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一週間

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第五章


第五章

「明日もね」
「何か金のない休みみたいだな」
「そこそこ遊べるだけはあるけれどね」
 それでもというのである。今は。
「それでもよ。何かどうにもね」
「自堕落な感じだな」
「別にいいじゃない。とにかくね」
「明日は掃除だな」
「ええ、やるわ」
 それを言ってであった。この日の夜は二人で過ごした。そうして次の日は実際に起きて暫くしてから掃除をした。掛け布団も干してこの日は清潔な生活だった。
 そして午後はまたゲームとDVDだった。昼食は適当である。夕食の時間になるとまた健人が来てビールと一緒にその夕食を持って来たのだった。
「今日は何なの?」
「焼きそばな」
 それだというのだ。
「あとお好み焼きな。それ買って来た」
「それとビールよね」
「ああ、俺は今日も飲まないけれどな」
「そうなの。今日もなのね」
「何か買って来たものばかりじゃあれだな」
 今日もテーブルのところに座りながらの言葉だった。
「健康的に何か作らないか?」
「あんた料理できるの」
「熱いのは苦手だけれどな」
 それは無理だという健人だった。言いながら夕食やビールと一緒に買って来た漫画雑誌を開いている。そのうえで読んでいるのである。
「一応はできる」
「私もだけれどね」
 優里亜は相変わらずベッドの上に座ったうえでゲームをしている。そうしながらの言葉だった。着ているのも同じジーンズである。ズボンが多い。
「それは」
「御前料理できたのかよ」
「何度も食べてるじゃない」
 少しむっとしながら彼に言葉を返す。ただし視線はゲームをしているテレビの画面を見たままだ。
「オムライスなりカレーライスなりハヤシライスなり親子丼なり」
「飯系統ばっかりだな」
「他にはそーきそばとからーめんとかおうどんとかおそばとかスパゲティとか」
「今度は麺類かよ」
「そういうのが得意なのよ」
 そうだというのである。
「どうかしら、それで」
「別にいいけれどおかずはないのかよ」
「それもできるわよ」
 こうは答えるのだった。
「一応はね」
「一応かよ」
「まあ作れるから安心して」
 それはできるとのことだ。
「じゃあ明日はそれね」
「ああ、美味いもの作って食ってろ」
「あんたの分も作っておくから」
 彼の分もだという。この辺りは流石に付き合っているだけはある。随分とくだけているどころか倦怠期めいたものさえ漂ってはいるがである。
「それでいいわよね」
「悪いな、それじゃあな」
「明日は確か」
 ここで優里亜は明日についてさらに語った。
「木曜だったかしら」
「金曜だよ」
 雑誌を読みながら答える健人だった。
「この雑誌チャンピオンだからわかるだろ」
「チャンピオンって金曜じゃなかったの?」
「木曜だよ。何かと勘違いしてないか?」
「そうだったかしら。それじゃあ明日の夜からは暫く二人ね」
「そうだな。じゃあ明日は気合入れるか」
 健人は不意にこんなことも言った。
 
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