」
 葛葉はこうも言った。
「そうみたいだな」
「全てはあいつが元凶ということだ」
「ああ、まあ詳しい話はな」
「後だ、まずはだ」
「俺もな」
 葛葉はまた言った、そして。
 その手にだ、彼のロックシードにだ。システムを出して。それを装着し。
「変身!」
 仮面ライダー鎧武となった、その姿で。
 シグルドに向かった、そしてだった。
 隣にいるバロンにだ、こう言った。
「こいつの相手は俺がする」
「そしてか」
「御前はそっちを頼む」
「わかった、俺はこいつ等はどちらも嫌いだが」
「特にか」
「こいつは存在自体がだ」
 デュークを見つつの言葉だった。
「忌々しい」
「だからか」
「俺はこいつを倒す」
「わかった、じゃあな」
「そちらの屑は御前に任せる」
「おい、俺が屑か」
「そうだ」
 バロンはシグルドに対してはっきりと言葉を返した。
「それ以外の何でもない」
「言ってくれるな、おい」
「大物ぶっていて実は自分のことしか考えていない」
 シドの本質を見事なまでに指摘した言葉だった。
「それはこちらのゴミも同じだがな」
「私はゴミか」
「同じだ、貴様等は自分のことしか考えず他人を平気で騙し利用し潰し捨てるだけだ」
 シドだけでなく戦極の本質も指摘していた。
「屑やゴミでなくて何だ」
「大人の世界ってのは複雑なんだよ」
「子供とは違うんだよ」
「大人だからって何でもしていい訳でもない」
 まただ、バロンは二人の言葉を論破した。
「貴様等の醜さ、ここで完全に潰してやる」
「そうか、じゃあな」
「ここで君達を倒しておくか」
「それは出来ない」
 バロンはデュークの拳での攻撃を手に持っているランスで弾き返しつつ言った。
「貴様にはな」
「ライダーシステムの性能差は歴然だがね」
「そんなものはだ」
 逆にだ、バロンは。
 そのランスでデュークを弾き飛ばした、そして。
 再びランスを構えてだ、それでだった。
 デュークに攻撃を浴びせ続けつつだ、また言った。
「何とでもなる」
「ロードバロンにならなくともというのかい?」
「そうだ、今の貴様はゴミでしかない」
 まただ、バロンは彼をこう呼んだ。 
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