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SAO─戦士達の物語

作者:鳩麦
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GGO編
  八十九話 Arms

 
前書き
はい!どうもです!

今回はリョウの武器が手に入る回……一応言っときますがあんまり滅茶苦茶なものではないですよ?

では、どうぞ!! 

 
「さてと、此奴どうするかね」
「ん~」
「××××!××××××!!」
恐れおののいた顔で異国の言葉で何事かを叫び、銃を向けられているせいか手を上げた状態で腰を抜かしたように座り込む太ったNPCを見て、リョウは呟き、女が考え込むように首をひねる。

「おっ、出た」
「え?何々!?」
と、そんなことを言っている間に、リョウの前に再びホロウィンドウと台詞が表示されている。今度は日本語だ。と言う事は……

「さっきのはもしかすっとゲーム側のミスかもな……」
「え?あ、さっきの英語のテキスト!」
「あぁ。後でGMコールしとくかね。で……?ふむ」
「あ、なんて?」
「た、頼む命だけは!……だとさ」
「おー、映画みたいだねぇ!」
「おいおい」
苦笑しながら涼人は返す。
余りにも月並みな台詞過ぎて少々拍子抜けだが、まぁ良いだろう。さて、別にNPCの首を取っても何の手柄にもならないので、此処は素直にYESを押すべきだろう。そうして、リョウはYと書かれた部分に触れようとして……

「……ん」
そこでふと、思った。
何となく……ここでYESをえらんではいけない……と言うかNOを選んだほうが良いような気が……

「?どしたの?」
「いや……勘だ」
「へ?」
言いながら、リョウはNのボタンを押した。すると……

「××××××!××××××!」
またしても異国の言葉で何事かをマシンガンのように半泣きで怒鳴ってから、ふたたびホロウィンドウが表示された。

「え?なんて?」
「わ、わかった、なら内の最高の武器をやる……だとさ」
既にY/N表示は無く、このイベントは強制らしい。

「おぉ!なんだろ?」
「さぁ……なぁ。ま、いいや。行こうぜ」
見ると、NPCは震えながら立ち上がり、奥の扉に向かって歩き出していた。女がMP7を、リョウがMP5を突きつけながら後に続く。

奥の扉をくぐると、其処には表のカジノと比べると大分ごちゃごちゃとした空間が広がっていた。その更に奥へと、NPCは進んでいく。

「一応罠かもだから、後ろ見とくね」
「助かる」
言うと、彼女はリョウの後ろに付き、後方を警戒しながら歩き出した。

「……そう言えば……ねぇ」
「あン?」
答えたリョウに、彼女が返す。

「名前。私達、まだお互い名前知らないでしょ?一応一緒に戦ったんだし、名前教えてくれないかな?」
「あぁ……そう言やぁそうだな……」
先程のゴタゴタのせいで名乗る暇も無かったのを、リョウは今更思い出す。別に隠すような名前でもない。なんの気無しにリョウは名乗る。

「おれぁリョウコウってんだ。まぁ、リョウとでも読んでくれや。仲間連中みんなそう呼んでっからよ」
「えっ……」
と、彼女がそれを聞いた途端、驚いたように声を上げる。リョウは首を傾げた。

「ん?どした?」
「あ、う、ううん!何でもないよ!」
「そうか?で、其方さんは?」
「あ、えっと……」
一瞬だけ、彼女は戸惑うようにどもった。が、すぐに気を取り直したようで、何時ものように元気に返す。

「私はアイリ!改めて宜しくね!リョウ!」
「アイリ……ね。了解だ。宜しくな、アイリ」
「うんっ!」
飛び跳ねるような元気の良い声が返ってきて、リョウは口の端で笑いながら歩を進める。と、そんな事を言っている間にNPCは目的地にたどり着いたらしく、木製の扉を開ける。中に入ると其処は……

「武器庫……ね」
「うっわぁ……」
其処には大量の銃や弾薬の箱が置かれていた。大体は同じ物のようだが……

「っと?」
しかしNPCは其処では止まらず、更に奥へと進んでいく。

「…………」
「止まってもしょうがないよ、いこっ!」
「ぬぅ……」
遮蔽物が多すぎて進むのが少々嫌になるリョウだったが、アイリに進められ仕方なく進む。

更に奥の扉に近寄る。扉は……鉄だった。重そうなそれを、NPCは如何にも重労働そうに押し開けると、中に入る。

「……警戒な」
「うんっ……」
銃を持つ手に力を込めながら二人は中に踏み込む。この手のゲームだと狭い場所をくぐる際はやはり少々警戒する。
内部はコンクリートの壁に囲まれた小さな部屋だった。殆ど物はなく、灯りは天井に電球が一つだけ。薄暗く……

「?あいつ何処いっ……」
先に入ったNPCが……

「っ!リョ――」
「――――!!」
「っづぁッ!?」
理性での反応は殆ど無かった。長年培ってきた勘だけで反射的に頭を下げた瞬間、断続的な発砲音が鼓膜をゆらし、リョウは顔をしかめる。しかし動きは止めず、体制を崩して倒れそうになりながらも持っていたMP5を片手で銃口があった方向に向ける。フルオートで発砲。一マガジンを一気に空にすると、そのまま何とか手をついて止まる。

蜂の巣にされたNPCは、跳ねるように踊り、そのまま壁を背にして倒れ込み、爆散した。

「っとにこう言うの多いよな!FPSって!!」
「すっごぉい……」

――――

「えっと、立てる?」
「あぁ……サンキュ」
差し出された手を掴み、何とか立ち上がる。ああいった「いきなり来る」系のイベントは視界の制限が強いFPSではままあるものだが、VRでやられると自分の身体が掛かって居る分緊張感が段違いだ。そんな事を思いつつ何故か興味深げにリョウを見る。

「リョウ、さっきのよくかわせたねえ……」
「あ?あぁ、いきなりで滅茶苦茶ビビったがな……正直偶然だと思ってくれてOK」
「なんだぁ、つまんないの」
「つまんないってお前な……」
「ま、いいや!じゃお宝ゲットだよ!これだけ障害あったんだもん!きっと何かすごい物が……」
そう言うと、彼女はそそくさと中に入ってくる。リョウも狭い部屋の中を見渡す。と、先ずは地面に置かれたアサルトライフルが目に付いた。
プラスチックのような白いガワに覆われた楕円形に近いフォルムは、なんとなく、銃の持つ独特の威圧感が薄い、特徴的なフォルムをしている。

「M8!」
アイリが叫びながらそれに駆け寄る……と、触れる寸前で遠慮がちにリョウをみる。

「えっと、先に……リョウ……」
「気にせんで宜しい。んなうずうずした顔で言われても困るわ」
「ありがとっ!!」
聞くが速いが彼女は白いフォルムの銃に飛びつく。
持ち上げて、まず声を上げた。

「軽ーい!さっすが!これとっても軽いよ!リョウ!」
「軽い?」
「ほら!」
「ん……あー、成程な確かに……」
首を傾げたリョウにアイリが手渡した銃は、大きさの割にはかなり軽く、リョウが借りているMP5Kと同じ程度の重さしかない。もっとも、リョウにしてみれば大して変わらないが……
ちなみにこの銃、元々はXM8と言う名称だったが、2017年に試験運用が終了し、正規の物として名称からXが抜かれた。

「うわあ、アタッチメントとかも全部ある!凄い!他には……あっ!」
またしても何かを見つけたアイリが部屋の右の壁をみる。そこに、もう一丁のアサルトライフルがあった。
黒くやはりあまりカクカクとしたデザインではない。先程のM8と比べると幾分か無骨だが……

「う……こっちは重いかも……ってこれ……」
「へえ?どれ?」
“重い”と聞いて興味が湧き、リョウはプリーズプリーズと言いながら彼女の持つ黒いライフルに手を出す。M8と交換で受け取る。と……そのフォルムが露わになった。

不思議な形の銃だった。銃口が、上下に大きさを変えて2つついており、なおかつ銃の下部には箱型のマガジンもまた、引き金の前後に二つついている。そのせいか大きさもM8に比べ大きい。
重さは……確かにM8と比べると重いような気がしないでもない……まあリョウにとってみると正直あまり変わらないが……

「なんだ?この銃」
見たことの無いフォルムに首を傾げつつ、銃をタッチ。すると其処に、その銃の名称が表示された。

「XM29?そいつの親戚か?」
「うーん、正確には、前身かな。元々この子(M8)に使ってる弾と、20㎜炸裂弾……グレネードランチャーみたいのを一つの銃にくっつける……みたいな感じで出来た銃なの。重さとか、サイズ、20㎜弾の威力と……あとコストなんかの問題で開発停止になっちゃったんだけど、普通は放物線で進む炸裂弾を水平に撃ったり、色々凄い事出来る銃だよ?」
「ふーん……って、20㎜弾専用弾なのか」
弾丸をタッチしつつ言うリョウに、アイリは頷く。

「その銃の目玉だよ。銃の上の所に、スコープ見たいのが有るでしょ?それの中に、望遠スコープと赤外線暗視装置……それにFCS(射撃管制装置)が付いてて、レーザーで攻撃目標までの距離を測ってくれるの。それで発射した20㎜弾が、相手に近づくと起爆して、破片で相手を倒すっていう……なんていうか、とにかく凄い武器なんだよ」
「ほほーっ、けどつーことは弾とかお高いんでしょう?」
「だから量産性が無くて……」
「開発停止と。なるほどな。けど、なんかその弾も沢山あんじゃん?」
銃の置いてあった箱には、整頓されたマガジンや弾などが詰め込まれている。幾らかは撃てそうだ。

「友達に聞いたんだけど、こういう武器の専用弾とかって、NPCショップで所有権持ってる人だけが買えるんだって。だから補充もできると思うよ?」
微笑んで言った彼女に、リョウはニヤリと笑う。

「へぇ……んじゃ、俺はこれもらおうかね……お前は、そっちの軽いのの方が好みだろ?」
「くれるの!?」
「お前がいなきゃ俺は今頃蜂の巣だからな。当たり前だろ」
「おぉー!ありがとっ!!」
心底嬉しそうにM8を抱きしめるアイリを苦笑しながら見つつ、リョウは後ろに視線を向けた。しかし流石に反対側の壁にまでそう都合よく物は無く……

「あったし……」
黒い鉄の塊が、開いたドアの端から見えていた。近寄り、覗き込む。
そこには……

「いや……こりゃ流石にギャグだろ」
 
 

 
後書き
はい!いかがでしたか?

というわけでリョウのメイン武装はアサルトライフル。MX29に決定です!

まぁ正直ほとんど銃の知識がない僕にとってはどんなもんかはイメージで保管するしかないのですが……ま、まぁ頑張ります。

所でみなさん……というかリョウにやたらグレランを使わせようとした方々。リョウは別に破壊神じゃないですからね!?
二丁でグレランとかいう意見もありましたし、みなさんの中でのリョウのイメージはどうなってるんですか……(笑)

え?最後の奴はなんだ?つーかXM29にもグレラン普通についてる?ええい!知らん!

ではっ! 
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