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ハイスクールD×D~舞い踊りし剣舞姫~

作者:レゾナ
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第十六話

そして、やってきました生徒会室……なのですが……

『……っちの書類……!?』

『それ…………ち!』

『もう少しで……達も……!踏ん張れ!』

『頑張って…………すわ!』

何だか……部屋の外にいても聞こえる位大きな声でクレア達の声が聞こえるんだが……。

「もしかして……忙しい?」

「もしかしなくても忙しそうですね」

「ああ、声を聞いただけでもわかる位忙しそうだ」

「うん、もの凄く忙しそうだね」

俺、アーシア、ゼノヴィア、ヴァーリの順で言葉を漏らす。

いや、外にまで聞こえるなんてどんな大声で話し合ってるの?

「ま、まあとりあえず、入るか……」

俺は意を決して扉のドアノブに手を掛けて、開ける。

そして俺たちの目に生徒会室の中の様子が見れるのだが……

「「「「「……………………」」」」」

生徒会メンバーが全員顔を突っ伏しており

「あ、イッセー!待ってたわよ、手伝いなさい!」

「イッセー君!急いで!書類がどんどん増えていくのよ!」

「イッセー、お前の席はこっちだ!早く手伝ってくれ!」

「このままじゃ、私達の手が壊れてしまいますわ!」

クレア達は手を高速で動かしながらも何とか書類を片付けている。

そして、そんな中でも異質なのが

「おお、イッセー。遅かったな、早く手伝ってくれ」

「イッセー君、あなたの書類処理能力の高さを見せつける時です。手伝ってください」

腕が何本もあるかのように錯覚させるほどの早さで腕を動かしながらも、涼しげな感じで俺に話しかけてくるソーナ会長とルビアだ。

「い、イッセー……………イッセー、なのか……?」

「あ、ああ。俺だぞ匙、気をしっかり持つんだ」

「イッセー……書類が……書類が終わらねぇんだ……やってもやっても……無限に沸いて出てきて……」

あ、ヤバい。これはガチな方向でのヤバさだ。

「わかった、わかったから匙。後は俺たちに任せろ。仮眠でも取っとけ」

「ああ、後は、頼む…………ガクッ…………」

匙が寝てしまうと同時に、他の生徒会メンバーも顔を突っ伏して寝てしまう。

恐らくは安心から来るものなのであろう。

「はぁ……すいません、イッセー君。ちょっと夏休み中は仕事がありますので、生徒会の方が出来ないんですよ。だから、今の内に夏休み中にやる仕事をしていたのですが……」

「ああ、なるほど。それでこの書類の量ですか……」

書類が山になって積まれてるの初めて見たよ。

「さて、とりあえず始めるか。ゼノヴィアは書類を運ぶ仕事を。ヴァーリはアーシアの補助な。アーシアも少しは経験してるけど、さすがにこんな量はやったことがないだろうし」

かくいう、俺も無いが。

「そうですね、ちょっと気が引けてしまいます……でも、負けません!」

そう言って気合十分といった感じで空いていた席に座り、書類を片付けていく。

ゼノヴィアもたどたどしい感じではあるが書類を大切に扱い、それぞれの席に配布していく。

「さて、俺もやるか…………」

俺は頬を叩いて気合を入れ、席に座り配布された書類に取りかかった。



































「ゼノヴィア……どんくらい、減った……?」

「えっとな……事実だけを言うと、三分の二くらいしか減っていないようにしか見えない……」

「改めて言葉にされると心にぐさっとくるものがあるね……」

俺はそんな心が折れそうな現状を知りながらも腕だけは動かすのを止めない。

「えっと、えっと……」

「アーシアちゃん、頑張って!」

アーシアはアーシアで頑張ってるし、ヴァーリもきちんとアーシアを補助出来ているようだ。

そして、そんな張り詰めた状況がようやく終わりを迎える。

「こ、これで、終わり……」

「終わりましたわ……もう、腕が痛すぎますわ……」

「うぅぅ……今まで書類仕事は多々やってきたが……今日のは今までの中で一番疲れた……」

「腕が、痛いわ……」

クレア、リンスレット、エリス、フィアナの順で倒れていく。

まあ、俺たちよりも早い時間帯から頑張ってくれたんだから仕方ないか。

「か、紙を運ぶだけの仕事の筈なのに……腕が痛いんだが……?」

ゼノヴィアも腕が痛いらしい。

「だらしないですね、それでも私の学園の生徒なんですか?」

「そうだぞ?私よりかは幾分か若いんだからな」

「俺としては、何で二人共平然としているのかの方が疑問に思えてしょうがないのですが……?」

この二人、あの速度を常に維持して書類を処理していったのだから凄すぎる。

元々のスペックが違うのだろう。

「ふぅ、これで夏休みの仕事は終わりました。ありがとうございました、イッセー君。エリスさん達も」

そう言ってソーナ会長は頭を下げる。

「いえいえ、いいですよ。頼まれたからやっただけですし」

「そうですよ、会長。私達はやりたいからやっただけです」

エリスはそう言うが……クレアとリンスレットはもうヤバいといった感じなんだが?

何というか……「いつか、見返してやる」といった感じだ……何をしたんだ、エリスよ。

「あれ?でも、何で夏休みに入る前に夏休みの仕事を一日で終わらせる必要があるんですか?」

「ああ、それに関してなんですが……」

その後、なぜこのような事になったのか説明してくれた。

簡単に言うと、実家……つまりは、冥界に帰省することになったらしい。

その為、地球(こっち)に夏休み中に帰ってくる事は難しいという事から今日全ての仕事を終わらせた、という事なのだそうだ。

「それでなのですが……」

「?」

なぜか、ソーナ会長はいきなりどもってしまう。

何か、言いにくい事なのだろうか……?

「あの……実は……魔王様方から、イッセー君と元素精霊界(アストラル・ゼロ)の住民達を連れてきてくれ、と言われまして……」

「「「「「え……えええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!??」」」」」

生徒組である俺たちは驚き

「ほう……冥界か……」

と、ルビアは興味深そうな表情をしていた。

何で、呼ばれたし……? 
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