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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories

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SAO編
Chapter-4 シリカとピナ
  Story4-2 パーティー結成

第3者side



シャオンたちは35層の主街区に来ている。

シリカの使い魔ピナを生き返らせるためだ。





すると、シリカがフリーになったと言う話を聞きつけたのか、男2人組がよってきた。

「おっ!シリカちゃん発見!」

「随分遅かったね?心配したよ!」

目をキラキラと輝かせながら話を進める。

「今度さ?パーティを組もうよ!シリカちゃんの行きたい場所、どこにでも連れて行ってあげる!」


――今の私がどうしても行きたいところ。

間違いなく、この人たちとじゃ無理だ


「あ、あの、お話はありがたいんですけど……」

受け答えが嫌味にならないように一生懸命頭を下げてそれらの話を断った。

そして、シャオンとキリトを交互に見て、2人の腕を両手でとる。

「暫く、この人たちとパーティを組むことにしたので」

ジロリと、睨みをきかされた。

どうやら、お邪魔虫が付いたと思われたようだ。

シャオンたちはそそくさと逃げていった。















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆















その後も未練がましく、メッセージを送るなどと声をかけ続けていた。

「すみません、迷惑かけちゃって……」

シリカは2人にそっと謝罪をした。

「いやいや」

「気にしてないよ」

「………それにしても、シリカは人気者なんだな」

「いえ……」

シリカは首を左右に振る。

「街中で、一緒にいてあんな視線浴びるのは初めてだからな。凄いと思うよ」

「マスコット代わりに誘われているだけです。きっと。それなのに、竜使いシリカなんて呼ばれて、いい気になって……」

――そのせいでピナを失う事になった

シリカは、目に涙を溜めていた。

「心配ないさ。必ず間に合うから」

キリトがシリカを安心させるように、頭を撫でた。

「俺も約束は破らない」

シャオンは、軽くシリカの方を見て笑みを作った。

「あっ……」

シリカはその言葉、2人の言葉を聞いて、凄く安心が出来た。


だから、涙を拭い

「はい!」

笑顔でそう答えていた。















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆















暫く歩いていると、やがて道の右側にひときわ大きな二階建ての建物が見えてきた。

シリカの定宿らしい。

看板には、風見鶏亭とある。

「あっ、ごめんなさい。お2人のホームって……」

「ああ、いっつもは52層なんだけど………帰るの面倒だし、ここに泊まろっかな?って思ってる」

「俺は50層だけど、帰るのもあれだしここに泊まるよ」

それが嬉しかったシリカ。

両手を叩くと、

「そうですか!ここのチーズケーキがけっこういけるんですよ!」

「うーん………チーズケーキ苦手なんだよなぁ」

「そうですか………」

と、ほのぼのした会話をしていたその時だ。





シリカの表情が、がらりと変わった。







隣にあった道具屋からぞろぞろと4、5人の集団が出てきたのだ。


その中で、最後尾にいた1人の女性プレイヤーがこちらの方を見た。

シリカはそのプレイヤーを反射的に見てしまったのだ。

「!」

それは、今一番見たくない顔だった。
迷いの森でパーティとケンカ別れする原因となった槍使いだ。


顔を伏せ、無言で宿に入ろうとしたのだが

「あら?シリカじゃない」

「どーも」

シリカの表情は暗い。

「へぇー、森から脱出できたんだ?よかったわね」

その真っ赤な髪を派手にカールさせたロザリアは口の端を歪めるように笑うと言った。

「でも、今更帰ってきたところでもう遅いわよ。アイテムの分配は終わっちゃったからね」

「いらないって言ったはずです!


急ぎますから」

会話を早々に切り上げたかったのだが、ロザリアの方は解放するつもりは無いようだ。

「あら?あのトカゲ、どうしちゃったの?」

その言葉が何よりも嫌だった様だ。

使い魔は、アイテム欄に格納する事も、どこかに預ける事も出来ない。

いなくなったのなら、その理由は1つしかない。

理由ならロザリアも当然知っているはずなのだが、薄い笑いを浮かべながらわざとらしく言葉を続けた。

「あらら〜~もしかしてぇ?」

そこから先は言わせない。

言われる前にシリカは、

「ピナは死にました。でも!」

にらみを利かせると……

「ピナは絶対に生き返らせます!」

いかにも痛快と言う風に笑っていたロザリアの目が僅かに見開かれた。

そして小さく口笛を吹く。

「へぇ……ってことは、思い出の丘に行く気なんだ。でもあんたのレベルで攻略できるの?」

「できるさ」

そこから先の言葉はシャオンが紡いだ。

そして、彼女を庇うようにコートの陰に隠す。

「そんなに難易度が高いダンジョンじゃないからね」

ロザリアはあからさまに値踏む視線でシャオンとキリトを眺め回し、赤い唇を再びあざけるような笑いを浮かべてた。

「あんたらもその子にたらしこまれた口?見たトコ、そんなに強そうじゃないけど」

あからさまな挑発だった。

「勝手にホイホイ言っとけ。

キリト、行くぞ」

シャオンたちはロザリアたちに背を向けて歩き出した。

「せいぜい死なないようにね」

そう言うと、ロザリアはそのまま街の奥へと消えていった。















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
















そして、宿屋一階のレストランに3人は入る。

この風見鶏亭は一階がレストランになっているのだ。

チェックインを済ませ、カウンター上のメニューをクリックしてそしてテーブルに着いた。

そして、向かいのシリカに不快な思いをさせてしまったことを詫びようとした。

「大丈夫、あんまり気にしてないから」

キリトは軽く笑っていた。

「俺、軽く挑発しちゃったからなぁ……怒ってるかも」

シャオンは苦笑いをしていた。

そんな姿を見て、シリカは表情が緩む。

どうやら、彼女の為にしていたのだろう。

「じゃあ、食事にしよう」

シャオンも笑った後、そう言っていた。

ちょうどその時だ。

ウェイターが湯気の立つマグカップ3つをもってきた。

目の前に置かれたそれには不思議な香りが絶つ赤い液体が満たされている。

『パーティ結成記念を祝して』というシャオンの声に3人はカップを合わせた。















Story4-2 END 
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