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剣の世界で拳を振るう

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死の証明

 
前書き
最終回! 

 
「たあああ!」

48層迷宮区。
辺りに響く剣のぶつかり合う音が、一部戦争のイメージを沸かせる。
そんな中、俺はその光景を見守りつつ、疲労回復に勤めた。

「………」

あいつらはやはり分かっていない。
剣を打ち合う度に投降を促し、何度も危ない攻撃を受けそうになっている。
このままでは死者が出るのも時間の問題だろうと思う。
――と、その時だった。

「ぎゃぁあああ!?」

一人のプレイヤーがPOHに殺された。

「カイン!くっそぉ!」

「馬鹿!突っ込むな!」

仲間が殺されたことに自暴自棄になり、剣を掲げながらPHOに向かって走り出すプレイヤー。
キリトがそれに気付き、止めようとしたがもう遅い。
PHOは既にそのプレイヤーを切り伏せていた。

「どうした攻略組!拍子抜けだぞ!」

PHOは走り出す。
その先にはアスナがいて――

「させるかぁ!」

キリトが割って入り、剣で攻撃を防いだ。

「また会ったなキリト…」

「俺は会いたくなかった!」

そしてその近くで三人のプレイヤーが殺された。
理由は簡単。油断したからだ。
殺ったのは目が逝った男。
男は直ぐ様キリトを見つけて走り出す。

「死ねぇ!」

「ぐっ!」

「ひゃはははは!」

キリトはつばぜり合いで持ちこたえるが、男の様子からは冷静になれずにいた。

「グッバイ…ボーイ」

そしてその後ろからPOHが包丁を振り上げ――――

「ぐ………あ……」

「ケン!」

俺が割って入り、代わりに斬られた。

俺のHPは徐々に減っていく。
やっぱ防御が紙なのはダメだったか…。

「詰まらない巻く引きだなボーイ」

「――終わらねぇよ!」

「ぐはぁっ!?おま……え」

消える前にまだ出来ることがある!
一人でも多く殺す!

「死んどけよPOH……これがおまえの最後だ!殺劇!」

殴り、蹴り、打ちこんで、ぶっ飛ばす。

「はぁぁぁ!」

その後ろに回り込み、更なるラッシュを叩き込む。

「舞荒拳・柔怒(ジュード)オォ!!」

前飛び正拳突きで止めの一撃をお見舞いする。

「ぐああああああああ!!」

POHは勢いをつけて上空を飛び、リング外…谷底へと落ちていった。

「ぎゃぁあああ!?」

俺の後ろでも叫び声が聞こえ、また誰かが殺されたのかと振り向いた。
そこにはキリトが目が逝った男の首を斬り落とした光景があった。

「ケン!」

キリトは俺に駆け寄ってきて肩を掴んだ。
俺のHPは残り僅かで、回復している暇はない。

「何で庇ったりなんて…」

「キリト、よく聞け」

俺はキリトの顔を両手で包み、目線を合わせた。

「俺が死ぬのはお前のせいじゃない。
それにまだ戦いは残っている。だから止まるな。迷っても良い!でも止まるな!良いな!」

…良かった。
最後まで言えた。

俺はポリゴンの欠片となって弾け、その場から姿を消した。
そして――――

















「ぐぁおあああああ!!!?」

――頭部の激痛に襲われた。 
 

 
後書き
最終回と言ったな。あれは嘘だ! 
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