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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories

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SAO編 Start my engine and step on blue light in Aincrad
Chapter-1 リンクスタート
  Story1-3 デスゲームの始まり

シャオンside

再び開けた視界……そこにはさっきいた草原ではなく、始まりの町の中央広場の風景が見えた。

どうやら、現在ログインしているSAOプレイヤー全員が転移させられたらしい。


何が起こったのか、皆がまだ理解してないようだ。もちろん、こんなこと言ってる俺も分かってない。

それぞれで何が起こったかを聞き合う声が四方八方から聞こえる。


しばらくすると、その声が苛立ちを増した声へと変わった。




と、不意に誰かが叫んだ。

「あっ、上を見ろ!」

俺たち3人は反射的に上を見た。




第2層の底に赤い文字で

『Warning』『System Announcement』

とあった。

「ログアウト……できるのか?」

俺はそう願った。


いや、俺だけじゃない。ログアウトボタンがメニューから消失していること……そのことにこの中の何十人かは、気づいているだろう。







でも、現実ってそんなに都合よくできてないんだよな。

俺たちは、赤い文字が空中でその姿を変え、アバターのない真紅のローブが出現するのを目撃した。




そのローブから、声が発せられる。

『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ。

私の名は茅場晶彦。

今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』






「は………!?」

メディアへの露出を極力避けていた茅場晶彦が……あの天才ゲームプログラマー茅場が自らしゃべりかけてきている……その事実が、ここにいる全員に今何が起こっているかを把握させずに処理に困らせている。

だから、俺は今、いける最高速度で思考を回転させた。




しかし、次の言葉はそんな俺を嘲笑うかのようだった。

『プレイヤー諸君は、すでにログアウトボタンが消失していることに気づいているだろう。


しかし、これは不具合ではなくソードアート・オンライン本来の仕様である。


諸君は今後、アインクラッド100層にてゲームをクリアするまで自発的にログアウトできない。


また、外部の人間によるナーヴギアの解除、停止が試みられた場合、この世界で死んだ場合ーーー


ーーーー諸君の脳は信号素子が発するマイクロウェーブによって破壊される』


俺の頭上には344/344とあった。

このHPは……ここだけでなく現実の体のHPでもあるということ………なのか。

『諸君がログアウトできる方法はただ一つ。
アインクラッド100層にてラスボスを倒しゲームクリアすること』



そのあとの言葉は耳に入ってこなかった。これがオープニングの過剰演出なのかそれとも本当なのか分からない……


キリトに手鏡について言われた時に我にかえった。


アイテムストレージを覗き、手鏡をオブジェクト化した。

そして、手鏡を覗いた。


数秒後、俺を白い光が包み込んだ。


また手鏡を覗くと、そこにはさっきまでの俺、光崎聖音がいた。

「「「うおっ!俺じゃん!」」」

横にいたキリトを見ると、なんか女の子っぽい顔になっていた。

クラインは似ても似つかぬ顔へと変貌していた。

「「お前、クライン?」」

「お前ら、シャオンとキリト?」

「う、うん」

でも……こんなことが出来るのか? 人の顔や体格を……!

「そっか……ナーヴギアのセットアップでいろいろやったのがここで再現されてるのか……」

ナーヴギアは初装着時に『キャリブレーション』と呼ばれるセットアップで自分の体の感覚をナーヴギアにデータ化して読み込ませる。それに加えて、ナーヴギアに覆われている顔はナーヴギアからの粒子でスキャン出来るために、このようなことが可能なのだ。








その後、人混みから抜け出た俺たち。

キリトが思いついたように

「クライン、今からこの町出るぞ」

と言った。

俺もそうしようとは思っていた。

だが、クラインは首を横に振る。

「俺はこの町で一緒にSAOを買った仲間と会う約束してるんだ。
俺は仲間をおいては………いけねぇよ」

「じゃあ、何かあったときのためにフレンド登録しとこうか。

な、キリト」

「そうだな」

俺たち3人はフレンド登録した。








別れ際、クラインが言った。

「キリト、お前、結構可愛い顔してんな。

シャオンもスゲーイケメンだな!」

「「お前もその顔のほうが10倍似合ってるよ!」」

捨て台詞のように吐いた言葉、それが何故か心に響いた。 また会えるか分からない……そんな世界になってしまったから、なのかな。






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






始まりの町を出る少し前の地点で、少ししたところで俺たちは立ち止まった。

「じゃ、こっから俺たちも別行動だ」

「キリト、絶対死ぬなよ」

「当たり前だ、お前もな」

「「絶対に生きて会おうぜ!」」

俺たちは拳をコツンと合わせた。











俺たちはそれぞれ新たな一歩を踏み出した。











俺には、まだやり残したことがたくさんある。

家族とのこと、自分のこと、友達、学校………


俺は……生きて帰る。



だから――――





――――絶対に生き延びて見せる、この世界で!















Story1-3 END 
 

 
後書き
ついに始まりますよ、シャオンの物語。

彼がいかにして強くなり、最前線で戦ったのか、これから明らかにしていきます。

シャオン「俺たちの冒険に、ひとっ走り……付き合えよな♪」 
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