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ガンダムビルドファイターズ 〜閃光を纏う傭兵〜

作者:rekyunn
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第6話 蟷螂のなんたら

 
前書き
どうもスマホって意外と打ちにくいと感じるレキュンです。少し遅くなってしまいました。

なんというか、文字を打った気がしない………。キーボードが恋しい。

それはともかく、入学します。入部します。

ではどうぞ。 

 
「えー諸君は………

長いので寝た。



「ヒサメ、学園長の話聞いてた?」

「いや、多分俺には聞き取りにくかったんだよきっと。だから寝てしまうのも仕方がない」

「度胸があるというかなんというかですね………」

同じクラスとなったアリサやアズサと一緒に昼食を頂く。因みに全員自炊で意外と料理スキルも高かったりするが、蛇足だろう。

「取り敢えず、1ヶ月以内にはどこかに入らないといけないんだな」

「そうみたいですね。いろんな部がありますから入るのには困らないと思いますけど」

部活動紹介のパンフレットをめくりながら焼きそばを口に含む。放課後の部活動見学の為の予習なのだが、いかんせん部活動の数が多くてガンプラ部を探すのに難儀した。

「ってガンプラバトル部の宣伝文、ほとんどモデル部に場所とられてるし………」

ようやくガンプラ部のページを見つけたと思えば、そのページの7割がモデル部の紹介だった。ガンプラ部らしくでかでかと入賞作品を載せている。

「『鋭意募集中! 初心者歓迎‼︎』なんか普通だな………」

「部員1人だと人員が足りないんだと思う」

女子力の高い可愛らしい弁当を食べているアズサが同じページを覗き込みながら言うが、それにしたってこれは虚しい。

「バトル部は1人ですけどモデル部は30人いますからね………」

部員数が偏り過ぎているな。流石に部員の補充は『傭兵』の仕事ではない。

「まあ、いったん入って様子を見るか。放課後に覗いてみるということで」

「ですね。部長の方にやる気がなければ入部には気が進みませんけど………」

部長、熱血系で頼む。



「それではホームルームを終わる。部活の見学に行くのはいいが、浮かれすぎるなよ」

渋い声で釘を刺して担任が出て行くと、教室が一気にざわつき始める。騒々しい光景を新鮮に感じて辺りを見回していると、隣の男子生徒から声を掛けられた。

「なあ、どこか行く予定とかあるか?」

「? えーと、ミツハラだったか?」

声をかけてきたのは入学式から遅刻しかけていたトンガリ頭の男子生徒だった。中肉中背だが、その体は鍛え上げられているのが分かる。

「そうそう。ミツハラ・ダイスケだ。ダイスケって呼んでくれて構わないぜ」

「マイギリ・ヒサメだ。………予定としてはガンプラ部に入ろうと思ってる。決まってないなら、ちょっと見てみないか?」

「ガンプラ部か! ちょうど俺も入ろうとしてた部なんだよ。いやー、入賞ってスゲェよな!」

楽しそうに笑うダイスケだったが、多分モデル部とバトル部の区別が付いてないなこれは。ちょっぴり心が痛むが、致し方ない犠牲だ。

「なら早速………、行ってみるか?」

アリサは他の女子の注目の的になってしまい囲まれているので少し時間が掛かりそうだ。それを側から眺めているアズサに目配せを送り、先に教室を出た。



「えーと、ガンプラ(バトル)部はこっちか」

パンフレットの地図を覗き込みながら体育館の側にある第1選択校舎に辿り着いた。

選択校舎は移動授業で使う以外は利用しないため、有効活用する為に部室として利用している………らしい。

「へー、ここでガンプラ作ってるんだな。普通もっと明るめの教室で鑑賞するもんだろうにさ」

頭の後ろで手を組んだダイスケがのんびりとした声で言うが、やはりモデル部と勘違いしているようだ。

「まあ、戦うなら風通しの良い日陰の方が良いんじゃないか?」

「戦う? ………え?」

ヒサメの言葉に暫く固まっていたダイスケだったが、段々と理解し始めたのか指が震え始める。

「なあ、この学園てプラモ部とバトル部が、分かれて、るのか?」

「ああ。因みにこっちはバトル部だ」

驚きを隠せずに呆然としていたダイスケだったが、なんとか動こうと体を震わせた。

「な………、ぶっ⁉︎」

「きゃああぁぁああ‼︎ 新入部員? ねえ新入部員なの⁉︎」

校舎から突然飛び出してきた女子生徒がタックル紛いのハグをダイスケにぶちかます。恐ろしいことにダイスケはその衝撃で3mほど吹き飛ばされている。まるでアレックス。

ダイスケを吹き飛ばした女子生徒は、その攻撃力とは裏腹にスラリとした体型をしていた。ポニーテールで纏めた艶やかな茶髪、それに出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる。

一言で言えば美女。アリサやアズサとは違うタイプの女性か。

「ひ、ヒサメ………、たすてて………」

そんな分析をしていると、高校生とは思えない大きさの胸に顔を埋めさせて窒息しかけているダイスケが手を伸ばしてきた。別に助けなくても良い気もしたが、取り敢えずダイスケを殺しかけている女子生徒に声を掛けた。

「すいません。ガンプラバトル部の部長さんですか?」

「あ、あなたもバトル部に入部希望なの⁉︎ やったわ! これで部が存続する‼︎」

全く話を聞かず、勝手に納得している。別に間違いではないので訂正はしないが。

「それで………

「ああ、ごめんなさいねすぐにお茶を用意するわだから部室に入って好きなところに座っていいからその間に入部届を持ってくるわ! 私はシグレここの部長をしてるわ!」

駄目だ。全く話を聞いていない。仕方ないので死にかけのダイスケを引きずって先に中へと入っていった彼女を追う。

ガサゴソと棚を漁っていたが、我を取り戻したのか急に気まずそうな表情を浮かべた。

「あ………、私、またやっちゃった………。ご、ごめんなさい。君、大丈夫かしら?」

「問題ありません! ご褒美でしたから‼︎」

これは酷い。躊躇いなく言い切りやがった。目の前の先輩も若干引いてしまっている。

「シグレくーん。何をしているのかなー?」

ダイスケの宣言によって微妙な空気に包まれた部室に、耳に障るような金切声が反響する。

振り返ると、部室の入口にカマキリのような風貌をした男子生徒が立っていた。シグレ先輩も明らかに嫌そうな表情を浮かべた。

「カマキリ先輩。いきなり押しかけてくるなんて失礼だと思いませんか?」

「僕の名前はカマキリじゃなくてハガ・タクマだよ。バトル部部長さん」

嫌味ったらしく言ったカマキリは視線をヒサメとダイスケの2人に移して眉を寄せる。

「なんだ君達は? まさか新入部員だとでも言うんじゃないんだろうね」

「そう、そのまさかよぉ………そのまさかですが?」

睨まれたので慌てて言い直す。流石にタメ口は駄目でしたか。

「そうかそうか。新入部員ねぇ………。例の約束、覚えてるよねぇ?」

「………っ!」

シグレ先輩はハッとしたような表情になり、視線を向けた二人から目を逸らした。胡散臭い話になっていそうなので、少しジト目にして尋ねてみる。

「プラモ部と、廃部をかけて勝負でもするつもりだったんですか?」

「うぐっ、新入生なのに内情に詳しすぎないかしら………?」

確かに。

「なら、今日の6時に大会規定通りに3対3での対戦だね。ふふふ、楽しみにしてるよ」

そう捨てセリフを残し、カマキリ先輩は去っていった。

パタリと扉が閉まると同時に、シグレ先輩がガシッとかなりの握力で肩を掴んできた。

「き、君たち。ガンプラバトルの経験は………?」

鬼気迫る表情は、もう後がないことを物語っていた。

「ち、ちょっと触った事があるくらいです………」

「ある程度やってますが………」

「よし! 経験者が1人でもいるなら御の字! 君、前衛後衛どっちがいい?」

「え………、どちらでも良いですけど」

「なら前衛やってもらえる? 私の機体長距離射撃型なの。あ、棚にあるやつ好きに使っていいよ」

なにやら調整する必要があるのか、ガサゴソとダンボールを漁り始めた。

(好きなやつ使っていいといってもな………)

前衛を務められそうな良い格闘機体がかなり少ない。ソレスタルビーイング系の格闘機体は豊富に揃っているが、故あってあまりソレスタルビーイングの機体は苦手なのだ。いや、アルケーも言ってしまえばソレスタルビーイングだが、

「んー、ネモかムラサメにするか………?」

これといった機体が見つからず仕方なく妥協しようとしてると、扉がノックされて開いた。

「失礼します。誰かいらっしゃいますか?」

アリサとアズサがようやく来れたようだ。部長は完全に己の世界に入ってしまったので勝手に手招きして部屋に入れる。

「いま困ったことになっててな、部長さんはちょっと対応できないから好きに座ってていんじゃないか?」

頭を段ボール箱に突っ込んでいる先輩を見て、2人は不思議そうな表情を浮かべた。

「なにかあった?」

「実は、かくかくしかじか」

モデル部との対戦のことをかいつまんで話す。

始めは困惑していた2人だったが、聞き終えたアズサはキリッとした表情をした。

「それなら、ガンプラ作って私も手伝う。何か使いたい機体はある?」

「え? ありがたいが、多分時間無いぞ。試合は6時に始まるらしいから」

「大丈夫。問題無い」

そういってすぐ近くに置いてあったガンプラの箱を持ち上げ、ニコリと笑った。

「二時間あれば余裕だから」 
 

 
後書き
いかがでしたでしょうか。戦闘回に辿り着けなかった………。

という訳でモデル部との対戦です。はい。BFTとまんま同じネタですね( ゚д゚)

ま、まあ何か原作から変更するはずですから………多分。

感想を頂けたら幸いです。 
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