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ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~

作者:村雲恭夜
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番外アナザー:闇と光の隠された戦い

 
前書き
闇と光のもうひとつの戦い……
それは、SAOでのもうひとつの『在ったかも知れない戦い』だった。
神と皇帝、その結末とは。 

 
「UGaaaaaaaaaa!!!」
「いい加減に……目ぇ覚ませ馬鹿野郎!!」
『チョーイイネ!キックストライク!サイコー!!』
ダークはウィザードライバーにリングをかざし、脚に炎を纏い雷帝暴走化したライトに蹴りを喰らわせる。
「Gu……Gaaaaaaaaaa!!!」
しかし、蹴りをものともせず、雷を何本も打ち出してくる。
「チィッ!!」
『チョーイイネ!ソニック!サイコー!!』
音速移動のリングをかざし、それらを避けると、ウィザーソードガンを持ってウィザーソードガンの手を開く。
『キャモナシュラッシュ!シェイクハンズ!フレイム……スラッシュストライク!ヒー・ヒー・ヒー!』
「いい加減に、しろっ!!」
横薙ぎに振るうと、それを黒い大剣で防ぎ、左手に保持したライトボウガンでダークをゼロ距離射撃する。
「グハッ……」
ダークは吹き飛ばされ、辺りの木々を巻き添えにして転がる。
本来、破壊不可能な筈のオブジェクト群を破壊する辺り、ライトの雷帝暴走化は半端な物では無かった。
「……ちっ、肋二、三本折れたか?」
ダークは立ち上がりながら顔を歪める。
本来、痛みは全くと感じない未来の闇神<ダークネスウイング>だが、今回のコレは過去のダークの無効化の影響を受けて、痛みの無い身体を無効化されてしまっている。
さしもの闇神でも、自らの心意昇華された滅殺剣ーーー<消滅世界(ディストピア)>食らってしまっては唯の生身の人間に過ぎない。
「……あー、ちょっとヤベェかも。血が足りねぇ……くっそ、意地張らずにジェイダに来てもらえば良かった……っぶねぇ!!」
咄嗟に避けると、そこに雷がほとばしる。
「Gaaaaaaaaaa!!!」
「ったく……本気で掛からねぇとマジヤバですネ……すこーし俺に振り回されてる皆の苦労が解るわー……」
『ビッグ!プリィズ……』
魔法陣から手を出し、巨大化した右手で地面に叩き付けようとするも、追えない速さで回避され、斬撃を幾つも貰う。
「グッ……まぁ、当然だよな……全員分のユニークスキル使ってるんだから……よ!」
『チョーイイネ!マスタースパーク!サイコー!!』
一回転するようにマスタースパークを放つと、ようやく雷帝を捉える。
しかし、その雷帝は余りにも獣染みていて、あー、こう言うのも何だが、回復力が半端無い。
「……えー、自動回復能力とかないわ」
『フレイム!ドラゴン……ボゥ・ボゥ・ボゥボゥボゥ!!』
フレイムドラゴンになったダークは、コネクトを使うと、魔道具ドラゴタイマーを腕に着ける。
「そっちが四人分のユニークスキルなら此方は四人分の闇神だ!!」
『セットアップ!スタート!』
『ウォータードラゴン!』
「うらっ!」
「ハッ!!」
ウォータードラゴンが現れ、同時にウィザーソードガンを振るい、雷帝を攻撃する。
「GAaaaaaaa!!」
それを避ける雷帝。
「逃がすかよ!」
『チョーイイネ!ブリザード!サイコー!!』
それをウォータードラゴンがブリザードで雷ごと固めてしまう。因みに心意乗せ。
『ハリケーンドラゴン!』
『キャモナシューティング!シェイクハンズ!サンダー!シューティングストライク!ゴロゴロピシャ~ン!』
「砕けろ!!」
ハリケーンドラゴンがウィザーソードガンガンモードでサンダーを放つと、実体化して吹き飛ばされる。
「行くぜ、ウォータードラゴン!」
「OK♪」
『キャモナシューティング!シェイクハンズ!リオレウス!シューティングストライク!ギャオンギャオンギャオ~ン!』
『キャモナシューティング!シェイクハンズ!ビートブラスターク!シューティングストライク!ドンドンドーン!』
「「ハッ!!」」
同時に放たれた焔と熱線は螺旋を描きながら、雷帝に突き刺さる。
「GUAAAAAAA!!」
雷帝は吼え、ダーク達を睨み付けると、再び見えない速度で動き出す。
ーーーしかし。
『ランドドラゴン!』
『チョーイイネ!グラビティ……サイコー!!』
「フン!」
ランドドラゴンが現れ、同時に重力場を展開して叩き落とす。
「ふぅ……ようやく捕獲か……手間を掛けさせる……」
エンゲージリングを手に、ダークが近寄ると、いきなり重力場が解け、一瞬で全員が吹き飛ばされる。
「グアアアッ!」
「何っ!?」
「ガハッ……」
「馬鹿……な……」
全員、消えてはいないものの、雷帝はダークを睨み付ける。
「身体まで……消滅世界の範囲内なのかよ……鎧だなまるで……」
オールフィクション……では無いものの、流石に消滅世界を作ったダークに問題が在る。
過去の自分に後で説教しに行こうと心に決めたダークは、再びドラゴタイマーをウィザードライバーにかざす。
『オールドラゴーン!プリィズ……』
分身体がすぐにエレメントになり、ダークに纏うと、オールドラゴンと化したダークが現れる。
「まぁ……肋とか痛いんでそろそろ止めていただきたいなー……なんて通じるわけ無いですよネ……」
「Gyaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」
雷の翼を出し、地面を蹴ると、不可視の移動が始まる。
ーーー筈だった。
「もう見えてるんだよ、神様舐めるんじゃ在りません!!」
胸へと突き刺さる筈の剣をドラゴヘルクローで受け止めると、至近距離でドラゴヘルウイングの雷の混ざった風撃を浴びさせる。
そして、ドラゴヘルテイルで空高く打ち上げると、姿勢を正させる前にドラゴヘルスカルからのドラゴンブレスを放つ。
「Gyaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!」
しかし、雷帝はそれを雷と銃撃と虚無だけで吹き飛ばすと、ダークに再び不可視の攻撃を放つ。
「グフッ……!いい加減に、しろっての!!!」
接近した雷帝の腕を掴み、頭上にクリティカルにドラゴヘルテイルを叩き付けると、致命傷な音を立て、雷帝は落ちる。
「Gaaaaaaaaayaaaaaaaa!!!」
しかし、首を元に戻すと、落ちながら複数の軌道の違う雷撃を放つ。
それはさながら、避けられない雷撃の檻。
「神様舐めるんじゃ在りませんって言ったでしょ!」
ダークはオールドラゴン化を解除すると、ウィザードライバーに新たなリングをかざす。
『イーンフィニティー!プルルルィイイイイイイイイイズ!!ヒー・スイ・フー・ドー!ボゥ・ザバ・ビュー・ドゴーン!!』
生半可な攻撃は通らない最強のスタイル<インフィニティー>。そして。
『ホープ!プリィズ……』
『チチンプイプイ!プリィズ……』
もう一人のインフィニティーーーーダークを呼び出し、リングをかざす。
『『チョーイイネ!フィニッシュストライク!サイコー!!』』
そして、一方は異世界の魔法使い<ソーサラー>を破ったインフィニティードラゴンへ、もう一方は異世界の鎧武をほふった最強のドラゴン、インフィニティードラゴンゴールドへと変わった。
「「ハアッ!!」」
両者共に背のインフィニティードラゴウィングを羽ばたかせると、音速飛行し、雷を次から次へとうち落とす。ーーー否、その身で打ち消していく。
「GAaaaa……GYAAAAAAA!!!」
雷帝は吼え、怒り、翼を出して再びダークと相対する。
「ったく……いい加減に、しろよライト。此方は身体ボロボロなんだが……さて、そろそろ悪い夢から覚める時間だぜ!」
「ラストフィナーレだ!!」
雷帝を弾き上空に飛ばすと、水晶のような透明な魔法陣と、金色の魔法陣が其々の足元に展開。それを纏い、雷帝に向かって加速する。
「インフィニティーエンド!!」
「ストライクドラゴンゴールド!!」
インフィニティードラゴンの脚に、ドラゴスカルが展開し、ドラゴンゴールドの脚には、更に展開した魔法陣が纏い、複数のドラゴンの幻影が現れる。
「Gyaaaaaaaapoooooooooo!!!」
雷帝は逃げようとするも、ガクン!、と動きを止めた。
「GYAaaaaa………」
「当たり前だドアホウ。雷帝とは言えど、本来の基本スペックは過去のライトだ。暴走してたら、そりゃ力がオーバーロードするぜ」
「ライトの異能力……弱点はただひとつ、オーバーロードによる肉体崩壊」
「「これで終わりだ、雷帝の!!」」
そう言うと、雷帝の腹に、ダーク達の蹴りが炸裂。
そのまま上空を上昇すると、すぐに下に下がり、落下の速度が相まって一気に音速を突破する。
「「ハァアアアアアアッ!!!」」
ズドォオオオオオオンンンン!!!
強大な衝撃音と衝撃波がアインクラッドを襲い、破壊不可能な地面に深いクレーターが出来上がっていた。
『く……そ……が……』
「雷帝よ、お前さん、異能力の癖に人格あんのかよ」
『……貴様、何故……』
ライトの姿をした雷帝は言う。
「あー?まぁ……そいつに今死んでもらうと困るっーか……まぁ神様の諸事情だ」
『はっ……随分と……御人好しの……神様が……居たものだな……』
「それは俺も同意する」
「ウォイ!?」
インフィニティードラゴンに突っ込むダーク。
「……はぁ。そこまで喋れるなら回復せんでも良いか。お前さん、ライトの異能力なら異能力なりに、手伝ってやれよ?それこそ、コイツがこの先背負うものをお前さんが手伝えば良い」
『……神様、一つ、質問しても良いか?』
「どぞ。神様の言えない範囲外なら♪」
ダークは言うと、雷帝は口を開く。
『ーーーこの先、俺は、俺達は愛する人を、この手で抱きしめられるか?』
それは、ダークでも言えるか言えないか際どい所だった。
「んー、ソイツはお前さんら次第、って所だな雷帝。言えるんはそれくらいか?」
『……ふっ、やはり……御人好しの……神様……だな』
「本気で同意する」
「ウェイ!?」
二度目の突っ込みダーク。
『……だが、まぁ……コイツには色々と前世でも借りが在るからよ……キチンと、アイツの愛する人を助けてやりてぇ……俺の願いはそれなんだ……色々、世話にもなってるし……異能力となった俺が人格を持ってるのも変な話だけどよ……気ぃ効かせた神様がやってくれたんかな……』
「あー、一人だけ心当たりが……」
『そうか……なら、その人に礼を頼むよ、神様……しばらくは人格としては出れねぇし、もしかしたら人格統合されてもう二度と出れねぇかもだからさ……』
「依頼、承った。ーーーじゃあ今度は何処か、違う世界で会おう、雷帝」
『ああ……アンタみたいな人なら、大歓迎だね……』
『テレポート!プリィズ……』
ダークは転移する前に、もう一度雷帝を見ると、それはもう見慣れた雷帝にそっくりだった。

現実、ライトの家
「アレから……もう数年か……」
翔夜は北斗と一緒に出掛けていく来人を見ていた。
あれから殆ど雷帝状態ではあるが、異能力は出ないし、そしてその元の人格も居ないような感じになっていた。
恐らくは、統合されたのだろう。ーーーアンダーワールドで起きたロードとの統合や、ゲンとの統合と同じく。
『浮かない顔をしているね、翔夜』
シフトスピードカーを通してベルトさんが言う。
「んー?まぁ、浮かないっちゃ浮かないけど……それは言えないな」
『フム……翔夜が珍しいね。あの翔夜が』
「おいベルト。焼却炉にぶち込まれたいか!?」
本当はしないけど。
『おっと、怖い怖い……』
シフトスピードカーは道に乗ると、何処かへ行ってしまった。どうせドライブだろう。
「さて、俺も行くかな」
ベランダから飛び降り、漆黒の翼を出すと、空を飛ぶ。

俺はこの世界が好きだ。
そりゃ争いや犯罪とかは絶えないが、それでも面白いものは在る。
別れや出会いも在る。
人類と言うものは果てしなく可能性が在る人種なのだ。
そういった物の中で、人は其々の可能性の道を歩く。

そう、今の来人と北斗、そして異世界の剣士達のように。

「あ、電話」
ダークは空中歩行しながら神フォンを取り出すと通話ボタンを押す。
『もしもしダークネス!?貴方今何処に居ます!?』
「今そっち行く所ー」
『なら急いで来てください!!説教と仕事です!!』
ジェイダは言うと一方的に切る。
「さってと、俺も行きますか!」
俺は漆黒の翼をはためかせ、飛ぶ。
人類が通る可能性の道を。
今日も闇神の周りは平和だ。 
 

 
後書き
アリシ編終了してるアナザーストーリーですね。
まぁ、ダークの過去未来話に置き換えてもらえれば。
あ、あと近々また入院するかもしれませんのでよろしくお願いします!!
本気で済みません!!ではっ!! 
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