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ソードアート・オンライン ~Hero of the sorrow~

作者:C.D./hack
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ファントム・バレット編 ~守り人たち~
  怪人vs怪人

 
前書き
待ち受ける、出会い。待ち受ける、最悪の結末。 

 
 村 東方面

「なんだ!?こいつのスピードは!!」

リンは思わず叫んでいた。ソロの、凄まじい速度に驚いたからだ。

自身の速度よりも、さらに上だ。

「なぁ・・・君たちは、俺を覚えておいてくれるか?」

「俺を・・・覚えておいて・・・いや、無理か。『彼女』も覚えていてはくれなかった・・・」

「・・・何を言ってるんだろうな。俺は」

一時的にソロは止まり、『ベルト』にカードを挿入する。

「すまないな・・・任務だ。『彼女』を元に戻せるかもしれないからな」

「リン下がれ、俺が・・・殺る」

ダインスレーヴを構えると、ソロはじりっと後ろに下がった。

「ショッカーの遺産・・・sorrowが持っているはずのものを、なぜ君が・・・?」

「貰ったんだよ・・・あいつから!!」

《戦乱剣》上位剣技スキル《鬼神抜刀》。

鞘を叩き付けようと動くが、ソロは跳んでそれを避ける。

「まだだぜっ・・・!!」

刀身の斬撃がヒット。さらに鞘と刀身の二撃。

「くっつ・・・」

「次だ!!」

今度はリンが前に出る。

「おぅりゃあああああ!!」

フォトンブラッドの加速。一撃、二撃と次々にぶち込んでいく。

ボロボロになったソロ。痛いじゃないか。ただ一言言ったソロは、吠えた。

「《メモリーブレイカー》を使ってるのに、ここまでのダメージ・・・だけどね」

「俺も負けられないんだ・・・よぉっ!!!」

ビキビキと。骨格が変異し、皮膚も強靭に。

「グオオオオオオオン!!!!!」

ねぇ・・・見てないよね。醜い姿を見られたら、彼女に見られたら、怒られちゃうから。

救えなかった彼女。生きている、彼女。元に戻ることを、ただ信じて。

漆黒の巨人が、二人の前に立ちはだかった。


 村 南方面

「ライトさん!しっかり!」

ユキは思わず叫んでいた。ライトはユウキを相手にしていた。

クウガ同士でぶつかり合う。しかし、破壊の衝動はブラックアイのほうが勝っている。

「ユウ、キ・・・」

「いい加減にしろ、ハート!!」

「うるさいなぁ・・・とっても楽しいじゃん、愛する者が闘いあうってさあっ!!」

左手を器用に動かし、右腕のグラインドブレードを振り回している。

「アンファング!!ピリオド!!」

ピリオドを逆手に持ち、古代文字障壁を操作してブレードを受け止める。

「ねぇ、sorrow。喧嘩した後の仲直りって、とても素敵なことじゃない?」

「・・・!!まさかっ!!」

叫んだ時には、倒れたライトに向って糸が発射されていた。

「させるかぁああああああっ!!」

タキオンを使って全力で糸にぶつかった。

ドッドッドッと背中に剣山を刺されたような痛み。

糸が脊髄に絡まり、侵食してきているのがわかる。

「あば、あばあばばばっばばばばばっばばっばばばばばばばばばばあばあばばば!!!!!!?????????!?!?!??!」

「ゆ、き・・・」

ライトがそういうと、クウガがくるりとユキのほうを向いた。

クウガが、ブラックアイが動き出して、ポン、とユキの肩に手を置いた。

無限の虚無の中、彼はユキに話しかけた。

ライトではない。いや、すでにこの世界の人物ではない。

「よう、泣く男だぜ。久しぶりだな、兄弟」

「クライ・・・?なんで?」

「おめぇは今、戦ってんだ。絶対なる支配者(シナリオライター)とな。あのクウガがよ、こちらに無理やり俺を連れてきてくれたんだわ。いい子だぜ、変身してる子はよ」

「そうか・・・で、なんでここに?」

「あいつの能力は、善者に凄まじい効果がある。そういう相手に対して、無理やり自分の憎悪を流し込んで操る。それがハートの能力だ」

「じゃあ、どうするか。答えは簡単。コレ、使えよ」

クライが差し出したのは、一本のメモリ。

「これ・・・」

「使えよ。俺は行くからな。あ、そうだ・・・愛の事、よろしく頼むわ・・・」

幻想は消えた。

意識が戻る。四肢は自分の意志と反して、でたらめに動いている。

「こ・・・い」

『ヴァイス!!』

首筋に黒のメモリが突き刺さる。

「あれ・・・究極のメモリじゃん!!」

ユキの肩から二の腕までが黒く染まる。首筋には、黄金と混ざり合った神経が走る。

目は黒目が黄金に。白目が黒に。髪は少し長くなる。

「勝負だ・・・ハート!!」

「言われなくても!!」

オーバードウェポンが展開され、再び薙ぎ払うように動かされる。

葬炎を持ち、少し振る。すると、グラインドブレードの六指が吹き飛んだ。

「なっ!!」

拳を顔面に叩き込む。

送火(おくりび)

葬炎をエックス字にして、ハートの腹部を、大きく斬った。

「死ね」

もう一回。

「死ね。死ね死ね死ね死ね死ね!!」

繰り返し。沈黙。ハートは何もしゃべらず、クウガも沈黙した。

ユキはライトを担いで、もと来た道を戻り始める。

ただ。ライトはユキの血液で一瞬で回復した。

ライトは自力で立ち上がり、ユキの隣を歩く。

だが、しかし。ドッッッ!!という音と共に、ユキが弾き飛ばされ。

ユキのいたところには、動いていない心臓が残された。

「どうなって・・・・」

「あは。あはははははは!!やってやった!!」

振り向くと。クウガとハートは立ち上がって去って行った。


 東方面

「一か八かだ・・・!!」

野獣のような動き、自身を超える速度で動き回るソロ怪人体に対抗するため、フォトンブラッドを最大側で流動させる。

否、それは。ファイズアクセルと同様の効果を持つ。

目には見えぬ乱戦。一撃一撃が必殺。それを制したのは。

「残念だったね・・・」

ソロだった。

「ライト君・・・でいいのかな?決着をつけよう」

「一撃でね」

ゴッッッ!!

腹部への蹴り。肋骨が折れ、肺に突き刺さり、口の中が鉄の味いっぱいになる。

「・・・虚しいな。こんなことは」

怪人体から戻ったソロは、そのまま立ち去った。



 GGO 砂漠

「スンスン・・・おい、なんかこっちに飛ばされてきてるぞ!!」

モモタロスの叫びに、モグラ獣人はコクコクと頷き、チチューンと鳴く。

「・・・?ユキの匂いが付いてるが、ユキじゃねぇ!でも助けろ!!」

「ああ!!」

ファイズに変身した巧は、人を受け止める。

「こいつは?」

少年、ライトは大怪我を負っていた。

巧は息があることを確認するが、どうしようもない。

「くそ!!」

ライトの目がうっすらと開き、巧を見つめた。

「たの、む・・・俺を、助けてくれ・・・なん、でもい、いから・・・怪物になっても」

ガクリと。腕が垂れた。

そこまでして生きたい。少年を突き動かしているのは、何なのだろう。

「生きろよ」

変身解除した巧は、オルフェノクに変身した。



 現実世界

「つっ・・・離せ・・・っ!!」

彼、新川恭二は追われていた。それは、なぜか。

つい最近、彼が好きな子を助けた時の話だ。

数人の女子に金を要求されていた女の子を助けた。その報復だ。

男たちが追って来る。ガスガンが火を噴いた。

足に当たる。改造されていたようで、血が出る。

倒れた瞬間、男たちが殴り、蹴って来る。

痛い。痛い。

この頃、自分の生きる意味が見いだせなくなってきている。

兄さんはあのゲームから帰ってきてから突然、頭がよくなった。

父さんは今、兄さんに夢中だ。

まるで新しいおもちゃを買ってもらった子供のように。

このまま死んでもいいかもしれない。兄さんの話はとても楽しいけれど。

僕が生きていくには不十分だった。

彼はそう思った。けれど―――――その時。

「ちょっと、あなた達!!何してるんですか!!」

一人の男の人が、男たちをかき分けてやってきた。

「アマゾンさん!」

「お前たち!虐めるの、やめる!!人、みんな友達!!」

野生児の様な人が、男たちを気絶させていく。

男の人が後ろを振り向き、笑って言った。

「君、大丈夫?」

足を見て血が出ていることを確認した五代は、バイクに恭二を乗せて家へと向かう。

家に着くと、二人は恭二の治療をした。

「これで大丈夫!よく泣かなかったね!」

五代はサムズアップのポーズを取った。

「あ、ありがとうございます」

アマゾンは恭二に聞いた。

「お前、名前は?」

「新川・・・恭二です」

いつもだったらこんなにあっさり言わない。

けれど、この二人には信頼できる何かを感じたのだ。

「いや~運がよかったね。あそこは普段通らないところなんだけど、セールがやってる店があっちにあったからね・・・ってあれ?」

五代は驚き、アマゾンは慌てた。恭二が泣いていたのだ。

「俺達、なんか、嫌な事した?それなら謝る、恭二!」

「いや・・・家はこんなに温かくないから・・・」

五代とアマゾンは、両親がいない。

家族がいて、温かくない。それは一体、どれだけ苦しいのだろう。

五代は言った。

「あ、あそこであったのも何かの縁だからさ!友達になろうよ!ほら、もう、じゃんじゃん言って!友達なんだからさ!!」

ぽろぽろと泣きつつ、兄の事、父の事を語り始めた恭二の話を二人はしっかりと聞いた。

安心したのか、恭二はお礼を言って玄関に手をかけた。

「いつでも来ていいよ!悩み事があったら、何でも相談してね!!」

これが、彼の人生を変える出会い。五代雄介とアマゾンとの出会いだった。


 二時間後 スーパー

香は買うものを買って、ユキに電話をした。

プルルルルルル・・・・

出ない。おかしい。いつもだったら戦闘中でも連絡を取るくせに・・・。

言い表せぬ不安感に襲われていると、一本の電話が届いた。

「ん?本郷さん?どうし・・・」

「っ・・・ええ。ええ・・・」

「え、嘘ですよね・・・」

本郷の連絡に、思わず携帯を落とした。

「ユキが・・・死んだ?」

香は急いでその場から離れ、自宅へと向かった。


 ???

「まったくさぁ・・・死んでもらっちゃあ、困るのよ?わかるかね、ユキ君」

いやわかんないか。そう僕は思いながら、手術台の上にユキを乗せる。

「君が消えるとね。一番僕が悲しいし、一番僕が困るの」

仮面を外し、史上最強のショッカーと全ライダーのメイン回路などを合わせて作った、究極の心臓を持ち上げる。

「もうずいぶんと歴史も変わってきている・・・これを投入しても問題ないよね」

EXASシステムを。ここはハートが生まれた場所である。

悲劇が繰り返された場所。

かつて、一文字隼人が仮面ライダー二号として誕生した場所でもある。

そこでまた一つ、新しい『悲劇』が誕生する。
 
 

 
後書き
いかがでしたか?最悪の結末。最高の希望が動き始めました。
はたしてEXASシステムとは?
ていうかソロが強すぎる・・・。
怪人体の顔を描いたので、のちにアップします。

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ではでは~~~!! 
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