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俺が愛した幻想郷

作者:茅島裕
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俺は愛せる? 幻想郷...
俺の名前は....
  第八話 俺の名前は.....!?

 
前書き
学校から帰って来て速攻お風呂に入って布団に直進して寝たうp主妹紅です
そして起きて小説を出すまで晩御飯が食べれないと言う意味がわからないルールを作って意地でも今話を書くと言うバカをしてるうp主妹紅です

では、私はご飯を食べて来ますので
本編どぞ 

 
「俺は名前が無いんだ」


その言葉にどれだけ深い意味があったとしても、橙はその言葉自体の意味で既に混乱するだろう。笑顔で流してくれ、そう聞いたが。無理がある... こんな話を聞いて笑顔で流せるわけが無いんだ

だが... 橙は言った。いや、口には出していない、行動に出しただろう
それを守るためか...
とさり、と音を出して俺の上にふにゃりと身体中の力が抜けたように倒れこんだ橙は、顔をうずくめて言った

「なんで...ですか? なんでその...無いんですか?」

何故名前が無いんだと普通に聞いたら悪いと思ったのだろう。和えて名前が無いと言うキッパリした単語を出さないのは橙の心が優しいと言うことなのだ

なんで無い... 正直自分でもわからない
元々、名前が無い。だから名前が無いのが正しい、そもそも名前とは何のためにある。そんな感じの頃があった。学校に入るときだって、名前を聞かれた。最初はそれが一人一人持っている呪文のようにも感じた。だからそのときは適当に考えてその名を名乗っていたが、所謂、偽名と言う奴なのか...?
あ、そう言えば....

「橙、君のその橙と言う名前は誰に付けて貰ったんだっけ?」

「大切な人... 藍様と紫様のどちらかです。もしかしたら二人で決めたのかもしれないですが」

「大切な人、つまり自分を育ててくれている人。自分を大事にしてくれている人。それって親ってことだよね。保護者と言うのかな?」

「私は式なので親とかそこまではわからないですが... でも多分そう言うことです」

「じゃあ、名前が無いってことは...?」

橙の言葉が途切れた
顔は見えていないが... 今の橙の顔が目に浮かぶ。橙は俺の服を掴んで震えていた、何か堪えているのだろうか....?


それきりずっと何も言葉を発しなかった橙
寝てしまったのだろうか。俺も寝ることにした




ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あの子には、親がいないのよ」

「で、ではっ... 何故、居るのですか。産まれているのですか」

「親がいない、あの子はそう思っている。気がついたら一人だったからよ」

ギリッと八重歯を剥き出して歯を食いしばっている藍。私はそれを澄ました顔で、何も与えない顔で見るしかなかった

「あの子、あまり覚えてないのよ。ちゃんとした記憶がないの。わからない部分は全て繋げてるの」

名前が無いのは事実...
あの子は一度私に聞いた。私と初めて会ったとき何故撫でたのか、と。でもあれは少し間違えている。撫でたことは確か、でも初めて会った訳ではない
あの子の解釈は度々間違っていた
でも、指定したら混乱してしまう
まだ言ってはいけない
真実は最後までとっておくとかそんな臭い理由じゃない。いけないと思ったからだ
それに、今言っても結果は変わらないし
名前がどうのこうのなんて関係なくなる...


さて、気持ちを入れ替えて......


ーーーーーーーーーーーーーーーー


パチリと... 瞬間的に、パチリと瞼が開いた
朝だ。カーテンに一切手を付けていない故、日差しがもろに来ている。眩しい

予想はついてる
絶対に当たってる
見なくてもわかる

お腹の辺りが濡れているのだがこれは絶対橙のよだれだ
お腹に乗っている橙の頭をゆっくり持ち上げて、起こさないように下ろしてあげた
念のため、恐らくそうであろうが、お腹を見てみた。丁度いい具合に橙の口があったと思われるところにロシアのような形の大きな跡が....
服持って来てないんだよなぁ... まぁ流石に何処かで買えるだろう。紫にお金貰って買いに行こう

「おにゃまえをぉ〜.... かんがえましょぉ〜ぅ...」

橙の寝言が聞こえた
そうだな。名前を考えなきゃな... 自分が考えれば大切な人なんていらないしな
もういっそ学校で使ってた名前で....
いや、幻想郷に来たと言う意味でも名前は最初から考えよう


とりあえず橙はほっといて寝かしておき
長い階段を降りながら考える

この家に住んでる、八雲家に住んでるから苗字は八雲か...? いや、それはちょっと図々しいかもしれないな。じゃあ苗字は無し? 下の名前だけでいい? 俺だとわかる、俺だと決めつけるために必要なんだから下の名前だけでもいいよな?


長い廊下を歩いている俺は、昨日の夜とは違い
何か楽しそうだった
気がする 
 

 
後書き
「これでいいわね?」

「はいっ。多分よろこんでくれると...」

「ん... 起きて来たわよ」 
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