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ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~

作者:村雲恭夜
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ランニング:剣が鳴る、光が散る

私物剣の持ち込み許可を取ってから、俺は早速外で剣を振るった。
「……セヤッ!!」
片手剣剣技<ソニックリープ>から始まり、
「ッ!!」
<スネークバイト>、<スピニング・ストライク>、<ホリゾンタル・アーク>、<トレブル・サイズ>と左右の剣で連続で振るい、
「セアッ!!」
二刀流剣技<スターバースト・ストリーム>の完成形、<メテオストリーム・ループドライブ>を発動。
合計七十八連撃の剣を振るい、ピタッと止めた。
「……ふぅ」
二刀流になったのは現実世界でたったの一回きりだったが、体が感覚を覚えていた。……キリトはよく魔剣を両手で、しかも二刀流スキルで扱えたなと思う。
その他の天城流剣術も使ってみたが、やはり剣術でアシストが在るのは秘奥義<天空翔牙>のみ。
後は今の状態では到底、と言うより実現はほぼ不可能なレベルだ。
「……修練、し直さなきゃな」
剣を鞘にしまって前を見ると、見たことのある修練士を見付けた。
「おや、ライト……初等練士。何を?」
コイツの名はグレリオ・ラインハルト。……俺を苛めては倍返しされている苛めっ子だ。
「……剣技の修練をしているだけだが?」
「ほう!……しかし、型の練習ではないのか?」
……正直、コイツにはうんざりしている。手足を切り落として殺してやりたい程に。腸が煮えくる。
「……用が無いなら帰れ、グレリオ初等練士」
俺は剣をつきつけて言う。
「……今、ここで天命を失いたくなくば、な」
「おお、コワイコワイ。では」
グレリオ初等練士はすぐに消え、それからユイリとユリアが現れた。
「……さっきの、グレリオ初等練士よね?何してたの?」
ユイリが俺の顔を見て言う。
「別に?唯の世間話をしてただけさ」
俺は鞘を持って両手を挙げる。
「ならいいけど。……あんなやつに剣を振るう事なんて無いわよ?」
「わーってるよ」
俺は言うと、一歩足を進ませて……盛大に転んだ。
「グハアッ!!」
頭と体に痛みが走り、立ち上がると。
「……ライト、お前は何をしている」
「げっ、先輩……」
先輩がそこに立っていた。……泥を制服にかけて。
「す、すんません!!」
「何時もの練習上に居ると思って来たらコレか……全く」
先輩はそう言うと、俺の剣を見て言う。
「それがライトの剣か……二刀流か?」
「いえ、本来俺は片手剣なんですが……二本の剣が今日組み上がって……」
「……そうか」
暫く思案していると、先輩は言う。
「取り合えず懲罰権を行使するぞ。……俺と立ち合え、ライト」
「え、ええええええええっ!?」
先輩の発言に、俺は驚いた。























「うっわ……運無いわね、アンタ」
とうとう、ユイリに運無いとか言われた。
どうにかこうにか、懲罰を終えて、連続剣<メテオストリーム・ループドライブ>等を立ち合いで見せたお陰で、予定より早く懲罰が終わったが、どうせなら剣がどうこうではなく、単に見せれば良かったと後悔する。
「……ああ、もうダリィ。寝るぞオリャ」
「好きに寝なさい。私達はご飯食べてくるからね?」
ユイリはそう言うと、ユリアを伴ってドアへと消えた。

三月末。
先輩は卒業トーナメントで見事第一位の成績で卒業し、俺は俺がスリルグ氏の細工店でつくってもらった銀のブレスレットを祝いに渡すと、笑顔でそれを受け取ってくれた。
その二週間後、<帝国剣武大会>に出場したものの激闘の末、緒戦敗退した。



























「ライトが居ないから言うけど、ライトに付いてたら苦労するわよ、リィン?」
ユイリの声が聞こえ、俺は窓から突入した。
「人の居ねぇ所で何いってんだ馬鹿」
三階にも関わらず、相変わらずの身体能力で中に入り込むと、すぐに俺の傍付き練士が言う。
「ライト上級修剣士殿、ご報告します!本日の清掃、滞りなく終わりました!」
「はい、お疲れ」
俺はリィン以下初等練士を労う。
「ライト、外にいくなとは言わないけど、せめて早く帰ってこれない?と言うか大体何で窓から帰ってくるのよ何時も!!」
「アインクラッド流極意、使えるものは訓練に使え、だ」
「アンタねぇ……って、それ何よ」
ユイリが俺の持つ袋を見る。
「ん?焼き豚亭の肉まん。食ふか?」
「喋るか食うかどっちかになさい!!でも食う!!」
ユイリが手を伸ばして肉まんを取り出すと、ユリアの分も出して渡し、リィン達に袋ごと渡す。
「金はいはねぇから、寮にもほったら皆ほわへろよ」
リィンとルウとセピアは歓声を上げると、早歩きして部屋から出ると、走って行った。
「………」
肉まんを食べながらユリアは俺を見る。
「はんだよ」
「いや、別に何でも。唯、アンタがここにいる理由を忘れちゃ居ないだろうなと思いましてね?」
「忘れてたまるかよ」
飲み込んで言う。
「俺達全員が整合騎士になるために居るんだろ?後一年、頑張って行くか!」
「ええ」
「うん!」
俺達の部屋には、神器クラスの剣が五つも在った。
醒剣ブレイラウザー。
メダジャリバー。
ドラグセイバー。
ソルブレイズ。
スレイブキラー。
壁に掛けられた五振りの剣を見て、俺はそれを信じて疑わなかった。 
 

 
後書き
……まぁ、グダグダ展開でスミマセン。ランニングを終わらせたかったんです。
次回からターニングといきます!!
尚、コラボ編は恐らく予定で一月下旬となりそうです。理由、データ回収がまだできておらずプロット組んで無いから。
それまではアリシ編を重点的にやります。 
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