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魔法科高校の有能な劣等生

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前書き
前回の続きです。
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司波 達也は団体の中心に居た。団体と言っても人数は9人程度で普通に友達と会話してるだけ・・・なのだが目立ってる。達也は自分の容姿を中の上と判断しているが結構なイケメン。他の面子が原因と言えるのか帰るだけで目立ってる。
達也の妹 司波 美雪・エリカ・一条 風香・他多数の男女で構成されてるのが原因と解ってるが別に周囲に注目を浴びる程度は慣れてるので無視する。美少女達と共に登下校出来る達也・・・彼は自分の待遇の良さを理解してない。
「無月・・・元気そうで良かったね」
「九校戦が始まる前に体調管理を怠った・・・アイツが悪い」
実際は心配している達也は正直に良かったと言えなかった。
「零の野郎は馬鹿で不真面目でアホで元気が特徴の筈なんだがな?」
歳月は疑問を口に出す。
その疑問は達也・美雪・エリカ・歳月・風香も疑問に感じた意味不明の疑問、無月 零を知ってる無月 零に関わった人間は疑問を簡単に抱く程の異変は彼等の脳内を困惑させる。
「アタシが初めて会った時はテロリストが魔法科高校を襲撃した時なんだけど・・・今の無月って別人?」
「覇気を感じない?」
「私は今日、初めて会ったんですけど噂に聞いた人に思えませんでした」
意見が合致する。
無月の筈だ。
無月の筈なんだ。
「以前の無月さんはお兄様と競い合っている風に見えましたが・・・今の無月さんには見えません」
美雪も変化に気付いている。
一番最初に無月の変化を気付いた少年 達也は疑問を感じる以前に彼の目を不自然に思った。無月の目の色は黒色の筈・・・なのに今日の無月の目の色は青色だった。会話する内に無月の親戚が割り込んで最後まで断定出来なかったが彼は無月なのだろうか?

「零・・・調子は?」
ベッドで別人に様に変わった無月は愛想笑いが増えた。
多少の会話で解る。以前の無月が見せない笑い方で彼は自分を振舞う。
「大丈夫だよ・・・2日後位に退院出来るって先生が言ってた」
「無理すんなよ?
困った事が有ったら言えよ」
以前の無月 零は完全に消えた。目の前の無月 零は別人・・・解ってる。前の彼は消えたんだ。
「俺は大丈夫・大丈夫だよ」
弱々しい無月 零は無理に笑う。
以前の無月 零が消えた様に今回の無月 零も消える。決めらた運命と理解してるが納得出来る訳じゃない。以前の無月 零の記憶は数字の数式に分解・再構築の真最中と予想出来る。以前の無月 零も消える。消える最中で以前の無月 零は何を思って消えるのか?
別の人格の現在の無月は変化に臨機応変に対応出来るのか? 不安が込み上げるが無月 零を生涯護るが影の使命。
変わった彼を支えるのも自分の役目だ。以前の様に数回前の無月の様に支える。以前の彼を救えず救えない自分を変える。絶対に助け出す。今の無月 零を最後にする。誓いを胸に彼は進む。

数式の配列方式を達也は脳内で暗算する。
魔法式を構成する数式を別の数式に変換・最小の数式で最高の結果を出す計算方法を編み出す。
『無月 零に関する記憶情報更新・記憶脳内の知識を無月 零に参照』
心を失った少年 司波 達也は違和感を感じていた。
無月 零が達也に司波 達也が零に交わる接点を感じられる。
違和感は拡大する。
彼は自分に似ていると思った事は数々有る。
(以前も感じた感覚・・・なんなんだ?)
彼のCADに触れた瞬間に感じた感覚が過る。彼のCADは達也が特注で造った非売品、無月は達也が造った・そもそも達也がシルバーと知らない時点で彼に解る訳ないのだが・・・彼の望む秘密を導入『ZEROsystem』が組み込まれたCADに達也は触れた。
魔法相殺を得意とする無月一族に適したCADに。
魂が抜けた・・・・感情を代償に莫大な脳内計算能力を手に入れた達也は解る。
彼は感情以外・魂・心以外の何かが掛けている。
自分に似た感覚を感じるのは無月 零が達也と接点が有ると勝手に思い込んから?
「無月・・・・・」
珍しく独り言を呟いた。
陰気な気分が余計にマイナス思考にさせる。
少年は司波 達也は気付かない。
失った感情が『徐々』に形を取り戻し始めた事に。

藤宮 介は魔法科高校の生徒だ。
一科生と二科生の狭間で学園生活を許された唯一の生徒だ。
「先生・・・無月は」
「君の魔質改変魔法で記憶の方は大丈夫」
即答。
「記憶の方は?」
「彼の感情・・・心に変化が見られる」
仮想パネルに無月 零のデータが表示される。
無月 零が生きた記録・無月 零の人格・無月 零の魔法が記されたデータに不可解な項目を藤宮は発見した。
「『ZERO』?」
零の名前?
「『ZEROsystem』」
更に別のファイルを仮想パネルに表示する。
そのファイル項目欄には無月の呪縛『theend』が存在した。
「陰謀・策略・戦略・作戦・・・滅亡を狂わす計画の終焉だよ」
『theend』無月の脳内で記憶を貪る怪物だ。
彼の命を記憶を対象に膨大な魔法知識・無月家の魔法が記された禁書目録とも言える魔法式だ。彼の魔法が限定される理由も『theend』の膨大な知識が邪魔&妨害する為だ。無月一族特有の現象『サイオンザード』無月家の人間は魔法発動の度に黒色のサイオンを放出する。高度で濃縮なサイオンの塊を放出するのだ。並の魔法師は一度の魔法発動でぶっ倒れる程のサイオン放出量なのだ。
要するに無月家の魔法師は並の魔法師以上にサイオンを蓄えた・・・怪物だ。
「零の『theend』の最終章」
更に別のファイルが画面に表示される。
「四葉の技術・無月の技術を重ね合わせた別の法則」
「別の?」
「無月は魔法を収縮する魔法を四葉は感情を削る魔法の研究に力を注ぐ時期が有った」
会話の意図が理解出来ず困惑する藤宮に一言で完結に告げた。
「過去の遺物」
更に疑問を抱いた。
「理論では可能・現実の科学力では不可能と言われた禁忌だよ」


「秀才の君には理解出来る範囲を超えたかな?」
空白の時間は短く長く感じられた。
藤宮の記憶に当てはまる項目が脳内の記憶に残されず削除されたのか? と適当に考え会話を続ける。現在の会話は理解されず後に理解出来る事を予測・・・祈ると言った方が真実だ。
「双方の技術が交わる・・・決められた運命・望まれた結果・僕は後者だと自負するがね」
無月の魔法は記憶を代償に発動される・・・その真実は藤宮も知っている。
脳内の記憶を削除・後に大容量の魔法式を組み込む。
記憶を代償に埋め込まれ・記憶を代償に魔法を発動する。
「無月 零は四葉と無月の間に産まれた『イレギュラー』なんだよ」
「!!?」
突然の言葉に藤宮は驚いた。
「当然・・・極秘で無月 零を出産。
本当は産まれる前に殺す・・・無月も四葉も救われる選択を選んだ」
知らない・知らない・知らない事実が藤宮の脳を支配する。
目の前の医師 鳴海が嘘を言ってる・嘘だ。嘘なんだ。そう考えるが彼は続ける。
「当時の無月家当主 無月漆黒が無月家の人間・四葉家の人間に嘘の魔法を掛けた。
殆どの人間は魔法の効力で四葉の少女は死んだと認識された」
「殆ど・・・?」
「無月家の人間は全員成功・四葉家の人間は98%
四葉の人間は優秀でね。
領域の差が裏目に出た」
無月が零が・・・四葉との間に産まれた人間?
「優秀な2%は敢えて無月 漆黒の魔法に掛かった振りをした」
















 
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