仮面ライダー鎧武　信じた道

「あのまま」
「死ぬか若しくは」
「スサノオの手駒になっていたよ」
「そうなっていたんだ」
「あそこで戦極凌馬に騙されていたことに気付かなければ」
「そして死んでいれば」
「今の君はなかったよ」
　そうだったというのだ。
「到底ね」
「まあ御前さんは殆どそうなってたさ」
　サガラも光実にこう言う。
「スサノオの手駒にな」
「やっぱり」
「そう、本当に危なかったんだよ」
「それじゃあライダーも」
「そう、スサノオと戦う為の力だけれど」
　また青年がだ、ライダー達に話した。
「それでもね」
「スサノオの罠でもある」
「ライダーといっても様々だから」
「あいつね」
　ここで鳳蓮が言った相手とは。
「邪武やその前の」
「彼もそうだよ」
「ライダーの力に溺れてスサノオの手駒になった」
「そうした存在だったんだよ」
「成程ね、道理で妙に感じたわ」
　鳳蓮もそのことに気付いたのだった。
「ワテクシ達と同じ様で全然違う」
「そう、彼等はスサノオの手駒になっているから」
「力に溺れて」
「そうしたライダーもいるから」
「用心しないといけないんだな」
　城之内は初瀬のことを思いながら俯き加減に呟いた。
「俺も下手をしたら」
「そうね、ワテクシもね」
　鳳蓮も他人事ではないという顔だ。
「危ういところだったわ」
「心か」
　呉島はこの形のないものに着目した。
「心で。どうしていくか」
「そう、人間は何か」　
　そのことだとだ、青年も言った。
「心なんだよ」
「だからか。駆紋戒斗は」
　城之内がこのことに気付いた。
「あいつはインベスになっても」
「そう、インベスの力を使いこなせるだけの心、揺るがないものがあったからこそね」
「化けものにならなかったんだな」
「その化けものは何か」
　青年はこのことにも言及した。
「心なんだよ」
「心が化けものになれば」
「それで人間ではなくなるんだよ」
　つまりどの様な姿形でも、というのだ。例え人間のものであろうとも。
「ライダーでもね」
「怖いな」
「あんた達も何時そうなるかわからないからな」
　サガラがこのことを注意した。
「気をつけてくれよ」
「そう言うけれどな」
　ザックはサガラの今の言葉にこう返した。
「俺達はもう」
「アームドライダーのシステムがだな」
「ああ、壊れてるからな」
　それで、というのだ。
「もうな」
「ライダーになれないからだな」
「何も出来ないさ」
「それに今は別の仮面ライダーがいますよね」
　光実はサガラにこのことを言った。