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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories

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SAO編 Start my engine in Aincrad
Chapter-10 すべての終わり
  Story10-6 世界の終焉

 
前書き
ついにSAO編最終話! 

 
シャオンside


「だが、その力を目にしてはまだ終われない。
では、今度はヒースクリフではなく、ラスボスとして迎え撃とう。

もっと見せてくれ…………想いの力を」



四散したヒースクリフの体が元に戻り、その姿を変えていく。

「始めよう。最後の戦いを」

「な…………」

始まりの町で出てきたあのローブが出てきた。

「むちゃくちゃじゃねえかよ!

こんなんでラスボス倒せだと!!」

クラインがわめく。

『さあ、こい』

みんながざわめく中、能力がすべて切れた俺は疲労が限界に達した体に鞭うって再び立ち上がった。

「俺が…………行かなきゃ…………」

「シャオン!無茶だ!その体じゃやられるだけだ!」

「でも…………俺がやらなきゃ…………いけないんだ」

ガクン

シャオンの体から力が抜ける。

「くっ…………ダメなのか…………」

「シャオン君!」

それを支えたのは、フローラだった。

「フローラ…………ごめん、俺のせいで…………」

「私は大丈夫だから…………君が守ってくれたから」

「でも、その体じゃ…………」

「シャオン君も同じでしょ」

「そうだけど…………」






すると、エギルが近くまでやって来た。

「じゃあ、シャオンたちが回復する間、俺たちが支えるぜ」

「俺たちも、頼ってくれよな!」

クラインも続く。

「そうだそうだ!お前の頑張り、俺たちが支えなくてどうするんだ!」

「あなたたち二人は私たちを救ってくれたじゃない!

私たちだってあなたたちを支えるわ!」

みんなが二人に呼び掛ける。

「みんな…………」

「私たちのために…………」



すると、キリトとアスナもやって来た。

「ちょっとは俺にも活躍させてくれよ、シャオン。

主役は一人と決まってるわけじゃないぜ」

「キリト…………」

「二人とも、いつも無理ばっかなんだから。

でも…………その無理に何度助けられたか」

「アスナ…………」

「任せろ」

「私たちで頑張るから」

「悪い」

「ごめん」
















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
















「みんな、行くぞ!」

『うおおおおー!』





ボスの名前はTHE ETERNAL DARK

永遠の闇という名前だ。





キリトたちは向こうで戦っている。

俺たちは回復に専念した。

「シャオン君…………」

「何?」

「ケガ、ない?」

「大丈夫。俺はまだいける。フローラは?」

「私は大丈夫。

シャオン君、ごめん…………今度は私が危ないことしちゃった」

「そういうのはお互い様だろ。

フローラのおかげでここまでこれたんだ」

「私も、シャオン君のおかげでここまでこれた」

今、HPは残り9割まで回復した。


BossのHPは残り9割。なかなか減らない。


「シャオン君!充電完了だよ!」

「フローラは細かい指示をみんなにして。俺は…………」

「ううん、細かい指示なんて今のみんなにはいらないよ。
みんな君に助けてもらって、その恩返し。


シャオン君、もうひとふんばりだよ!」

「ああ。じゃあ…………いくぞ!フローラ!」

「うん!」
















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆















行ってみると、HPは7割ほどに減っていた。


あるグループに剣が振られる。

「させるか!」

俺はそれを弾く。

「シャオン!」

「待たせたな!充電完了だ!」

そして、剣をはねあげ…………

「メテオリッター・スタードライブ!」

強めの技を放った。

しかし、永遠の闇はとても強かった。

すぐさま攻撃が飛んでくる。

それを的確にいなすと、今度は別の技。

「アイソレイト・イグニッション!」

その21連撃は、頑丈な鎧に阻まれる。

「スターバースト・ストリーム!」

キリトが後ろから攻撃を仕掛けた。俺はサイドステップで道を空けると

「エンドレス・ホーリーラッシュ!」

間髪いれずに攻撃を放った。















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆















数時間が経過した。


まだ死亡者はいないが、みんなでスイッチしながら攻撃してもなかなかHPが減らない。
こちらのHPは俺が7割、キリトが5割、アスナ、フローラは6割減っている。








「はぁ、はぁ、キツいぜ…………」

「確かに…………シャオン君、ラッシュかけられる?」

「いける!ほかは?」

「いける!」

「私も!」



俺たち4人は一気に勝負を仕掛けた。


ゴアアアアア!


「はああああ!」


まず、フローラ。


剣舞スキル上位技〔ダブルストームツイスター〕を放った。
風のように剣が踊る12連撃。




「フローラ、スイッチ!」

「分かった!」


それからアスナ。


細剣スキル12連撃技〔メテオストーム・ラッシュ〕を放った。
流星のような勢いで放つ11連撃。


「アスナ、もう一回スイッチ!」

「フローラ!」


今度は剣舞スキル技〔エクスキュート・バッシュ〕

強烈な9連撃で斬りつける。


「フローラ、スイッチ!」

「アスナ、行って!」


細剣スキル上位技〔フラッシング・ペネトレイター〕
きれいな彗星の尾が引かれる。


「アスナ、スイッチ!」

「キリト君!行って!」


今度はキリト。

撃二刀流スキル最強技〔ジ・イクリプス〕
太陽コロナの如く全方向から噴出した剣尖の超高速27連撃。


「キリト、スイッチ!」

「シャオン!」



「行くぜ!SEED Mode-Destiny!」



そして、俺。
連二刀流スキル技〔スターライト・ライジングアクセレア〕星の光がすべてを越えて放つ75連撃。


「キリト、行ってくれ!」

「ああ!」


今度は撃二刀流スキル上位技〔スターバースト・ストリーム〕
星屑がきれいな筋を描く16連撃。


「シャオン!行ってこい!

お前がおわらせるんだ!」

「ああ!これで終わらせる!」


『ウガアアアアア!グギャアアアア!』

無数の黒い矢が俺を襲う。

「シャオン君!!」

「大丈夫!」

「分かってる!

だって、シャオン君は!

いつだって!私の!この世界の希望だから!」


俺の体は矢によって貫かれる。

しかし、その矢も光で消えていく。


「トップスピードで…………振りきるぜ!!」


最後のバトル…………最大加速で終わらせる!


「鳴り響くは聖なる協奏曲(コンチェルト)…………

奏でるは四剣の旋律…………!



ライトスピード・ホーリーカルテット!!!!」


俺の持つ最大の一撃が永遠の闇とぶつかる。


両手にもつ剣が俺の想いに答えて速度をあげる。


「俺が…………俺たちが! この世界を…………!


終わらせる!!!!」


96連撃にも及ぶ、融合した4つの剣での攻撃。
この世界で最強かつ最長であろう必殺技。







96連撃目で相手の体を斬り裂くと、俺は永遠の闇の体を貫き、着地した。





その後

『ゲームはクリアされました。

ゲームはクリアされました』


そんな声が聞こえてきた。
















「やーっと終わった…………」

「ホントだよ…………お疲れ、シャオン君」

泣きながらフローラが抱きついてきた。

「ああ、お疲れ」

「生きてる……生きてる……!

シャオン君……!」

「泣くなよー……かわいい顔がくしゃくしゃだぞ?」

「あ…………」

フローラの頬が赤く染まる。

「…………フローラ、ありがとな。
ここまで、こんな俺と来てくれたこと、感謝してる」

「私もここまで来れたこと、シャオン君に感謝してる。

君は…………本当に…………強いね」

「俺はただ、みんなの笑顔が見たかっただけさ」


その言葉を最後に俺の意識はブラックアウトした。
















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
















俺は一人で何もない空間にいた。

いや、下にアインクラッドが見える。
装備もアインクラッドの時のままだし、髪には青いメッシュが入ったままだ。

「ここは…………どこだろう…………」





すると、澄んだ声が聞こえた。

「シャオン君」








夢じゃありませんように、と願ってそっちを向くと、
その先にフローラがいた。

「ここはどこなんだろう…………」

「分からない…………アインクラッドがあるってことは仮想世界なんだろうけど」












「ゲームクリア、おめでとう」

声のした方向を見るとヒースクリフ、ではなく茅場晶彦がいた。

「ありがとう、ヒースクリフ……いや、茅場晶彦」

「まったく、君たちには驚かされたよ。
もっとも、あの人たちの息子、娘である以上そうなんだろうが」

「俺たちの家族のこと知ってるのか」

「ああ、よく取引していたな…………」

「そういえば、茅場、お前は何故こんなことを…………」

「何故、か。私はあの城を現実世界のあらゆる枠や法則を超越した世界を作り出すことだけを欲して生きてきた。そして、私は見ることができた。
君たちみたいな、あらゆる枠や法則などを無視して未来を掴もうとする存在を」

「そうですか…………よかったですね」

「私はまだ、信じているのだよ。どこか別の世界に本当にあの城が存在するのだと」

「そうだと、いいな」

「このSAOは君のお父さんの会社に移すことにしたんだ。また来たとき、その時は、君だけのアインクラッドを見つけてほしい」

「今回は3/4で終わっちゃったからな。今度は100層まで行くぜ」

「私も付き合うよ」

「頑張りたまえ、シャオン君、フローラ君。


さて、私はそろそろ行くよ」

「いってらっしゃい。本当の、あんただけのアインクラッドを見つけに…………」








茅場が去り、残るはシャオンとフローラだけ。


「この2年間いろんなことがあったなぁ……

リアルじゃ経験できないことばかり」

「そうだな…………俺たち、互いに無茶ばっかりしてたしな。

ヒースクリフに挑むときなんかすごくヒヤヒヤしたよ」

「でも、君の力でみんな救われたよ。もちろん、私もね」

「違うさ。俺の力じゃない。

あれはみんなの力の結晶だよ。

それが俺に勇気と力をくれた」

「『さあ、ひとっ走り付き合えよ!!』とか『トップスピードで……振りきるぜ!!』とかかっこよかったけどなぁ」

「SAOプレイヤーたちの中で名台詞になりそうだな」

「そうだねー。




ねぇ…………シャオン君。まだ、私のこと好き?」

「何聞いてんだよ…………そんなの当たり前だろ。

俺はフローラのことずっと好きだからな」



「じゃあ、シャオン君の本当の名前、教えて」

「フローラが先に教えてよ」

「ふふ…………私の名前は、春宮桜華。16歳です。


君の、名前は?」

2年前……あの世界に置いてきた名前。

グラウンドを駆け回り……友達と笑い……パソコンをいじり……そんな日常を送っていた俺。

剣をとり……大切なもののために剣を振り……必死で生き抜いた、この世界で一番速かった俺。


そんな俺の本当の名前は…………


「聖音……光崎聖音。15歳だ。

来月16才になる」

「同い年だったんだね。年上かと思ったよ」














すると、向こうから俺たちを呼ぶ声が。


その先には、キリトとアスナがいた。



すると

「なぁ、本当の名前教えてくれよ」

キリトが唐突に聞いてきた。

「うん。そうだね。私は春宮桜華。16歳だよ」

「俺は、桐ヶ谷和人。多分先月で16才」

「君たち年下だったのかー。私は結城明日奈。17才です。

シャオン君は?」

「俺の名前?

光崎聖音。15才だ。来月で16才になる」

「う…………みんな年下……だね。私だけ疎外感すごいよ」

「そんなことない。俺たちは仲間だ。

だから、みんな、現実でも絶対に会おうな」


「そうだな。じゃあ、アスナ、行こうか」

キリト(桐ヶ谷和人)アスナ(結城明日奈)はどこかへと行った。


後に残るは二人だけ。

「この2年間……君のおかげで、楽しい生活ができた。
ありがとう、聖音くん」

「俺もだ。かけがえのない日々をありがとう、桜華」

「じゃあ、手を繋いで帰ろう」

「ああ。一緒にな」

俺たちは手を繋いで立ち上がった。

その動作がまるで合図だったかのように、後ろに扉ができた。

俺たちはその扉を開いた。
















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆














俺は目を開けた。


そこには、2年前……もう見れないだろうと思ったあの世界があった。

「俺、帰ってきたんだ」

フローラ…………春宮桜華と繋いだ左手に微かに温もりが残る。



「春宮…………桜華…………」



俺は再びこの世界に戻ってきたこと、その事実に浸りながら、桜華のことを考えていた。


















SAO編 Start my engine in Aincrad……The End 
 

 
後書き
ラスボスの名前はFF9のラスボスからとりました。

てなわけでSAO編終了!!

聖音「長かったなー」

桜華「2年間の戦いが、終わったんだ」

聖音「ああ。終わったんだ」

でも……君たちの冒険は続くよ。

聖音「新たなステージで、だな」

次はシャオンとフローラのステータスなど、その次はどうして作ったか、などの制作秘話を公開します。

聖音、桜華「ここまで読んでくれて、ありがとうございました!!」


 
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